「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2018 山梨(後半)

増冨方向に入ってって、次はみずがき湖畔のココ。
荒地の中に看板と水槽がポツンと一つ。

ちなみにすぐ左側は湖岸です。
これがヨシャーの湯。

正確には「跡」と呼ぶべきでしょう。かなり濃い塩分を有する若干炭酸を含んだ冷泉です。

夏でも入るにはしんどい冷たさでした。
さらに奥に向かって、珍しい黄色い鳥居のココは・・・・・・
・・・・・・東屋神社。

ここも以前からの課題となってたトコです。
・・・・・・っちゅうのもコレ!

拝殿が懸崖造りなんです。
それも「宇宙船タイプ」と称される、床下に昇って行くタイプ。

懸崖造りの中でもこれはたいへん珍しい形式らしい。
そして、拝殿からさらに上がるとかなりダイナミックな巨石。

明らかに磐座ですね。
・・・・・・ってーか、ココ殆ど崖だし。
だってこんな急勾配っすよ。

ハシゴ昇るくらいの傾斜です。
周辺にも草に埋もれた階段があり、探せばまだ巨石があるのではないかと思いましたが、落っこちたらシャレならんくらいに急だったので止めました。
奥は金峰山にも連なる山であり、ここもまたかつては神仏習合の修験系の寺だったのではないかって気がしました。
山躑躅が満開な駐車場にクルマを停めて・・・・・・
ここまで来てスルーするのも如何なモノかと、増冨ラジウム温泉「不老閣」に立ち寄ります。
多分ここに来るのは2回目。

こんなんだったけかなぁ~?
スッカリ忘れてしまってます。

ごく普通の男女別の内湯。
ちなみに混浴の岩風呂で有名なんですが、そこは宿泊客のみ。
お湯は炭酸鉄泉系な印象ですが、その名の通り、ラジウムを僅かに含むのが特徴。
ウワッ!怖いやんけ!
5つの源泉を持ち、それぞれが異なる浴室に引かれるっちゅうのがここのウリ。

ただし泉温はかなり低く、温泉というにはややしんどい。
本当はさらにちょっと奥にあった「金泉湯」の廃墟に行こうかとも思ったんですが、何となくパス。

素晴らしくレトロな(≒ボロい、笑)湯治場として有名だったんですけどね・・・・・・。
何はともあれサッパリしました。
そんなんで福を呼べるのかいささか不安になる顔色の悪さ。

他人の幸福より、まずは自分の体調優先しろと言いたくなります。
ちなみにここから、狭いながらも道はかなり奥まで繋がっており、瑞牆山直下までクルマで行くことができます。

昔、走ったんですが、これがもうグネグネグネグネと大変な道でした。
増冨ラジウム温泉、かつてはもっと沢山の旅館があったようですが、如何せんアクセスの悪さが災いしてか、今は数軒の宿が固まるだけです。
みずがき湖に戻って北上したところにある、増富小学校和田分校跡に到着。
分校の中では最小クラスの規模なので、ひょっとしたら冬季分校だったのかも知れません。
教室一つだけ。

運動場らしきものもありません。
窓ガラスも多くが失われてしまっています。

ちなみに隣に立つのは公民館。
この辺は雪が少ないのでまだマシな状態を保ってるように思います。
廃校専門サイトを調べても、この学校の閉校がいつだったのかがハッキリしません。
多分、昭和38年ではないかと思われますが、もしそうだとすれば50年以上も良く残ったモンだと思います。
まぁ、卓球台の残骸みたいなものがありましたので閉校後も何らかの施設として使われてたものと思われます。
続いてやって来たのは津金小学校跡。このテの校舎としては日本最古と言われます。

今は「カフェ明治学校」として綺麗に整備されています。
まぁ、カフェったって建物の1階の一部分だけですが。
明治期の和洋折衷の学校の常で、最上階はチャイム代わりの太鼓の楼閣になってます。
そぉいやぁ以前、磐田の旧・見付学校に行った時も西日が印象的でした。
恐る恐る叩くの図。

ホンマに気ぃちっちゃい(笑)。
これ、ケッコーいい雰囲気で撮れたかも。
こうした明治期の和洋折衷の校舎はそれなりに保存例が多いのですが、その後の「山の小さな分教場」タイプはあまり大切にされてないことが多い。
今でも使うことがあるのか保存状態は極めて良好。

ちなみに大太鼓はパール製でした。
この稚拙さが却って不気味。
給食グッズの数々。

アルマイトの薬缶の形が優雅で良いですね。
これ何だったっけ?

写真も切れてて分からんがな。
バルコニーで洋館っぽさを表現してみました、と。
そうそう、こういった古い小学校は寺社の境内に作られたケースがムチャクチャ多い。

やっぱ寺子屋の流れなんでしょうね。
まくれ落ちたら大ケガしそうな急な階段。
佐藤製薬のサトちゃんは学校にカンケーないのでは?(笑)。
やや時間は押し気味ですが、カフェに入ってみることにします。
シンプルなメニュー。

台は理科の実験か何かで昔見掛けたような・・・・・・。
椅子にはお手製っぽいサイケなマットが掛かってます。
これ、ピクセル等倍で見たら呆れるほど精細に写ってました。
メロンソーダとレモンケーキを頼みます。
細かいところにもいろいろ手を入れて美しく保たれてますね。
背後に見えるのは山梨らしく、古い葡萄酒のラベル。

ワインぢゃありません。葡萄酒です。
何かを廃物利用したテーブル。
おそらく、全てこの学校にあった調度を流用してるのでしょう。
メロンクリームソーダ到着。

いや、実は大好きなんですよ。
レモンケーキも到着。
フツーに美味しかったそうです。
これは古いマッチのラベルのコレクション。
荒俣宏の言う、「どんなゴミも百年経てば宝だ」っちゅう意見は、とても正しいと思います。
今の日本には、それが分からない人が多過ぎるんぢゃないでしょうか・・・・・・。
ちなみにこの津金学校、洋館づくりの校舎の隣に建て増された木造校舎が二棟あって、昭和60年まで使われてました。
・・・・・・とまぁ、そんなこんなで日帰りのワリに、大変充実した内容の旅となりました。

あとは一路、中央道で東京に戻りました。
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