「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2019 山形~新潟(初日・前半)

唐突ですけど、最近のSA・PAって詰まんなくなったって思いません?

こうしたチェーンが入るようになって、そら便利だし明朗会計になったのは良いことなんでしょうが、どうも「旅のワクワク感」が薄れちゃったように思うんですよ。
・・・・・・ってなヒネクレたことを考えてるうちに、今回の旅の最初の目的地に到着。
ここは山形県は長井東方の山中、洞雲寺という廃寺です。
かつては街道筋の村として栄えたそうなんですが、今は全員離村して周辺にも何も残ってません。
ここに来た目的はコレ!

「また石かよ~!?」って思われるでしょうが。
寺は平成25(2013)年に無くなり、本堂その他の庫裏も山門以外はすべて解体されてしまったとのことです。
さて、その名の通り超巨大な大石。

看板に偽りなしなデカさです。
裏に回ると梯子があって登れるようになってます。
ちなみに周辺には他にも、「ジジ石」・「ババ石」・「博打石」等の巨石が点在するそうなんですが、今は藪に埋もれて良く分かりませんでした。
山門に上がるとちゃんと釣鐘がぶら下がってます。

ココだけが残ったのは市指定の文化財だからみたいです。
続いてやって来たのは旧・国鉄・長井線、今は「山形鉄道・フラワー長井線」ってちょっと恥ずかしい名前になった路線の羽前成田駅。
大正時代の開業当時のままの駅本屋が今もそのまま残っています。
ここまで原形を良く留めているのは極めて珍しく、今は国の有形文化財に指定されています。
後ろに見えるのは上野樹里の出世作・映画「スィング・ガールズ」のポスター。

こちらの方がロケ地だった縁ですな。

余談ですが、「スィング・ガールズ」ってスラングだと「ヤリマンのネーチャン達」に取られかねません。
広い盆地の中を線路は真っすぐに伸びています。
9月だっちゅうのにまだまだ暑い。

でも夏日の線路って何か好きかも。
ローマ字表記が大きく、またそれに合わせて日本語表記が左から書かれてるのは戦後すぐくらいのモノだからでしょう。
こぉゆうポートレート的なのももちろん撮ってまっせ・・・・・・脱がすばっかりやおまへん(笑)。
しかし、窓の桟の意匠等、国鉄駅としては繊細で凝った造りになってますね。
外観も雪国にしては線の細さを感じさせるものです。
ちなみに、この長井線、以前は木造駅舎だらけだったのですが、今はココと西大塚の2駅しか現存していません。
差し掛け屋根も同じくとても繊細な印象。

鉄道模型がお好きな方はモデル化の参考にでもしてください。
車寄の上の柱の列なんか、ちょっと山小屋っぽくもありますね。

恐らくは開業時に地元資本もかなり注入されてるんぢゃないかと思います。おらが村に鉄道が通る、ってんでみんな気合入ってたんでしょうね~。
そのまま長井の町中に戻り、「やっぱ山形だから蕎麦だろう」ってなイージーな思い付きから、進行方向で取り敢えず見付けた蕎麦屋に入ることにしました。
「かく長」というこのお店、泥縄で調べてみるとなかなか評判も良い様子。

こりゃ愉しみです。
二人とも板蕎麦にしました。私は当然のように大盛りですが。

漬物が添えられてるのが如何にもこちらっぽい・
あと、かき揚げも頼んでみました・・・・・・こっちはまぁフツーかな?
蕎麦も出汁もどちらも高いクオリティで大満足。
店内の雰囲気も気取らず、それでいてとてもシブく、好感の持てる佇まいです。
やっぱこうした個人店でアタリだったらとても嬉しいですね。

おなかも一杯になったトコで、これから米坂線に沿うようにして新潟方面に向かっていきます。
まずは手ノ子駅・・・・・・「手ノ目」だと妖怪。

「てのこ」って平仮名で書くと何か可愛い。
今は一面一線の寂しい無人駅ですが、かつては対向設備も側線も備えた駅らしい駅でした。
駅舎は冬の吹雪を避けるためか、ホーム上の差し掛け屋根部分までが全部壁で囲われた珍しい形をしています。
大きく作られた融雪溝が印象的。

これがあるってコトは、対向設備があったってコト。
ダイヤは僅か1日6本。

米沢方面の最終なんて19時過ぎです。
ゾッとするほどにガランドウとなった駅舎内部。
開業当初の建物ですが、結構モダンな印象。
琺瑯看板もこうしたリアルな古い建物に貼られてこそですね~・・・・・・まぁキリスト看板もこぉゆうロケーションに似合うっちゃ似合うんですが(笑)。
続いては羽前松岡駅。

民家の間の狭い道を入ったトコにある小屋みたいな粗末な建物が駅本屋。
古い写真を見てみると、ここもかつてはそれなりに駅らしい駅であったことが伺われます。
今はもう悲惨極まりない状態です。

ちなみにこの駅の一日の乗降客数は8人だそうです。
ほぼ鉄道としての使命は終えちゃってますよね。
駅ってしかし、構図がワンパターンになりがちなのが難点のど飴。
あ!自分の影が写り込んでしまった(笑)。

もっと望遠で抜くと良いのかも・・・・・・今度試してみよう。
何かあったらこれで話してね、と。

最寄りの有人駅の小国駅まではまでは4kmくらい離れてるんですけどね。
ご覧の通り、駅本屋と呼ぶにはあまりに小さな、待合室程度の室内。
思うに、昭和10年の開業当初から簡易駅に近い存在だったのではないかと・・・・・・。
続いては小国の町はずれにあるこちらへ。
大宮子易両神社です。
その一角にある「和合宮」・・・・・・名前から察しの付く通りチンマン系ですな。
中には「金丸太郎」と名前まで付けられた大層立派なチンコ石と・・・・・・
「種沢花子」なるマンコ石・・・・・・
さらには仲人なのか何なのか、「和合神」なる大きな洞のある木・・・・・・・ってこれもまぁマンコ系ですよね。
それらがこのように神々しく(笑)、配置されてます。
撫でられまくってるせいかスベスベ。

ウソかマコトか由来書によれば、ワリと最近の平成5年に川の中で見付かった天然の石であるとのコト。
しっかし陰陽石に固有名詞が付けられてるって、ココ以外にはないのでは?

・・・・・・で、こっちは相手を探し回って見付けたとのコト。
片隅にはチンコの山車も置かれてます。
チャンと手を抜かずに鈴口も刻まれてるのがチンコらしくて良いカンジ。
そんなんでここは安産子宝に霊験ありとかで、枕を頂いて帰って大願叶えば新しいのを作って奉納するって風習があるようです。

まぁ、枕って正常位の場合、腰の下に挟めば挿入しやすいですしね(笑)。
立派な本殿をバックに。
現在進行形の陰陽信仰の形としてここはひじょうにユニークなのではないかと思います。
・・・・・・とは申せ境内全てがチンマン系、ってワケではありません。

全体としては歴史ある神社らしい厳粛で森閑とした空気に包まれてました。
思うに、過疎化が進む一方の町を見かねた有志達が、当時流行ってた町おこし事業なんかを参考に仕掛けたネタ、なんてあたりが正解のような気がします。

後半はさらに新潟方面に向かっていきます。
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