「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2018 北関東(後半)

当初の予定では桐生名物のひもかわうどんにしようと思ってたんですが、「鰻の老舗もあるで」って囁いた途端、スッカリ気分は鰻モードなヨメ。

ちょっとは値段を考えろ、って(笑)。
「泉新」という天保元年創業、200年近く続く桐生市内では有数の老舗です。

桐生どころか、群馬で鰻と言えば必ず名前の挙がる名店。
ただ、残念なことに最近の鰻の高騰のため、普通の値段で出せなくなってしまい、メニューを絞って何とか営業続けてるとのこと。
登場!

昼はこの鰻重(上)、一種類のみ。
本来は肝吸いと香の物だけだったのを、値上げするだけでは申し訳ないってコトでミニサラダと杏仁豆腐がサービス。

心意気を感じますな。
いやいやいやいや~!

エエ感じの焼き具合っすなぁ~♪
・・・・・・上機嫌(笑)。

いや、マジで美味いっすよ、ココ。老舗の名に恥じないと思います。
早く鰻の完全養殖技術が確立されることを祈るばかりです。

ホント、こんなバカな流れを作ったスーパーは腹切って侘びろ!と言いたい。こんなんバカみたいにどいつもこいつもが食い散らかすものとちゃうで。
たいへん美味しゅうございました。

六代目、七代目とこれからも末永く看板が続いて欲しいです。
お値段一人4,000円とひもかわに較べて破格の大散財でしたが、大満足。
表通りからも良い香りを漂わせて鰻を焼いてるのが見えます。

炭は輻射熱もスゴいんで、夏場だと熱中症になりそうな職場ですね。
再び照り返しの強い、うだるような暑さの街中を行きます。
向こうからやって来るのはビックリするくらい小さなバス。
ちょっとした路地にも古い町らしい雰囲気があります。
ここ、桐生は古く栄えた町でありながら、意外に現役感みたいなのがあって、廃市ではないのが特長かもしれません。

町がまだちゃんと生きてる気がする。
当初行こうと思ってた店の前まで来ました。

ここもかなりの名店らしいです。
昼時を過ぎてるというのに、暖簾の奥には順番待ちが5人くらいいました。
珍しい形の火の見櫓。

一度でいいからあの半鐘を心行くまで鳴らしてみたい(笑)。

・・・・・・それにしてもアンダー過ぎましたね。
流石にこの辺では枯れちゃってました。
そうこうするうちに元の有鄰館まで戻って来ました。

いや~、暑かった。
あまりコテコテと手を加えず、可能な限り元の姿のままこれからも残って欲しいモンです。
あ~、このタイプの鉄骨屋根って好きだな~。繊細なワイヤーのトラスが美しい。

昭和30年代初頭くらいな感じでしょうか。古いモータープールとかで昔は良く見掛けました。
思えば、足利や佐野、関東平野北縁の町ってどこも情緒ありますよね。
さて、続いてやって来たのは大間々近く、最近ネット上でのお付き合いをさせていただいてるHさんに教えられたみどり市の要害山公園。

殆ど廃墟な展望台にクルマを停め・・・・・・
夏草の茂る山を登って行くと・・・・・・
雑草に覆われた荒れた神社に到着。
あ~、暑いのにこんなに登らせてもぉ・・・・・・
蚊、スゴいやん・・・・・・。
周囲は絶対に子供なんて来そうにもない児童公園になってました。
いや、まぁ(笑)。
そんなこんなで結構ここではいろいろ撮影しましたが、如何せん藪蚊が多過ぎ。
もうちょっと違う季節の方が良かったかな?
ちなみに大間々の町も古い佇まいをあちこちに残してるみたいで、今後の候補地の一つです。
さて、再び桐生に戻り山奥まで走って辿り着いた山中。

倒れかけた鳥居を潜って上がって行くと・・・・・・
階段の上に明らかにナナメってる門のような建物が見えて来ます。
何とこれが忍山温泉の源泉。今にも倒れそう。

階段の両側がそれぞれ源泉井戸になっており、上に滑車等の仕掛けが乗っかった、他に類例のない珍しい形をしています。
井戸を覗き込んでみました。

冷鉱泉ですが、別に枯れたワケではないんで今も湧き出しています。
滑車が見えますね。
恐る恐る下を潜って階段の上から見下ろしたところ。

マジで潜る時に崩れて来たらどうしようって思いました。それくらいにヤバい状態。
この忍山温泉、江戸時代は随分栄えたようですが、その後段々と寂れて行き、最後に残った「山光館」も昭和50年ごろには廃業して、温泉地としての歴史は途絶えたと言われています。

それでも昭和40年代初頭くらいまでは送迎バスとかもあって、それなりに賑わってた、という話も出て来ます。
明治の終わりごろの記録では35~50℃と、そこそこの温度があったらしいみたいですが、その後は泉温もどんどん下がって行ったようです。

でも、地質学的に桐生あたりで高温泉が湧くことなんてありえるんでしょうか?
それにしても変わった源泉槽ですねぇ。

かつての旅館はこの画面左奥に広がる平場にあった模様。
ポンプの残骸。
まさか人力ではないでしょうから、何らかの動力で汲み上げてたと思われます。

なお、現役時代の画像が極端に少ないこの鉱泉、「街かど歴史資料室」というサイトに貴重な当時の絵葉書が紹介されてます。
完全倒壊する日は間近でしょう。この無残な姿を高山彦九郎が見たら泣くやろなぁ~・・・・・・。

ちなみに奥は温泉神社になっていました。
その後は中途半端に時間が余ったんで、足利の手前の山前公園というのに上がってみることにします。
ところがしっかしここがもぉ、広いだけで展望台以外何もない・・・・・・まぁ撮影はしましたけど(笑)。

最後はいささか滑り気味で夏日のショートトリップは終了。あとは一路、東京に戻りました。
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