「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2018 茨城(初日・前半)

そろそろ初夏も近付こうかというある日、北茨城方面に出掛けることにしました。

実はケッコー茨城、好きなんですよ。
そんなんでまずやって来たのは、日立市のココ。
泉神社・・・・・・というよりは、「泉が森」の通称で通っています。
あ!これだ!
細かい砂を巻き上げながら清冽な水が滾々と湧いています。
意外に住宅地のど真ん中にあってビックリしました。
実はひじょうに古い歴史のある湧水で、なんと常陸国風土記にも「密筑(みつき)の大井」として出て来るそうです。
先の東日本大震災の時にも枯れることなく、断水した近所の家が行列作って水を汲みに来たとか・・・・・・それだけ綺麗な水ってコトですね。
湧水池の真ん中には、おそらく弁天社と思われる祠。
ちなみに茨城名水百選にも選ばれてる・・・・・・って、県内に100ヶ所もあるんかいな!?(笑)
しかし、海に比較的近く、山からも離れたここにどうしてこんなに大量の湧水があるのか不思議です。
この一角だけが周囲から隔絶したかのように、森閑とした雰囲気に包まれていました。
なんかとても気に入った一枚。
実は湧水もかなり好きなモノの一つ。

バカみたいにポリタンいくつも持ってくようなことはしませんけど。
馬力神?・・・・・・調べてみると、栃木県や宮城県のみで見られるらしい。
続いては、今回の旅の大きな目的の一つ。

真ん中に写ってるのは鉱山索道のバケットです。
・・・・・・んでもってこれが終端部分。

かなり大掛かりですね。
ここは日立セメント大平田鉱山。

何とこの索道、現役で稼働する日本最後の鉱山索道だったりします。
構造的にはデタッチャブルの高速リフトと同じで、メインのケーブルから切り離されたバケットはホッパーの周囲をゆっくり回転し、シューターから石が一定量落ちて来る仕掛け。
上に見えるのが左奥にある鉱山から石灰石を運ぶコンベアです。
日立セメントは間もなく採掘を終了し、セメント加工に特化した会社になる予定なので、索道が見られるのもあと数年でしょう。
鉱山事務所全景。

鉱山の方にも行ってみたかったんですが警戒厳重で断念。
そのすぐ近くにある「諏訪の水穴」。
平たく言うと一種の鍾乳洞で、中からは大量の水が出ています。
意外に小さいですが、中は50mくらい続いて、奥で水没してるらしい。

この近くには別に「大久保の風穴」というのもあったりします。
山を下って索道の反対側の終端部。

なお、日立鉱山の支山だった諏訪鉱山跡にも行ってみましたが、見事に何もありませんでした。
索道なんてのも、二昔前くらいまでは探すとそれなりに残ってたんですけどねぇ・・・・・・。

同じようなのでは山から材木を降ろす運材ケーブルもスッカリ見掛けなくなりました。
こちらはバケットを引っくり返して鉱石を落とすため、内部は仕掛けがかなり複雑になってます。
唯一残念なのは、今日が休日で動いてないコト。
まぁ、スキー場のリフトと大体一緒っちゃ一緒なんですけど。
索道は敷設が比較的簡単に行え、山がちな国土事情にも合致したので、かつては日本中に無数に敷設されていました。
しかし、鉱石がこぼれたりすると危険なのと、輸送力に限界があること、急速に進んだ道路整備、また鉱業そのものの衰退もあって、気付けば現存するのはココだけになった次第です。
内部も探検したかったんですが、奥の詰所に電気が点いてて人がいそうだったので諦めました。

休日は休日で保守点検やってる可能性が高い。
北上して、狭い林道をガタガタ上がってやって来たのは小木津不動滝。
あんまし人が来てないのか、けっこう雑草が伸びまくり。
見えました。

落差は大きくないけれどとても形の良い滝です。
調べてみると、昔の大河ドラマのロケ地になったことがあるみたいです。
何と浜松に次いでこれで大河ドラマロケ地の滝、2ヶ所目(笑)。

ひそみに倣って(笑)、私もロケを敢行しようとしましたが、三脚担いだジジィが現れたので断念。
さらに北上して、花貫渓谷にあるこちらに到着。
大正7年に作られた水路橋で、地上からの高さは20m以上あります。

碓氷峠なんかもそうですけど、アーチって独特の危うい均衡と緊張感があって美しい。
ちなみに正式名称は「花貫川第一発電所第3号水路橋」。

なので1号も2号もありますが、景観的に素晴らしいのはこれだけみたい。
以前からここは来ようと思いつつも、ナカナカ立ち寄る機会に恵まれませんでした。
ちょこっと鎖を越えて上に上がってみます。
水路そのものはそれほど大きくはありません。

せいぜい幅2mくらい。
例えば京都・蹴上の水路橋なんかと較べると、こちらはかなりモダンで明快なな造形美があります。
・・・・・・いや、まぁ(笑)。

珍しく下から着込む姿はプロレスラーみたい。
う~むしかし、ちょっと太陽が上がりすぎちゃったなぁ~・・・・・・。

結局、撮影に適した時間って、朝と夕方の2時間づつくらいしかありません。
脇の水溜りでは大量のオタマジャクシが泳いでいました。

夏は近いですね。
あんましお腹が空かないので、丸亀製麺のパチモンみたいな店で軽くうどん食って・・・・・・
・・・・・・さらに北の浄蓮寺に到着。
山の中に石仏の観音を沢山並べるのって、関東以北に多い気がします。
ひじょうに珍しい形の藁葺き屋根の本堂。
・・・・・・で、浄蓮寺渓谷に行ってみたかったんですが、遊歩道が決壊とかで通行止め。

あちゃぁ~!
仕方なく三十三観音を見て回ります。
しっかし、これがこれまでマトモなのに当たったためしが無い。

ショボくないケースがあったら教えて頂きたいもんですわ、ホンマ。
巨石と呼ぶにはちょと中途半端。
大体、彫り物入りの巨石ってあまり好きになれません。
そんなこんなでハイ終了~。
それにしても実に奇妙な屋根です。
古いのかと思ったら意外に建造年代は新しく、江戸時代がほぼ終わりかけの頃みたいです。
浄蓮寺渓谷はロケーションとして結構期待してたんで、スベッたのはちょと残念。
気を取り直してさらに北上を続けることにします。

それにしても今回の旅、普段にもましてマイナーで地味っすねぇ~・・・・・・(笑)。
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