「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2020 岐阜~愛知(二日目・後半)

時間は押して来てるんですが、かなりムリクリに詰め込んで本日最後のスポット「内々神社」に到着。
「うつつじんじゃ」って読みます・・・・・・すぐ近くの峠は「内津」って書くんですけどね。。
何でそう書くかも含めて平明に説明された由来書き。

このテの説明看板としてはものすごく分かりやすい。
・・・・・・こっちは平明すぎて案内図になってませんな(笑)。

余談ですけど、昔はちょっと先に「内津温泉」って鉱泉もあったみたいです。
ひじょうに立派な社殿。

創立は日本武尊にちなみ、豊臣秀吉も朝鮮出兵の際に参ったとか。
読めない額。
ひじょうに珍しい天然木のフォルムを活かした狛犬。
いささか摩耗しちゃってて分かりにくいですけど。
神社横の細い道を上がって行くと川沿いに表れるのが、旧・妙見宮奥之院、
間違いなく巨大磐座です。
素晴らしいロケーションで撮影敢行したかったんですけど、道路沿いなのと下の庭園から繋がっててポツポツ人が来るんで断念。
間違いなくこうした岩石祭祀が神社のルーツでしょうね。
さらに19号バイパスを潜ってダラダラ登ってくと、神社の奥社への入口に到着。
御嶽講の霊神碑が並ぶ横を通ってさらに上がって行きます。
急な石段の上の方にチラッと見えました。
そうなんですよココ、実はめり込み系の懸崖造りなんですわ。

再建によって脚部が鉄骨になってるのが味気ないですけどね。
奥ノ院内部の様子。

今も厚い信仰に支えられてるのか、ひじょうに綺麗に掃き清められてます。
以前訪ねた栃木の岩崎観世音寺奥ノ院に酷似してると思いました。
ちなみにココ、懸崖造りのバイブルと言えるTwoSocks氏の「日本の懸け造り」にも出てません。
しっかし一体全体昔はどのようにして上がってたんでしょうね。
さらにちょっと奥にも岩壁を彫り込んだ祠がありました。
金正尊・・・・・・聞いたことないなぁ。

さらに登ると展望台があるみたいなんですが、時間も遅いんでパス。
いや~、素晴らしくサイキックな雰囲気のあるトコでした。
下の内々神社まで戻って来ました。

拝殿後方には夢窓国師作と伝えられる回遊式庭園が広がっています。
あんまし手入れが行き届き過ぎてないのが却って良い雰囲気。
ちなみにこの後方の山には「天狗岩」と呼ばれる巨大な岩壁があります。
思うにそれを須弥山に見立てた庭の設計となってるんぢゃないかと・・・・・・。
こっちからも山に上がる道があって、句碑が並ぶ「菫塚」ってのがあるみたいですが、興味ないんでパス。

そもそも「山路来て何やらゆかしすみれ草」の句とこの地、関係ないし。
神社に隣接する妙見尊。北辰信仰ってヤツですな。
妙見と巨石も組み合わさってることが多いように思います。

・・・・・・って悠長に構えてる場合ぢゃあ~りま温泉!薄暗くなってきました。
すっかり日も沈んだ頃、今夜の宿に到着。
アンダー気味の照明がシブい雰囲気を醸し出してますな。
足助手前の一軒宿、白鷺温泉「白鷺館」です。

実はズーッと以前から気になってた宿でした。
温泉そのものはさして特筆すべき点はないかも。
男女別になった内湯があるだけです。

鉱泉宿なんて本来そんなモンなんですが、それが分からないアホが最近多いですよね。
かなりくたびれた風情の浴室内部の様子。

泉質としてはアルカリ性で、ホンの僅か硫黄臭の感じられるお湯でした。
うわ!でっかいヤモリ!
浴室の外は休憩スペースになってますが、ここも照明はアンダー。
あちこちにキャンドルやオイルランタンが置かれてます。

演出として分からなくはないものの、ちょっと危ない気もしますな。
ちなみに最近、ここってあの悪名高いOYOグループの傘下になっちゃったんですよね。

ナンボ紅葉の名所・香嵐渓が近いっちゅうても、一軒宿の鉱泉では経営がタイヘンだったのかも。
食事の時間になりました。
この埃よけの紙かぶせてるタイプの供し方、めくる時のワクワク感が楽しい。
聞いてみると女湯も男湯と変わりなかったみたいです。
とても賑やかな八寸。左下から黒豆、ミニトマト、海老、カニカマ、モロコ佃煮、粕漬、チーズ、出汁巻、生ハム、山芋短冊、塩辛、茹卵、バイ貝、枝豆、柏餅、抹茶葛餅・・・・・・だったかな?
鮎の甘露煮。

手前には漬物が見えます。
鮎の背ごし・・・・・・って、本当の背ごしは輪切りなんですけどね。
松前漬け。
芋の煮物。
寄せ豆腐。
精進刺身・・・・・・ん?海老と帆立が入ってるやん。
地酒5種・・・・・・スーパーの試飲でももうちょっとは入ってるやろ、ってな少なさ(笑)。

写真撮り忘れましたけど、鮎の心臓漬けた焼酎も一口ありました。
こっからは途中から出て来た鮎尽くし。

まずは塩焼き。
鮎田楽・・・・・・ヴィジュアル的には塩焼きとほぼ一緒。
鮎の唐揚げ。
背ごしで残った骨の唐揚げ。

パリパリでこっちの方が食感愉しめて美味いかも。   
いや~、後半にこれだけ一気に鮎で畳み込んでくるとは!
大分苦しくなって来てるようです(笑)。

私は全然ヘーキなんですが。
丁寧なのか雑なのか分からないお品書き。

最初の口取り(八寸)なんて、「秋用」の一言で終わり(笑)。
五種呑み比べの内容。

「戦勝正宗」「澤屋まつもと」「十四代」「寫楽」「蓬莱泉・空」・・・・・・あまりに量が少なくて分かりませんでしたが(笑)。
シメは鮎雑炊。

その流儀については諸説ありますけど、ここのは私好みで焼き鮎を生姜と三つ葉、出汁でアッサリ仕上げたモノ。
嫌いな人は嫌いですが、ウチは二人とも川魚はかなり好きな方。
テンコ盛りなフルーツは、林檎・梨・柿・葡萄・無花果・オレンジ・バナナ、オマケで栗きんとん。
いや~、満腹ですわ~。
・・・・・・とこの宿、全体としては悪くないんですけど、なんかスタッフのレベルが低いように思いました。
言葉遣いが悪いとか無愛想とかそんなんではなく、なんかズレててチグハグなんですよ。急に動員掛かって来たような、そもそもこの旅館で普段から働いてる感じがしないっちゅうか。

そこが気になったポイントです。
もう一回、風呂に入ることにします。

露天風呂かと思ったら生簀でした・・・・・・って!?(笑)
もう時期が時期だけに鮎はいないと思いますが。
多分、こうしたレトロで拘りのある雰囲気は元々のモンだったんでしょうね。
そこにいきなり木に竹継いだように合理的経営が入って来てるのが現状ではないかと・・・・・・詳しくは知らんのですが。
とにかくこの風情は一朝一夕には出せないと思うので、そこは大切にしてほしいですね。
いや~、今日も一日長かった。脱いだり着たりの繰り返し、大変おつかれさまでございます。

明日は豊田界隈で何ヶ所か回って帰路につく予定です。
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