「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2019 愛知(初日・前半)

これと言って特徴のない里山の入口。

ひどい渋滞に巻き込まれ、予定より随分遅れて到着。
ここは愛知県は豊田市の市街地を外れてちょっと入ったトコ。

大谷山という低い山です。
特に危なくも険しくもない山道を登って行きます。
ところどころに巨岩が転がってますが、まぁ特にこれといった謂れはなさそうな雰囲気ですね。
10分ほどでてっぺんに到着。彼方には名古屋駅前の高層ビル群も望まれます。

こりゃぁナカナカの巨石ではあ~りま温泉!
・・・・・・ってなワケで早速撮りまくりました(笑)。

1ヶ所目として幸先の良いスタート。
豊田市界隈は巨石文化の宝庫と言えます。マジでムチャクチャ多い。

真剣にしらみつぶしで回ろうとするなら10日くらい必要かと。
多分、元々古代の原始宗教の流れに加え、御嶽山が比較的近かったりして、修験が盛んだったのかな?って気がしますが、理由は良く分かりません。
ほんな~、こんな岩ばっかり10日も行ってられへんわ~!と・・・・・・
・・・・・・それもそうですよね(笑)。
エイッッ!って(笑)。
数km北上してやって来たのは、小さな集落の外れにある小呂神明神社。
ここもまたスゴいのを背後に背負ってます。

何てーかこの一帯、これくらいなら当たり前レベルなんですよね。
ほぼ垂直な石段。

明らかに石が御神体で、ムリクリに手前の狭いスペースに拝殿を作った感じ。
さっきの大谷山もそうですが、こんなスゴいのでも無名。

他の地方なら烏帽子だのなんだの絶対に名前付いてるでしょう。
「交通安全」「家内安全」は分かるとして、「増税」を祈念したらアカンのとちゃいます!?

・・・・・・って、税務署関係の人なんかな?(笑)
上手く言えないんですけど、何かホントここは巨石祭祀の場がそのまま残ってる感じがしました。
今はただの村の鎮守なんでしょうけど。
新東名の開通と東海環状自動車道の整備で、この辺は行きやすくなった気がします。

まぁ、その工事で消えた巨石スポットもあったりするんですが。
さらに数km北上して次のスポットへ。

何だか心霊写真みたいな写り方になってしまいました(笑)。
小学校の裏手をドンドン登って行きます。
村の神社としては随分立派な上鷹見八幡宮。
そしてその拝殿の横には鏡餅状に積み重なった巨石。
かなりこれも立派。

そして無名。
裏手に回り込んでみました。

こう云ったのをすぐ「人工的に積まれたモンだ!」なんて主張する人がいますけど、要は節理に沿って割れたのが風化して丸くなってるだけだと思いますね。
ボンボリみたいな立派な房の付いた注連縄からも、地元の信仰が今尚続いてる気がします。
さらに山の上には「近見岩」「遠見岩」、さらに「サギ岩」ってのがあることは間違いないんですが、どうにも上り口が分からず断念。

まぁ、そのうちこの辺はまた訪ねるでしょう。
足助方面に向かって県道を北上し、ちょっと外れた林道脇にある「おはせの宮」に到着。
下から見上げたところ。

いやもぉ惚れ惚れするくらいに立派な陽石。適度な反りもあって屹立してますな(笑)。
その隣には当然陰石。

チンマン系巨石はやはりこれくらい豪快な方が良いっすね。
・・・・・・ま、そりゃ~撮りますわな。

ただし、かなり足場が悪くて苦労しましたけど。
1本だけ僅かに色付き始めてました。

まだちょっと紅葉シーズンには早かったですね。
ちなみに「おはせ」とは「合わせ」の転じたものとも、チンポのコトとも言われ、いずれにせよセックスに関するコトバ。
もちょっと知られても良い巨石なんですが、あまりに直截過ぎて観光案内とかに大々的に載せるのが躊躇われたんでしょう(笑)。
でもセクシャリティとマトモに向かい合えない現代人って、ある意味とても不幸ですよね。
一旦、矢作川の近くまで行って、三川広瀬駅跡に到着。

2004年に廃止された名鉄・三河線の猿投~西中金間の駅で、美しい状態で保存されています。
元は島式ホームに貨物側線数本を備えた、沿線ではかなり大きな駅でした。

80年代初頭までは陶器や陶土の輸送で貨物列車も走ってたようです。
線路を剥がす費用を考えたらそのままの方が良いと判断したのか、レールがそのまま残っています。
元々は電化路線で電車が走ってたのに、80年代半ばからは経費節減のために非電化に切り替えられるという珍しい経過を辿りました。
ホント、都市近郊区間、あるいはよほどの都市間輸送でない限り地方私鉄は生き残りがむつかしいんでしょうねぇ・・・・・・。
・・・・・・ん!?秋だっちゅうのに桜が咲いてる!

不安になって調べてみたら天変地異の前触れでも何でもなく、「小原の四季桜」って、この辺のみに生育する特異な種類のようです。
古レールを曲げて支柱にした簡素な待合室。
駅名標も廃止後15年も経ったとは思えない状態です。
続いては西中金駅跡。

ちなみに三河広瀬と共に有形登録文化財に指定されてるようです。
中は今は改装されて喫茶店になっています。
売る気があるのかないのかビミョーな、地元老人会や婦人会の作った民芸品のコーナー。
アルミ缶で作ったこの風車、最近あちこちで見掛けますね。
名鉄・三河線は知立を境に山線区間・海線区間と分かれていますが、今は両方とも末端部分が廃止されてしまいました。

出来たのが丁度世界恐慌から太平洋戦争に向かう頃で、あまりに時代が悪すぎましたね。
お!「おはせの宮」がちゃんと載ってますね。
この西中金、本来は足助まで到達させるはずが夢は叶わず、周囲にこれと言って大きな集落もない道端でいきなり線路が途切れています。

むしろこんなんで良く2000年代まで持った、と言うべきかも知れません。
もし計画通り足助まで延伸されてたら、状況はもちょっと違ってたような気もします。
何はともあれおなかが空きましたが、今から昼食っちゅうにはいささか中途半端な時間。
・・・・・・なので軽く五平餅を食べることにしました。

渋滞のせいでホントはも少しあちこち回れる予定が狂ってしまいましたね。
ともあれ、まだもう少し夕暮れまでは時間があります。

あと一脱ぎ・・・・・・もとい一頑張りしてもらうことにしましょう(笑)。
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