「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2018 信州(二日目・前半)

翌朝になりました。

旅館としてはかなり小さい洗面所。
渡り廊下から泊まった離れの建物を望む。
本館より玄関方向。

森の中、木々に埋もれたように建ってます。
恒例の単焦点散歩に坂道を下って行きます。
昔泊まった「沢乃湯」は廃業して空き家になってるみたいです。

ぶっちゃけ、30年前の時点でもかなり終わっちゃってる印象の宿でしたが。
泊まったのはたしか画面右下あたりの部屋だったなぁ~。
諏訪湖に向かってダラダラ下ってく坂道を行きます。

天気は良さそうですね。
スバリストなら絶対にリスペクトすべきレオーネが何と現役。ビルトインされた丸型フォグランプがシブい。

日本のツーリングワゴンの元祖は実はコレ、レガシィぢゃありまへん。
あと、ここに泊まれば毒沢鉱泉コンプリートだな~。
ちなみに6年に一度行われる日本有数のエクストリームな祭り・「御柱祭」で、丸太が斜面を滑り落ちるポイントがここからちょっと奥に行ったところにあります。
そろそろ朝食の時間なので戻ることにします。
「日本秘湯を守る会」って、旅館同士の互助会のハズなんですけど、近年は廃業するところもポツポツ現れてるみたいです。
個人的にはこの提灯、大嫌い。

群れてることをこれ見よがしに威張るな、って思っちゃうんです。もっと控え目に連帯しろ。それに互助組織っちゅうんなら、廃業するトコが出て来るなんておかしいやんか!と。
荷作りはもうバッチリ。

この旅館、掛け合ってはみたものの朝食開始がかなり遅いんですよ。
何か、ムームー着てるみたい(笑)。
朝食もまた好ましいオカズが並んでますね~。
塩鮭に昆布の佃煮。
昆布と豚の炒め煮。
玉子焼。
独活と揚げの煮物。

左下は沢庵と梅干。
切り干し大根。
味噌汁って味噌の味もさることながら、水で味がスゴく変わる気がします。
適度なボリュームでご機嫌。
何故おかめの面が諏訪大社に関係するのかは良く分かりませんでした。
それでも少し時間を早めてくれたオカゲでサッサと朝食を済ますことが出来ました。

ありがたやありがたや、感謝ですな。
毒沢鉱泉「神乃湯」、いささかコテコテしくちょと宗教入り気味なのは気になりましたが、全体としてはとても良い宿でした。
諏訪の町まで下ってまずは、午前中には売り切れると言われる店へ。
創業明治6年の老舗、塩羊羹の「新鶴」です。
シブい佇まいの店内の様子。

塩羊羹は無事ゲット。家に帰ってから食べましたが、上品な甘さで美味かったです。
塩羊羹以外にも色とりどりの饅頭が並んでました。
本日の諏訪大社巡りの一発目は「下社・秋宮」からスタート。

諏訪大社は上社が前宮と本宮、下社が春宮と秋宮、4ヶ所に分かれているのが最大の特徴です。
一般的な日本の神道とは違うルーツと系譜を持った神社とも言われ、色々謎が多い。
とても立派な拝殿。

ちなみに御神体の納められる本殿はありません。
別にインスタやってるワケではないんですが、結構スマホで撮るようになりました。
さっき触れた御柱は、これら4つ神社の境内に4本づつ、計16本建てられてます。
下諏訪温泉街からも近いこの秋宮が最も賑わってる印象。
こうしたシンメトリカルな構図って好きかも。
安産祈願に底のない柄杓を奉納するのがここの習わし。

ミシャグジとの関わりがあるようなないような・・・・・・。
観光客はひっきりなしにやって来るのに、独特の空気がありました。
続いては春宮。

スピリチュアル系女子が泣いて喜ぶような写真が撮れました。
「神様の光を頂きました」ってか!?(笑)

・・・・・・いや、単にすぐ近くで落ち葉を集めて盛んに燃やしてただけです。
秋宮と同じような建物ですね。
これが御柱。

坂を落とす時にしょっちゅう死人が出る大事故になってるアレ。
何年か前にヤボな弁護士が売名行為なのか何なのか、業務上過失致死で諏訪大社を告発した事件がありましたね。
みんな好きで命懸けで木に跨りに行ってるんだよ!ボケ!

ホント阿呆なとっちゃんボーヤみたいなんが法曹界には多いって思います。
こちらは街中から離れてる分、秋宮に比べるとちょっと参拝客が少ない印象。
未だ御柱が何を意味するのかは解明されてないそうです。
そのまま下って川を渡って行くと・・・・・・
あれぇ~・・・・・・こんなにチャンと観光地してたっけかな?
万治の石仏です。
巨石に線刻で衣紋を彫り、別に拵えたアタマをちょこんと乗っけた他に類例のない形式。
後から見るとこんなん。
あまりの異形ぶりに、新田次郎は想像逞しゅうしてかなりトンデモなストーリーの小説を書いたりしてます。

個人的には稚拙な技術でもってその辺にあるモンで一生懸命拵えたら、とんでもなくユニークなモノになっちゃったケースではないかと思いますが。
しかし昔、夜中に来た時はこんなに周辺は整備されてなかったような・・・・・・。
ちなみにこの用水路、昔の水道らしい。

池は澱んで瘴気が立ち上りそうだし、川は氾濫すると怖いけど、こうした石組みの水路のあるようなトコは好きかも。
湖岸を南に向かって上諏訪にある片倉館に到着。
絹で一代を成した片倉が厚生施設として建てた巨大公衆浴場で、国の重要文化財となった今も現役です。
ホント、ここといい富岡製糸場といい、片倉っちゅうのはスゴい会社だと思いますね。
バブルの頃にメセナとか安っぽいコトゆうてた企業は瞠目すべきだと思います。

最近はバスキアに大枚叩いた湾岸の服屋のオヤジがいましたっけ。
有名な千人風呂に入ろうと思ったんですが、あまりの混雑ぶりに諦めました。

それに今風呂に入ると汗だくになりそう。
素晴らしく繊細な意匠が施されています。
ちなみに前回の旅で紹介した山形・高畠の町にも、かつては片倉の巨大工場がありました。

ひょっとしたらあの高畠駅のデザインにも、片倉の意向があったのかも知れませんね。
天気晴朗なれど、水位が下がって湖はちょっとナサケない状態。
ここからは一旦諏訪湖岸を離れることにします。
----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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