「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2021 山梨(初日・前半)

2021年、明けてもコロナ禍は消長を繰り返しながら収まらず、ナカナカ旅に出ることも叶わないままやきもきする日々が続いてました。

それでも春になって一時緊急事態宣言解除になったので、早速いそいそと出掛けることに・・・・・・。
如何にも高原の春、といった光と長閑な風景です。
ここは山梨県北杜市。

看板に従って歩いて行くと・・・・・・
ありました。まぁまぁデカい。

鳴石です。
変事が起こる前には鳴って知らせてくれるは、入用の物があれば何でも貸してくれるは・・・・・・と、メッチャ気前の良いヤツです。

ところが「椀貸伝説」お決まりのパターンで、不心得者が借りたのを壊して、黙って戻してからは、怒って貸してくれなくなったとか。
周辺は陽当たりの良い疎林が広がっています。
ちょっとロケーション的には厳しかったですが、無事撮影も敢行。

ナカナカ幸先の良いスタートです。
続いては八右衛門出口湧水。

小海線と県道との間の窪地みたいなトコに、ひっそりとありました。
今はこうして長閑で地味な観光スポットですが、かつてこの辺の水争いは、時に死人も出るほどに熾烈を極めたらしい。
標高高くて、晴れの日が多いこの地方にとって、水はとても貴重だったんですな。
・・・・・・って、道路脇すぐなんで、ここはアッサリと終わり。

ちなみにこの少し上の方に、地震予知で有名な串田喜男氏の私設天文台があります。
抜けるような青空に満開の枝垂れ桜。

山国の遅い春も真っ盛り・・・・・・などと月並みなセリフそのまんまな風景です。
枝垂れ、ってちょっとピンク濃いんですねぇ。
こちらは観光地としてシッカリ整備された「三分一湧水」です。
山桜の淡い色彩も好いカンジっす。
要は各村が水の配分を巡ってケンカせんように、キッチリこうして三等分した・・・・・・と。
何となく巨大版「酒舟石」みたいに思えました。

ちなみに水温は年間を通じて10℃前後、メッチャ冷たいです。
他の湧水とは異なり、ここだけは公園としてチャンと整備されており、あちこちに遊歩道が伸びています。
まぁ、外出自粛解除を待ちわびてた観光客が多く、ここは大人しくスナップショットで。
俗に「オリンパス・ブルー」と呼ばれる青味は、こうした天気に似合うかも。
ちなみに近所には他にも、延命水・女取湧水・井詰湧水等々、多数点在しています。

すべて八ヶ岳の伏流水が地上に出たもの。
あ!富士山だ。
駐車場に戻って来ました。
売店前には色とりどりの花が売られてます。
やはり冬が厳しく陰気だからか、花が好きな人がこの辺には多いような気がしますね。
下って今度は大井ヶ森諏訪神社。

道路に並行して長い参道が続く地味な神社です。

ここも桜が満開。
社殿自体はまぁ、フツーっすね。
ミニミニ境内摂社が並んでます。

しまった!諏訪神社なら裏手の四本の柱も見とくんだった。
今は氏子も少ないのか、かなり荒れてます。

北杜市は移住人気が高いそうですけど、都会から来た住民はこうした地元に根差した古くからの場所にも関わった方が良いっすね。
逆光はLEDビデオライトだとこれくらいが限度。
ここは思い切った方が良かったかな?

すごく桜が良かったんですよ。
それはともかく、立ち寄ったのはこれ。

「御座石」という名前だそうです・・・・・・が、境内の動線からは外れており、これがそこまで神聖視されてたのかはやや疑問。
注連縄は巻かれてるものの、磐座っちゅうにはちょと弱いかも。
続いてはまたもや湧水。
大滝湧水です。

湧水量ではこの辺では最大で、川魚の養殖が行われていました。
隣は大滝神社というケッコー大きな神社になってんですが、真っ先に裏山の方へ。
明らかにこりゃ~磐座っすね。
引いて撮るとこんなカンジ。

湧水の上に立ち並ぶこれらの巨石群が神聖視されたのは、何となくスーッと分かる気がします。
ただねぇ~・・・・・・こうして見ると分かりにくいんですけど、ケッコー次から次に観光客が来るんですわ。

・・・・・・って、コロナで休業中とはいえ川魚料理の食堂があったりするくらいですもんね。
斜面にへばり付くように建つ大滝神社は意外に小さなトコでした。
     
どうやら御神体はこの湧水自身のように思えます。それだけありがたい存在だったんでしょう。
「谷桜」は北杜市の大きな地酒蔵みたいです。
う~む、出だし以降がイマイチ撮り切れてないなぁ~・・・・・・。
神社からすぐ、それなりに往来のある交差点の脇にあるのは「神供石」。
何だか最早ミニ公園に置かれたオブジェみたい。
続いては金生遺跡。

寒いトコなのに、八ヶ岳南麓には古代遺跡が意外に数多く点在してます。
低いけどそれなりにチャンとした土壁があるんで、縄文時代よりは新しいのかな?
大きな庭のある人は、常設テント代わりに一つ拵えてみたら楽しいかも。
内部は竪穴式の流れでちょっと掘り下げてあるので、意外に高さがあります。

しっかし大雨とか降った時、浸水をどうして防いでたんでしょうね?
八ヶ岳は日本の山岳信仰のルーツの一つと言えるはずなんですが、例えば富士の浅間神社に相当するものがないような気がします。
北斗市街地の北を巻くようにして、お馴染みの増富ラジウムラインに入り、江草小学校跡に到着。
ちなみに隣接して中学校の校舎もあったようですが、そちらは惜しくも解体されちゃってます。
ここはこれまで行こうと思えば行けたはずなのに、ナゼか通りすぎちゃってました。

真っ先に訪ねるべき物件やんか、ココ!
廃墟探索の常で、まずは一番上まで上がることにします。
長く伸びる廊下を背景にしたショットは、ワンパターンなんだけど何か好きだなぁ~。
ポータブルレコードプレーヤーの残骸・・・・・・どことなく熊さんっぽい(笑)。

安いプレーヤーは針圧が高くて、レコードの磨り減りが早いなんて昔は言われてましたね。
ここの素晴らしいトコは、とにかく内部が荒らされて無いコト。

それに尽きます。
廃墟を朽ちさせて良いのは、時と自然の移ろいだけです。
建屋としては、比較的モダンで簡素、規格品的な明快さがあり、戦後すぐくらいのもののような気がします。
あ~もぉ、ここではバキバキに撮りまくり。

・・・・・・って、言わなくても分かりますよね~、これでは。
こぉゆうアソビ心は悪くないっすね。センスを感じます。

別に破壊してるワケでもないし。
そうだ!廃校に打ち棄てられてるタイコ類でドラムセット組んでみようかな!?
そろそろ撮影もお仕舞い。

校庭にはゲートボールのために老人たちが集まり始めてますし。
この、暗い中、窓だけが明るく写るのも良く撮ってる気がします。

何か詩情を感じちゃんですよ。
最後はガラクタが集められた部屋。
散らかってますけど、これらも荒らされてこうなってるのではなさそう。
妙にガチガチに施錠してるトコもありますが、ここはひじょうに大らかでした。
フィルムコミッションにも登録されており、過去にはドラマのメインロケ地にもなってるようです。

何だかんだで私たちも200枚以上撮影。
続いては穂見神社。

以前訪ねた、深田久弥ゆかりの穴山温泉のすぐ近くだったりします。
社殿自体には、まぁ特筆するものはありません。
それでも私たちは必ず律義に二例二拍手一礼、賽銭も入れるようにしてます。

往々にしてそれは「お騒がせ料」も兼ねてたりしますけど・・・・・・(笑)。
今でも奉納の舞があるのか、舞楽殿は比較的新しいものでした。
「パワースポット」って何とも薄っぺらで安っぽいコトバですよね。
裏手の斜面に設けられた階段を上って行きます。
「獅子岩」です。

位置からして、これがここの御神体なんでしょう。
撮影敢行・・・・・・とは残念ながら行きませんでした。

画像からは分かりにくいですが、すぐ上は道路通ってんですわ。
・・・・・・ま、ここはアッサリ撤収で。

石造りの太鼓橋が何か可愛い。
おなかも空いて来たのでお昼にすることにします。

海無し県の群馬・山梨は寿司屋がアツい、って噂を想い出して、通りかかった回転寿司に。
たしかに!ナカナカやんか!
貝類が良く揃った寿司屋は良い寿司屋、ってのが私の意見。
炙ったヅケもエエですやんか。
一本穴子も家の近所の回転寿司と較べて、何の遜色もありません。
ウニ・イクラ・ネギトロのミックスがカッパ巻の上に載った「山盛りデラックス」。

豪華絢爛っちゅうよりはちょと悪趣味かも(笑)。
夜が旅館の食事になる時、量を調節しやすい回転寿司は意外に狙い目かも知れませんね。
「活鮮」・・・・・・たいへん美味しゅうございました。

調べてみたところ、山梨から東京西部にかけて展開してるチェーンのようです。

後半はさらに甲府に向けて下って行きます。
----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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