「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
ハメ撮り、それが何か?




つれづれに拾って並べてみたら20分でこれ・・・・・・M字だらけ(笑)。秘めたる淫蕩さえも大衆化が進んでる、と。

 いきなりあけすけで尾篭な下ネタで始めて申し訳ないけど、何の本でだったか、ずいぶん昔にこんなエピソードを読んだことがある。ちょっとかいつまんで紹介してみよう。

 ・・・・・・えっちに励んでいるカップルがいた。シックスナインの体勢になって互いに相手の性器に舌を這わせているとき、男の方があるモノに気づいた。女性のアヌスからなんと、「モヤシ」が出ていたのである(笑)。言うまでもなく消化しきれなかったものだろう。
 男は迷った。教えるのは言うまでもなく相手を傷つけるし、そのままにしておくのはどうにも気になる。どうせ相手は快感に上の空でよがってるのだから分かりゃあしないだろうけど、抜いてその辺に打っちゃっておくのもやはり後憂を残しそうだ・・・・・・おそらくこのとき万感の思いが去来したと思うのだが、結局、思いあぐねた彼はクンニリングスをアニリングスに切り替えて、そしてそのままさりげなく食っちゃったのだった・・・・・・。

 おれはこれ、心温まるとてもいい話だと思う。愛が感じられる。そりゃまぁいかんせん、「尻からモヤシ」はちょと残ないしマヌケだけど。

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 1ヶ月ほど前、ネットの世界は大騒ぎになった。その顛末について知ってる人は知ってることだし、詳細に紹介するのは当事者たちの気持を思うと到底憚られるので、ごくごく簡単に述べるにとどめる。

 要はとあるカップルの男の方がPC情報を流出させてしまい、その中に極めて高画質なカノジョのおっぴろげ、俗にゆう「M字開脚」写真が入っていたのだ。実はそこまでならよくある話だが、男がたまたま珍しい苗字な上に、両名とも実名でネットの世界に関わっていたために、アッとゆう間に個人の属性情報と画像が紐付けされてしまった。美人で高学歴、堅い職業についてたのも災いして、不名誉なアダ名までつけられて、カノジョは面白半分でとことん祭り上げられた。

 騒ぎは瞬く間にまずは下衆なメディア系ウェブサイトに伝播し、すぐにあちこちの掲示板やブログに飛び火、間髪置かずにタブロイド紙や週刊誌にまで広まったのだった。無論、それらが相互に作用しあって、騒ぎがさらに盛り上がったのは言うまでもない。

 おれだって興味津々の好奇心から画像探して見たのだから(・・・・・・恐ろしいことに5分もかからずに見つかった)、あまり大上段にえらそうなことは言えない。けど、でも、この2人を何だか妙にモラリストぶって道義的・倫理的な面から叩くのは、どうにもビクトリア朝のヒステリックなオバハンみたいで、とても偽善的な醜いことだと思う。

 ・・・・・・そろそろ本題だ。

 両手で思い切り広げられた、しとどに濡れた(・・・・・・って、ふっるぅ〜、笑)性器がアップになった画像を見てもおれは、ケッコー美人やん、って思ったくらいで、性的興奮どころか何の感慨も抱かなかった。それに、喧伝されるほど多毛にも見えず、騒いでるヤツには童貞が多いのかな?って疑問も抱いた。それにそもそも、こぉゆうセックスの最中や前後の写真を撮ることを、何かしら悪事のように囃し立てることがあまりに幼児的に思えて、どうにも理解できなかった。

 ・・・・・・いいコトやんか。

 だってさぁ〜、どんなにしょうもないトコ行ったって、それがデートならみんな記念写真パシャパシャ撮るでしょ?この二人がどれくらい愛し合ってるんかは知らんけど、フツーに考えると若い男女がセックスに及ぶときって、テーマパークや遊園地や水族館や動物園や買い物や映画や観劇やライブや名所旧跡や海山川や温泉や食事やドライブに行くより、よっぽど大事な「記念」だろ?その画像を残したいと思うのは、たとえそこに羞恥プレー的な欲求はあったとしても、むしろ自然・・・・・・とまでは言わないにしても、ジューブンあっていいことなんぢゃないのかな?今はDPEに出す必要もないから敷居は低いし。

 え!?恥ずかしい?醜い?汚い?

 当たり前やん。だから冒頭にああゆう話を持ってきたのだ。本質的にセックスはクールでもスマートでもクリーンでもない。日常生活ではありえないようなカエルみたいなカッコのオンナと、バカみたいに垂れ下がったふぐりと貧相な尻をブラブラ揺らせるオトコが、普段は太陽にも当てないようなトコを剥きだしにしての取っ組み合いだ。つながるのはこれまた日常生活では排泄器官でしかないもの同士だ。絶頂の忘我の表情は白痴的でさえもある。しかし、それは営々と生物の♂と♀が辿り着いてきた根源的で必然的な行為なのだ。

 恥ずかしい、醜い、汚い・・・・・・でも、そんなこんなをひっくるめて愛しいんでしょ?だったら、その愛しい瞬間を写真に切り取ることは、とても大事だと思うけどなぁ〜。

 私淑して止まない写真家、アラーキーこと荒木経惟の名言を紹介してみよう。

 「私は、よく妻を撮ります。台所で料理をしているところとか、酔っぱらってダウンしちゃったところとか、トイレでウンコしているところとか、なんでも撮ってしまいます。なんでそんなに妻を撮るのかというと、ジャジャジャジャーン、私は妻を愛しているからです。写真は、まず自分が愛しているものを撮ることから始めなくてはいけません。そして撮りつづけていなくてはいけません・・・・・・(後略)」

 特有の含羞から来る饒舌感はあるものの、ハメ撮りの世俗倫理的な是非に捕らわれてどぉのこぉの拘泥してることがアホらしくなるくらい力強く、明快な文章だ。とはいえしかし、これを掲載することを許可した旺文社もすごい。載ったの「高二時代」だもん(笑)。今なら確実にNG出るだろう。クダらない時代だ。

 そう、ハメ撮り上等、どんどんみんな撮ればいいんだよ。

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 最後に、ぢゃオマエはどないやねん?と出歯亀根性も交えつつ突っ込まれる向きもおありだろうから、オチ代わりに触れて終わることにしよう。

 もちろんハメ撮り写真は公開するツモリはサラサラないけど、ある。あるけど、どうにも思ったように撮れず失敗ばっかり。なもんでさほど数はない。大体において撮影のときは室内で光量が乏しいから、フラッシュ焚くと妙に肌の色が青味がかって写るし、かといって使わないとシャッタースピードを落とさざるを得ず、手ブレの原因になったり妙に画面が荒れたりする。それらを避ける手っ取り早い方法は接写だろうが、それだと今度はどれもこれも同じような絵になってしまう。世間にあふれる投稿雑誌や投稿サイトの水準に、おいそれと届くことができないのはとても悔しい。

 要するに、通常のスナップショット写真なんかよりよっぽどむつかしく奥が深い。みんな、頑張れ〜♪
2005.11.02
----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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