「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2021 静岡(二日目・後半)

兵隊寺を後にして次の目的地である関方山ノ神を探します・・・・・・がこれがどうにも分からない。

とにかくこの辺、昔のミカン山で細い道が縦横に走ってるのです。
結局良く分からないまま、山を下って来ました。「時石」も不明のまま。

山ノ神と言われる磐座は高草山周辺の策牛・方の上・坂本・花沢・朝比奈・葉梨等にも点在するみたいです。
岡部宿まで下って来ました。
宇津ノ谷峠の道の駅でとにかく休憩。

走り回って何か疲れました。
久々に激しく見付けられなかったカンジっすね。
1号バイパスをひた走って静岡市葵区の麻機ってトコまで来ました。

何てことない御堂が老人ホームの密集する一角にあります。
その傍らに「肥付石」・・・・・・磐座っちゅうにはあまりに小さいですが、「罪深い人が触ると、足や身体が腫れる」というちょっと不気味な伝承があるそうす。

ちなみに私は腫れませんでしたけど。
そこから裏山の狭い林道を上がって、今度は「鈴石」。

サラッと書きましたが、案内看板も何もなく通り過ぎてしまいけっこう探しました。
ここに看板立てても分かりません、って。
巨石に穴が空いてます。
この穴に古銭を投げ込むと七日七晩、チャリンチャリンと音が鳴り響いていたという伝説があります。
ホンマにそうなのか試しにやってみたところ、たしかにかなり深くまで落ちて行く音がしました。
周辺は古い石切場の跡で、或いは石工が戯れにそんな仕掛けを拵えたのかな?って気もします。

鑿の跡とかはありませんでしたが。
あ!もちろんこの上天気、ここでは撮影敢行。
ちなみに「鈴石天神」って名前で磐座としての信仰もあったようです。
今もまぁ、たまに参る人はいるみたいです。

ともあれ何ともトリッキーな巨石でした。
さらに東進して本日のメインイベントとも言える興津川製紙跡に到着。

住宅街の狭い道の奥に忽然と現れる超巨大廃墟です。
しかし、何かフツーに入れちゃいますね。
入口付近のガランドウになった建物。

多分倉庫跡でしょうか。
隙間から工場内部が見えました。

こりゃかなりスゴそうですが、周囲をウロウロするばかりでは埒が開きません。
新幹線の高架近くの思いっ切り崩壊したあたりから入ってみることにします。
左は恐らく従業員の休憩スペースみたいなトコだったんぢゃないでしょうか。

準備完了!
しっかし、最初のスタートポイントがいっちゃんヤバそう。

まぁ屋根部分って頑丈なんで、そんな急に来ることはないでしょうけど・・・・・・。
抜けると、いきなりインダストリアルな風景が広がっていました。
こりゃマジでスゴいわ。

随所で抜けた天井から午後の光が射し込んでいます。
稼働当時がどんなんだったかは想像も付きません。

とにかく全てが圧巻の光景。
これは多分、紙を圧延するような機械だったんぢゃないかと思います。
一斗缶が大量にあるので、色でも付けたんでしょうかね?
ここのスゴいのは、これだけの巨大な建物が木造ってコト。

今は多分、建築基準法とか消防法とかでこれだけのはナカナカ建てられないんぢゃないかと思います。
何となく「ハウルの動く城」を想い出しました。

また、スチームパンク的でもあります。
多分、原料の木を煮て溶かしてそいでもって漉いてたんでしょうから、実際、至るトコから湯気が上がってたんだと思います。
これだけの圧倒的な規模って持越鉱山以来かも。

敢えて言うのも野暮ですが、ホンマもうビキバキに撮影敢行しながら奥に進んで行きます。
ただ、マジでかなり崩壊しかけてるのも事実。

何となく建物全体がたわんで歪んでるのが目で見ても分かりますから。
トタンが落っこちて来るくらいならまだマシでしょうが、縦横に走る鉄パイプだったりしたらシャレなりません。
ムチャクチャ雑な変電設備ですね。
ケッコー、現役時代も危険な工場だったんぢゃないか?って気がします。
煉瓦の壁な部分もあったりします。
左下は落っこちてきた窓枠です。

ちなみにこの会社、実態があるのかないのかはともかく、今も法人として存続はしており、恐らく解体費用を掛けず自然崩壊を待ってるんぢゃないかと思います。
ゴツいコンクリートの土台の上はどうなってるんでしょうか?
しっかし、どこもかしこも壊れ方がハンパない。

足許だけでなく頭上にも注意しながら行きます。
あ!これ、有名な「地球釜」ですね。

ガンツ玉みたい・・・・・・「てめえ達は今からこの方をヤッつけに行って下ちい」とか表面に浮かんだりして(笑)。
暗くて分かりにくいですが、大きなバネ秤。
2階に上がると、銭湯の湯舟みたいなタイル貼りの水槽がいくつも並んでます。

上は何か回転するモノなんで、攪拌してたのかも。
何ちゅうかココ、従業員は何も知らされないまま最後の日までフツーに働いてたようなカンジがします。
そいでもって「突然ですけどぉ今から昼礼やりまぁ~す」なんて調子で食堂とかに集められて、いきなり倒産を告げられる、みたいな。

いや実際世の中、そぉゆう会社多いんですよ。
とにかく今は静まり返った中、全てがゆっくりと朽ちて行ってます。
うわ~!配線がメッチャ雑・・・・・・ってかかつての蒸気濛々の中、剥き出しで漏電とかななかったんかな?
配電盤って廃墟撮影の時は必ず撮ってますね。

ノクターナル・エミッションズのジャケットみたい(笑)。
ん!?2階に上がったはずなのに、フツーに外に出ました。

いくつも繋がった建物は意外に高低差があってトリッキーです。
2階(!?)はこれでいったん撤収。
もう一度、1階をウロウロすると隣の建物への通路発見。
こちらはドーンと真っ直ぐに機械類が並んでる感じです。
均一に圧延するためか、あっちこっちにこうしたローラーがあります。
こちらの建物は半地下でも先程より明るい印象。
こういった場所でライブやったら楽しいだろうなぁ~・・・・・・って昔、ノイバウテンのビデオ撮影になぜか同行した時も、こんな場所で撮ってたっけ。
何だか汽車の動輪みたい。
撮影敢行時の定番スタイル。

カバンは脱いだ服やら履き替えた靴を入れるため、また汚れても良いように大きくて安物のナイロンの手提げ。
さっきの倒壊しかかった巨大空間に戻って来ました。

そろそろ探索と撮影は終了です。
最後にお遊びでエイヤッと一枚。
本当はココ、GoogleMap等で見るとまだまだ建物が広がっており、今は完全に倒壊して緑に呑み込まれたトコもあります
多分、回ったのは現存部分の半分にも満たないのではないでしょうか。
真剣に探索するなら一日ではムリかもしれません。
あっ!ここにも地球釜!
何だか、ようやく現世に戻ったような気がしました。
・・・・・・そしてふと、今後これ以上にはもぉ撮れないんぢゃないか?って気がしました。
ちなみに敷地の北部分は、水道の配管工事か何かで沢山のトラックが停められてあります。
この素晴らしい廃墟が見られるのも、案外あと僅かなのかも知れません。
後ろ髪を引かれる思いで、そろそろ切り上げることにします。
結構この10年くらい廃墟巡りはしてきましたけど、ホンマにここは全てに於いて圧巻でした。
相変わらずコロナのせいで、休日なのに人気の少ない駿河湾沼津SAに寄ります。
・・・・・・っちゅうのも靴がこんなヒドい有様で(笑)。

「ヌスビトハギ」ってヤツですね。
そんなこんなで今回もお疲れさん。

・・・・・・ってなカンジで、今回の旅はここまでです。お退屈さまでした。
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