「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2021 山梨(初日・後半)

次にやって来たのが女夫石遺跡。
その名の通り、「女夫石」という巨石を中心とした遺跡だそうです。

原状復帰なのか何なのか、一面に植林されちゃってます。元は祭祀空間だったんだから余計なコトせんでもエエのに、って思いますけど。
実はここでは、隣に続く広い牧草地みたいなトコも含めて大量に撮影しました・・・・・・が、熱中し過ぎてフツーのスナップショットが殆どないっちゅう有様で。
そんなんで旅のレポートに纏めようがなくなってしまいました(笑)。
続いては、穂坂のマルスワイナリーから少し奥に入ったトコにある「山神社」へ。

急坂を上ってくと・・・・・・
ありました。

このプリミティヴな鳥居が見たくて来たようなモンです。
天狗信仰があるのか、拝殿前には巨大な一本歯の高下駄が奉納されてます。
大きさはこんなカンジ。
何とも言えない奇天烈な御面相の狛犬。

犬でも猿でもなく、ましてや獅子でもない奇妙な何か(笑)。
何か角みたいなんが頭上に生えてたりしますし。
拝殿の片隅に立て掛けられたコレ、最初見た時は何か分かりませんでした。

鼻を取り外した巨大な天狗の面です。

ちなみに拝殿後方には四本の柱が立っており、諏訪神社系統のようです。
肝心の華は隣の屋根の下。

まるで巨大ディルドーですね・・・・・・誰も入れられんでしょうが。
ここでも大量に撮影。

夕方で寒くなって来たのもあって大急ぎ。
・・・・・・ってーか、山神社はこっちで、さっきの天狗のトコは境内摂社なのかも。
ひじょうに立派な舞楽殿がありました。
陽の傾きかけた時間の桜って好きかも。
時間が押して来る中、ダメ押しのように市街地近くに下ります。

山梨県に多い丸石が祀られてるココは・・・・・・
・・・・・・岩森諏訪神社。

中央本線の線路のすぐ北、込み入った路地の集落にあります。
・・・・・・って、これだけか~い!?
「本殿裏に磐座」って情報はしばしば見かけるんですが・・・・・・
ぶっちゃけそこまでして祀らんとアカンかったんか!?って、物陰に連れ込んで問い詰めたくなるようなケースが実は大半だったりして(笑)。
プレハブ物置みたいなのに囲われた本殿。

地元の篤い信仰を今でも集めてることが伺えます。
さっきの丸石前でもう一枚撮って終了。

いかん!日没が近い。
そんなこんなでいきなり旅館の一室。
生成りのコットン製のマスクまでサービスで付いてます。

観光客に早く戻ってきて欲しい気持は良く分かります。
南アルプスの山の端に、今まさに陽が沈んで行きます。
ぎんぎんぎらぎら夕陽が沈む・・・・・・ってな西日に照らされる牛の置物。
・・・・・・いやまぁ後ろが金箔張りなんですが。

床の間が金箔張り、って初めて見たかも。
あ、まだ言ってませんでした。

今日の宿は甲府湯村温泉・「旅館明治」です。
ソッコー風呂には入ったものの、先客が何人かいて、内部の撮影は断念。

そもそも湯気がスゴくて写真は厳しかったですが。
無色透明・無味無臭、あくまで清澄でクセのないお湯でした。
もちろん、市内のごくフツーの観光旅館ですから男女別。
さて、この旅館は作家・太宰治が長期逗留していくつかの作品を執筆したことで知られてます。

そんなんで、こうしてロビー近くには太宰コーナーが設けられてあります。
・・・・・・っちゅううても、それほど何かスゴいコレクションがあるワケではありませんが。

左上は津軽の生家・「斜陽館」ですね。
ちなみに実際の太宰治は当時としては大柄の175cm、加えてナカナカ男前な一方で、意外や意外ひじょうに剽軽でユーモアもあり、とてもモテてたようです。
部屋の名前がどれもシブいですね。

「麻鳥」と「するすみ」、「御春」ってのは、他では見たことないネーミングかも。
ちなみに太宰逗留当時から建物は建て替えられてるそうです・・・・・・そりゃぁ鉄筋コンクリートですもんね(笑)。
それにしても、土曜日というのにほとんど宿泊客の姿はありません。

ナンボGoToとか官製でムリクリに盛り上げようとしたって、社会全体の気分が落ちてる以上、どうにもなりませんわな。
食事の時間になりました。

相変わらず水平出すのがヘタな私。
付出は生湯葉の刺身。
酢の物代わりの海鮮サラダ。
ローストポーク。

ローストビーフより実は私、好きかも。
あ!順番からゆうとこれを紹介するのが先ですね。

八寸は左上から時計回りにコキール、豆腐の味噌漬、海老、黒豆、合鴨ロース。
牛の陶板焼

そぉいや最近は下にクッキングペーパー強いてあることが多い気がします。
全体図。
のけぞるようなボリュームでなかったことに一安心。
馬刺し。
なぜかフグの一夜干し。
陶板焼も完成しました。
ご飯・・・・・・いつもヨメはほぼ残すので、事実上私が2杯食べてます。
ベビー帆立の吸い物って珍しいかも。
漬物
水菓はイチゴ。
・・・・・・箸袋(笑)。

決して豪勢ではないけれど、独特のヒネリのセンスが感じられる献立でした。
あ~、おなか一杯・・・・・・で茶を啜る。
どうやら金系統の色遣いが好きみたいですね、この旅館。
こんなんが置かれてたり。
顔色メッチャ悪い太宰はんとツーショットで記念撮影。
「発のん柳、災きな旅館、火とひはす・・・・・・」最初は何かの暗号かと思いましたで(笑)。
あ~、いかん!最近の悪いクセで呑み過ぎてしまった!
でもまぁもちろん食後のエクササイズはきっちりやります(笑)。
そいでもって私は寒い中、ちょっと夜散歩に。

思うんですが、MFTってこれくらい暗いと、意外に情感のある絵になるんですよ。
ところが、こうした中途半端な暗さに弱いような・・・・・・画像処理エンジンがそうなってんでしょうね。
・・・・・・あ、これが火事の時の避難先ね。
温泉街のメインストリートだっちゅうのに、灯りも少なくとても寂しい通り。
ナゼかライブハウスが一軒。

アコースティック系のライブやってました。
私は、もっと夜になれば浴衣姿の宿泊客が下駄を鳴らしてそぞろ歩くのを想像してました。

・・・・・・そんなん私一人でした。
鬼娘ではなく鬼「婆」が相手してくれそうですな(笑)。
結構地元では有名なお店のようです。

あくまで個人的意見ですけど、温泉街はあまり観光客を館内に囲い込まないで、こうした食堂とか飲み屋にもっと流れるようにした方が、中長期的には温泉場全体が栄える気がします。
協同組合、って一体全体メンバーどんなけいるんでしょうね?

おそらく最盛期からすると、減る一方なんぢゃないかって気がします。
反対に旅館の北の方に行くとより一層寂しくなっていきます。
いい加減気が滅入って来たのと寒いんと、宿に戻りました。
太宰治が逗留してた頃の温泉街はどんな感じだったんだろうなぁ~?
そんなことをぼんやり考えながら、この日は眠りにつきました。

明日も巨石系を中心に回る予定です。思えばめぼしい山梨の巨石も大体行き尽くしつつあるような気がします。
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