「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
理想のデジカメ

スパイカメラで有名なMINOX(ミノックス)

 最近少ないのである。
 オマケに「エントリーモデル」などと三文安く見られるモデルにしかないのである。
 なもんで機能が貧弱だったり、中途半端だったりするのである。

 ・・・・・・おれの求める要件を満たしそうなデジカメって。

 今のデジカメですでに4台目だ。1台目で専用バッテリーを使用するタイプには懲りたので、それ以降はズーッと単三電池を使用するエントリーモデルばっかし使ってる。温泉で写真を撮ることが多いからだろうか、銀塩時代からやたらとおれのカメラは寿命が短い。そりゃそうだな、と自分でも思う。水に濡れないようにタオルでくるんで浴室の隅とかに置いとくのだが、そのタオル自体が湿気でじっとり湿ったりするんだもん(笑)。内部に精密な電子回路があるのを蒸れ蒸れにしていいワケがない。そぉいや今の前のんなんて湿気どころか、温泉エッセイで書いたとおり湯船に落ちて壮絶な水死を遂げたし。

 今日はストレートにタイトル通りのことを現状に対する不満を上げつつ書く。万一これ読んだメーカーの人がコンパクトでシンプルかつタフな単三電池モデルの重要性に気づいてラインナップを増やしてくれることを夢想しながら、おれの理想のデジカメについて、書く。そしてたぶんそれは、実は多くの人があったらいいな、って思ってるモデルのような気がする。

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 そもそも、や。何でこんなにちっこいねん!?と思う。

 バカみたいにコンパクト・コンパクトって、ミノックスみたいなスパイカメラでも作りたいのだろうか?ハッキシゆうて手の大きさに馴染まないくらいに筐体の小さいカメラなんて使いにくいだけでどうしようもない。IXYとかEXILIMとか、言っちゃぁなんだがバカぢゃないかって思う。手ブレ補正がどうのこうのってややこしい仕掛け付けるのもいいけどさぁ〜、まずはキチンと両手でホールドできれば実は手ブレなんてたいていは防げるんだから、両手である程度確実にホールドできる大きさでダウンサイジングは十分だろう。

 んでもって耐久性と防水性

 コンパクトカメラほど過酷な使われ方をされることが多いように思う。何せ機動力が命だし、使うのはカメラの素人が多いし、いろんなレジャーにも連れ出されるから落っことしたり、潮風にさらされたり、おれのように湯気でムンムンの所に持ってったり、暑かったり、寒かったり、雨雪が降ってきたり・・・・・・とその使用環境はかなりシビアである。
 なのに以前に持ってたサイバーショットはちょっと当たっただけで電池の蓋の蝶番部分が壊れてもげたし、筐体が継ぎ目のところで少し浮いた(まぁ、押さえたらパチンと元通りに嵌ったが)。少々ではへこたれないダイキャストボディでも出せないものだろうか?
 防水については言わずもがなで、時計で言うところの日常生活防水くらいの条件でさえ満たしているのは特殊な一部モデルでしかない。そりゃぁ湯船に落としたのはいくらなんでもおれが悪いが、ちょっと水掛ったくらいは余裕で耐える防水性はあったってバチ当たらんだろ、って思う。

 続いてはズーム、使えねぇ〜!

 光学5倍だとかなんとか望遠鏡ぢゃあるまいし、それに手持ちでズーム目一杯引っ張ったって、それこそ手ブレが激しくてマトモな写真撮れへん、っちゅうねん。どだいズーム云々以前にレンズ性能がコンパクトぢゃ圧倒的に能力が不足してるやんか。本気で望遠で撮りたいなら、三脚は必須アイテムやろ?カメラはコンパクトだけど三脚担いでたら意味あらへんがな。
 せいぜい3倍程度のズームがあればまずもって使用に差し支えることはない。ズームを抑える分、レンズ口径を上げ、より明るい玉にしてくれた方がナンボかありがたいってモンだ。

 次に連写。

 あのね〜、とにかくレンズ口径に限界があるんだから、ストロボなしでボコボコ連写したって、よほどの快晴でもない限り画面の粒子は荒れる。画素数がどうの、っちゅうよりフィルムで言やぁASAの問題だからこれはどうしようもない。連写機能自体を否定する気は毛頭ないが、ストロボの急速チャージが伴わない連写なんておれ的には実用に耐えないと言わざるを得ない。

 ・・・・・・で、ストロボ。

 ビルトインされてるのは光量不足もいいトコだ。今時の人はご存じないだろうが、昔の青い樹脂球の中にマグネシウムを詰めた使い捨てのフラッシュなんて、もぉ呆れるほどに明るかった。ブリキでできた傘を扇子のように開いて真ん中にそれをセットして使うのだが、ボッとゆう音と共に閃光を発し、高熱で電球がグニョグニョに柔らかくなる。ずいぶん値段の張るものでそう簡単に使えるものではなかったけど、あのまぶしさを思うと昨今のはどうにも頼りない。
 要は内部のバッテリーだけで電源を済まそうとするから光量も足りず、チャージにだって時間がかかる。外部バッテリーで独立したストロボが接続できれば良いワケだから、シャッターにシンクロさせる端子をつければよいのだ。

 あ、画素数もだ。

 銀塩写真でもっとも細密に撮影されたものは、画素数に換算するとおよそ3千万画素くらいらしい。今(2008年夏)で、デジカメは2千万画素を超えている。おそらくは銀塩の限界をも超えて画素数は今後も増え続けて行くのだろう。コンパクトもこれに追随する格好で1千万超がザラになって来た。
 ・・・・・・でも、誰がそんなん欲しがってるん!?おれが今使ってるのは600万画素で撮影モードもそれにしているが、それでも十分すぎる。例えばプロが全身大ポスターでも作るっちゅうなら話は違うが、プライベートユースではどんなに細密ったって1千万もあればお釣りがくるのではないだろうか?今くらいでもういいよ、画素数誇るのは。

 いよいよ電源。

 どいつもこいつも専用バッテリーになりくさりよって!とおれはいささか呪わしい。たしかに乾電池はエコではない。なくなればそれっきりでゴミになるだけだ。内部にはいろいろ有害だったり貴重だったりする金属が入ってるらしいから、もったいないのも事実だ。といって再利用可能なエネループ等の充電式は馬力が足りない。
 だが、電気の池、とは良く言ったものだ。これさえあれば、電源が確保できないところでも何とかなる。前にも書いたのでクドクドは書かないが、コンパクトデジカメこそもっともっと積極的に単三電池仕様とすべきだろう。

 最後にレンズ。

 どんなに電気仕掛けで工夫しようと、レンズ性能が何より大切なのは今も昔も変わらない。ならば沈頭式(電源切るとレンズが筐体に引っ込む)なんて縮み志向なメカは割愛してでも(精密ゆえに光軸の狂いの原因にもなるしね)、可能な限りデカい口径で明るいレンズつけてくれたらそれでいい。明るく、クリアかつシャープな写真にはそれが一番なのだ。
 それも今風な28mm等の広角レンズより、3昔前くらいのカメラで一般的だった35〜40mmくらいのが何だか写り方が自然で具合がいいように個人的には思う・・・・・・ま、これは好き好きだろうが。

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 ・・・・・・と、まぁ、工事現場用モデルでも買っとけ!と言われそうなヘビーデューティー仕様が出来上がりそうな「おれの理想のデジカメ」像だが、もし上の条件を満たしたものが出されたら、そ〜だなぁ〜・・・・・・5万円までなら出すね!絶対!大体、狭い所に細かい部品を詰め込む必要がない分、案外安く作れるような気もするのだが、メーカーさん、どうだろう?

 おれは写真家の作品を見るのは大好きだし、撮影技術にしたって、そりゃ〜上手くなれるものなら上手くなりたい。でも、道具や仕掛けに凝って力みまくった一枚撮るくらいなら、思いつきでガンガン撮りまくる方がやはり楽しい。そのためにはもっとタフで、イージーオペレーションとメンテナンス、そして基本性能としてのストロボ光量とレンズの明るさが欲しい、それだけなのだ。


コンパクトの傑作、オリンパス「トリップ35」。デジカメもこれくらいの大きさがちょうどいいな!

2008.07.18

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