「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2018 信州(二日目・後半)

そうして急な坂を上ってやって来たのは・・・・・・
諏訪湖の東の山中にある阿弥陀寺。
空がメッチャ狭い。

何でココに来たのか、っちゅうと・・・・・・
これですがな。

本堂裏手の懸崖造りの観音堂。
実は諏訪地方で懸崖造りはココくらいしかありません。

どうも地域によって流行る/流行らないの差が相当あったみたいです。
眼下には諏訪湖がチョロッと望まれます。
ただ、懸崖造りとしては本堂の裏に無理矢理拵えた感じなのはちょと残念かも。
そもそも論で寺自体がかなり山の僅かな平地にへばりついてるんで、仕方ないんでしょうけどね。
そんなこんなでココは見ただけです・・・・・・いや、どこだっていつも見るだけっちゃ見るだけなんですけど(笑)。
今度は諏訪湖の南の山を分け入って、箕輪に抜ける県道沿いにあるこちらに到着。
「日本一美しい廃校」とも称された湖南小学校後山分校跡です。

分校としてはかなり大きな規模で、チャンと講堂兼体育館も備わっています。
噂には聞いてましたが、こうして実見すると本当に見事な木造校舎です。
内部の保存状態も比較的良好。

これまでいくつかの映画のロケ地にもなったコトがあるみたいです。
集会所にでも使われてたのか畳の敷いてある教室もあります。
午後の光が差し込む階段。
こぉゆうのを見て「美しい」と思えるかどうかが、廃墟にハマれるかどうかの分かれ道のような気がします。
こちらの教室には機織機みたいなのが集められてました。
講堂を見下ろす。

繊細な窓枠がビッシリ並ぶ様子は圧巻。
恐らく撮影の時は木の枠に取り換えたんでしょうね。
DQNが荒らしたようにも見えない散らかり方の本の数々。
積雪地ゆえか柱と天井の角に入った斜めの補強が独特な印象の廊下。

全体的に内部も分校としては立派な作りで、天井もかなり高い。
男子便所跡。
渡り廊下を通って講堂にやって来ました。

今時こんなにグラッシーな作りは少ないですよね。
こちらは給食室跡。
竈がシブい。
廃墟で良く見掛けるモノにこの茶箱があります。湿気に強いので昔は大切に取っといて色んな物の保管に使ってました。

スッカリ見なくなったものの一つと言えましょう。
暗い教室の中から見る窓越しの風景って、何でこんなに美しいんだろう?
それにしても分校としては本当に立派。

かつてはこれだけの規模を支える沢山の児童がこの辺にはいたんでしょうね。
この建物の不思議なトコは、増改築を繰り返したワケでもなさそうなのに、あちこちに高低差があること。

これが独特のトリッキーな立体感を与えてるように思います。
外から校舎を見てみました。

1階が給食室、2階は恐らく先生の宿直室と思われます。
今は消防法の規制のオカゲで、作ろうったって作れない木造三階建て。
日本一美しい、はあながち誇張ではないかも。
別に土地が不足してるワケでもなさそうなのに、どうしてこんなマニエリスティックな構造にしたんでしょう?

張り出した物干し台がどことなく旅館っぽい。
右側が階段になってる部分。何となく教会を思わせますね。

渡り廊下がこのように完全に囲われてるのも珍しいケースと申せましょう。
しかしこれらの写真を見て、行ってみたいと思った方、残念ながらこれらの建物はもう存在しません。

このおよそ1ヶ月後、惜しくも解体されてしまいました。今は更地が広がってるだけのようです。
再び諏訪湖まで戻って遊覧船に乗ってみることにします。

ベタな観光ディスってるクセに結構好きなんですよ。
顔出しは見付けたらコマメに撮る方かも知れません。
ヤンボー・マーボーとかと較べると、日世のニックンとセイチャンは圧倒的にマイナーですね~。
もう一隻の船、「竜宮丸」。

バッドテイストもいっそここまで極めれば却って清々しい。
そうこうするうちに出航の時間となりました。
お~!天気も景色もよろしおまんがな~。
実はどうしても乗りたい、っちゅうたのはヨメの方。

朝から頑張ってくれたんでリクエストには応じないといけませんよね。
まるで中国人観光客のような写り方。

サングラスも掛けてるし(笑)。
そぉいや富士山もチョコッと見えました。
この諏訪湖、今まで深いって思い込んでましたけど、実は非常に浅くて一番深いトコでも水深は10mもありません。
戻って来ました。

後光の射すスワンの頭(笑)。
如何にも記念写真っぽく撮影。
諏訪湖遊覧船、想像してた以上に景色が良くて楽しめました。
ようやくお腹が空いて来たので、乗り場近くをウロウロして蕎麦屋に入ることにします。
お昼のラッシュも終わりガラガラの店内。
ホント、外食での蕎麦率高くなったなぁ~・・・・・・もぉ歳なのかもなぁ~・・・・・・。
でも、蕎麦屋って落ち着いて食えるから好き。
出て来ました。

極く標準的なアイテムで固められた天ざるです。
昔は蕎麦より圧倒的に饂飩派でした。
アッちゅう間に完食。

蕎麦湯が魔法瓶なのは、店構えからするといささか味気ないかも。
「八州」はもちろん「信濃の国」の歌詞から採られた名前でしょう。
お腹も一杯になったところで行動再開。

再び南下してやって来たのは上社近くの山中。ここに「小袋石」という巨石があります。
周囲には前宮の摂社が点在。

小さいながらも御柱がありますね。
斜面を登るとドベーンとありました。
この石には船繋ぎ石の伝説があるものの、現在の湖面より80mも高い所にあるんで、誰もがネタと思ってました。
ところが地質学的調査によって太古の昔、諏訪湖はもっと広くてこの辺まで湖岸が来てたことが判明したそうです。
続いてすぐ下に降りた辺りの上社・前宮に。
当然ながらここにも御柱が屹立。
ちなみに前宮周辺には縄文時代の遺跡が密集してます。
比較的簡素な作りの拝殿。

参拝客もここは少な目。
ともあれこれで3ヶ所クリア。
あ!こっちがチャンとした入口だったのね。
巨石関係って観点なら、この周辺を丹念に回るだけでだけで一日持ちそう。
「穀の木」、って何だか良く分かりませんでした。

調べてみるとコウゾの別名のようです。
何故に諏訪大社がここまで巨大な勢力を持ち得たのか?はホンマに良く分かりません。
う~む、今の時代クラウドファンディングとかの方が資金集まるんぢゃないでしょうか?
御朱印もこれで3つ目ゲットだぜ。
続いては2kmほど離れたところにある上社・本宮へ。
奉納された額がギッシリ。

ここは秋宮と並ぶ立派な規模です。
しかし、温泉街にある秋宮と比べると離れてる分、参拝客の姿はやはり疎ら。
その分、張り詰めた空気感は一番かも。
神社のナントカ殿って、御神体から遠ざけるように作られるもんなんだってコトが分かりました。
広角レンズはやっぱガッと近寄って撮った方が面白い絵になりますね。
ともあれこれで諏訪大社御朱印コンプリート。

ちなみに4つ集めるとスペシャルプレゼントが貰えます。
大分陽が傾いてまいりました。
この長い回廊は独特な感じですね。
ちなみに境内には「硯石」という巨石があるのですが、何故かパスしてしまいました。

ロケーションに使えなきゃねぇ~・・・・・・ってか!?(笑)
後方の舞楽殿には超巨大な和太鼓が見えます。

バスドラで言うなら120インチくらいかも(笑)。
4つ諏訪大社の中ではここが最も森閑とした雰囲気があったように思います。

ちなみに次の御柱祭は2022年の開催。
ま、いずれにせよちょっと駆け足でしたね~。

特に古代遺跡が数多く点在する上社には、もっと時間を掛けた方が良いかも。
あまり遅くなっても中央道が混むだけなので、あとは一路東京に戻りました。

信州方面って、どこ行ってもそれなりに密度の高いコースが組めちゃうのが良いですね~。
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