「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2020 愛知Ⅰ(二日目・前半)

翌朝。

どうやら暗いトコは無理せず、暗いまま撮るのがこのカメラには合ってる気がしてきました。
暗部をムリに起こそうとするから荒れるワケで・・・・・・。
伊良湖の町並みは廃屋だらけ。

やはり高速道路網の整備の影響をモロに蒙ってるんでしょうね。
しかし、イマイチ「廃墟としての深み」に欠ける物件が多いような気がしますな。
菜の花がどこも満開になってます。
ありゃりゃ、また廃物件だ。

死屍累々の状況ですね。
朝日に輝く伊良湖のフェリーターミナル。

かつては大型トラック等が列をなしてたんでしょう。
鳥羽行でしょうか、大きなのが停泊してます。

そもそも高速に押されて経営が苦しくなってたトコに、アホな天下り社長の過剰投資等が祟って、ホントは10年ほど前に廃止になるハズだったのが、何とか地元の手助け等で存続してるのが実態。
ぶっちゃけ島崎藤村が歌に詠んだ、ってだけで実際の見どころはそんなにないカンジです。
本来はただの静かな漁村なんでしょうね。
三河湾内を行くのはフェリーではなく、小さな渡船みたいなのが多いみたいです。

日間賀島は「タコの島」で有名ですよね。
これも左側はドンガラの廃墟。

とにかくさして広くない町なのに至るところ廃墟だらけ。
そうこうするうちに旅館の前に戻って来ちゃいました。

まだもうちょっと余裕あるんで北の方に歩いてみます。
便利ズームなのにボケも割と自然。

ホントこれ、撮る側を堕落させるレンズかも。
あ、温泉掘ってるんですね。

でももう、掘削温泉で掘っ建て施設拵えて集客できる時代ぢゃないって思いますけど・・・・・・。
絞り開放で100mmにすればこんな感じでバシバシ撮れます。
ムリに南国イメージにしなくても良いのでは・・・・・・?
思えば「椰子の実」なんていう、フワッとして実体のないエキゾティズムに振り回された町なんぢゃなかろうか?って気がしてきます。

島崎藤村も罪作りな野郎だぜ・・・・・・と。
あ、お目覚めでございますな。
早速朝食に。

とにかく私たちの旅先での行動はイラチっす。
素朴極まりないヴィジュアルの玉子焼!

こぉゆうの、好きだな。
ハムにキャベツ!

添えられたマヨネーズとミニトマトが健気(笑)。
塩鮭!

丸皿に載ってるトコが却って全体の素っ気なさにマッチしてますね。
チリメンジャコの酢の物!
漬物!

何てーかシンプル&ソリッド、どれも「!」って振りたくなるナカナカ漢な朝食です。
味付海苔。

思うんですが、味付海苔に下の皿は要らないって常々思います。
味噌汁!

・・・・・・具は何だったっけかな?
でも朝食はこれくらいが丁度っす。

・・・・・・ってなワケで早速出発。
依然静まり返ったロビー。

しかし釣り客っぽい人たちはもう出発した模様。
ゲロゲロ。

ちどり旅館、如何にも海辺の宿ってカンジのざっかけなさが良かったです。
モクレンの花が満開。

たしかにこの辺は気候が温暖なのか、あちこちで花が咲いてます。
菜の花・・・・・・はさっきも撮ったっけ。
ビッシリ咲いた椿。
ビッシリと地面を覆い尽くす花弁。
そうして御衣御料所に到着。

伊勢神宮との関わりが深く、伊勢神宮の神御衣祭の和妙という絹織物ための生糸を繰るところらしいです。
裏山の奥宮に上がってみました。
それにしても昨日の天気がウソのような春満開な朝ですねぇ。
山頂には石祠があるだけ。

ちょっと磐座を期待したんですが、どこにも見当たりませんでした。
隣は小さな展望台になってます。

ひょっとしたら何かお宮さんの建物がかつてはあったのかも。
穏やかな三河湾が一望できます。
しっかし晴れたのは良いんですが、パキパキに冷え込んでて撮影敢行は断念。
まぁ、今回の旅行は新しいカメラに馴れる、ってのがありますし、ムリは基本しないさせない、っちゅうコトで・・・・・・。
便利ズームの描写とは思えんくらい、精緻でヌケの良い絵になりますね。

これでもう少し電池の持ちが良ければ、旅のカメラとしては非の付け所ないかも。。
たまにはこんな写真も。
大分コツが掴めてきました。

どうやら露出優先モードにしても測光は結構アバウトなので、モニター上での明るさで判断した方が良く、さらに「少し暗いかな?」くらいにEVを落とすと吉みたい。
これ、何だと思います?
桜もかなり咲き始めてますねぇ。
ネット見てるとこのボケで文句タレてる人も結構いるんですが、私は全然OKです。
とにかく鏡筒回すだけで換算200mmなのを最大限活かして撮れば、かなり実戦的に使えるボケになりますね。
あ!さっきのクイズの答えでしたね。
何とこれ、「伸び切ったブロッコリー」なんですよ。種でも採るんでしょうか。

近付いてじっくり観察してやっと判明。
そんなブロッコリーをバックに(笑)。

この後しばらく走ってるとJAの直売所があって、野菜類が激安で売られてました。
さらに北上し、抜けるような青空の下、到着したのはコンクリートの廃墟。
畑の真ん中に悄然と建ってます。
ロケーションも含め、以前訪ねた深谷の「東京第二陸軍造兵廠深谷製造所」に似た感じですね。
隣にはかなり高い廃墟もあります。
これらは「陸軍技術研究所・伊良湖試験場」の跡。

昔の写真を見ると、ここまでナローのトロッコ軌道が引かれてたようです。
こっちの大きいのは気象塔兼展望塔・・・・・・通称「六階建」。
早速内部に潜入。

しかし階段の上のところでフタされちゃってて、カンタンに上がれません。
何をやってたのかっちゅうと、大砲や弾丸の開発実験だったみたいです。

しっかし、こんなショボい施設でマトモな兵器の開発できたんでしょうかねぇ?

旧・日本軍でも特に陸軍の精神論ばっかしのアタマの悪さって、スゴいですよね。心底バカばっかしだったと思うし、実は戦後もそうした精神論は支配的だったのでは?って思ってます。
海が近いこともあってか、もぉコンクリートはボロボロ。

出来たのが昭和5年で、大戦末期よりはまだマトモでしょうけどちょと怖い。
気を取り直して再度上がってみることにします。

とにかくコンクリートが今の感覚からするとひじょーに薄いんですよ。
戦跡系ってしかしどこも殺風景ですよね。

情緒に乏しい気がします。
三階から下を見下ろしたところ。

何かねぇ、グラングランしてる気がしてこれより上には登りませんでした。
ちなみに低い方は無線電信所の跡。
鉄の階段がちょとヤバ目なんですが、ソローッと上がってみます。

ただ、旧・軍関係施設の鉄って、ワリとどこも頑丈な気がしてます。むしろ最近の廃墟のグレーチングやパンチングとかの方が劣化が早いような・・・・・・。
何のこっちゃない、こちらも見事にドンガラ。

他にもいくつか畑の中に遺構は点在するようですが、そこまで深追いする気にはなれませんでした。

後半はさらに北に向かいます。
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