2017 静岡(初日・前半) |
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春も終わりに近付いたある日、静岡方面を訪ねることにしました。
ここは太平洋側唯一の油田として有名だった相良油田。 |
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何か茶店みたいなトコから細い坂道を上がります。 |
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今年は寒い日が多かった影響か、ちょうど桜が満開の時期を迎えています。 |
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周囲は一面に茶畑が広がっています。
旅行けば駿河の国に茶の香り、ですもんね。 |
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相良油田は産油量こそ少なかったものの、世界でも稀な軽質油で殆ど精製する必要が無かったとも言われています。 |
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道を上がったところには油井。 |
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周囲に油の臭いが立ち込めてるのは新潟や北海道の油田跡でも経験したことです。 |
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奥には掘っ立て小屋。 |
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かつての手掘り井戸を復元したものです。 |
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石油は褶曲した砂礫層から水と共に湧き出していました。 |
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埃まみれな世界の原油サンプル。 |
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ちなみにここでは石油分解/合成菌が発見されており、今後の活用が大いに期待されています。
上手く行けば、原油を工業的に生産できるようになる、と。 |
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下って今は「石油の里公園」として整備された方に向かって行くことにします。 |
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どうも、こうした箱モノ建てるしか自治体は能が無いみたいですね。 |
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見なくても中身の想像が付くんですけど・・・・・・。 |
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ほらぁ~!やっぱし!(笑)。 |
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石油が何故か砂丘地帯近くの褶曲層に湧くもんだ、ってな話をしてると管理人のオッチャンに「何か石油関係のお仕事ですか?」って訊かれてしまいました。
・・・・・・全然ちゃいます、ってば。 |
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こんな展示物より、個人的には昔のままの施設をもっと残して欲しいモンです。 |
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・・・・・・などとあまり偏屈なことばっかし言ってないで、フツーにスナップも撮ろうよね、と。 |
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天気が良いとF5.6でもこれくらい柔らかくボケてくれますね~。 |
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竪穴式住居にしか見えませんが、これも手掘り井戸の小屋を復元したもの。
てっぺんの窓は井戸の底まで光を届かすために作られた採光窓だそうです。 |
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だいぶ他のお客さんも増えて来ました。
早目にいろいろ撮影しといて正解でした(笑)。 |
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続いてやって来たのは深谷油田跡。
相良の北東数kmのトコにあり、実はココこそが相良油田のルーツと言われます。 |
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谷底に降りると何だかひどくぬかるんだヌタヌタの場所があって、微かに石油の匂いがしています。
これがまさに油田跡。 |
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真ん中のパイプからは僅かづつですが、泡立った水がポコポコと噴き出していました。
恐らくは天然ガスでしょう。もちろん火気厳禁。 |
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深谷油田は明治の初め頃に開削されましたが、あまりに産油量が少なくて、すぐに閉坑になったそうです。 |
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次の場所に向かおうとしてたら、ナビに名所マークがあるので寄ってみることにしました。
「天神山男神石灰岩」・・・・・・なんだろ? |
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道を上がっても如何にも田舎の御社な神社があるだけです。 |
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かなり境内を探したのですがそれらしきものは見当たらずそのままパス。
後から調べて、後方の山そのものが「ソレ」だったと知りました。残念! |
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続いてやって来たのが遠州七不思議の一つとしてたいへん有名な「大興寺」。 |
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入口にその謂れが書かれてます。
カンタンに言うと、ここの住職が亡くなる前になると何故か近くの川から繭のような大きな石が転がり落ちる。その石を墓標として据え、今で29代目を数える・・・・・・ってなお話です。 |
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これだけ聞くと縁起でもないように思われますが、代々この寺の住職はみんなたいへん長寿だとも言われます。 |
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それでは裏山にあるそれらを見に行きましょう。 |
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あ!あった! |
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たしかにどれもコクーンタイプ!
割ったら中からちっちゃい住職が転生して出て来たりして(笑)。 |
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より詳しい謂れが書いてあります。 |
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何とも地味ですけど不思議な場所でした。 |
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ちなみに遠州七不思議は驚くべきことに12個あって(笑)、それが一番不思議なんですが、何だかんだでこれで3ヶ所目制覇だったりします。 |
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かつては名所として多くの参詣客を集めたであろうお寺も、今はヒッソリと静まり返っていました。 |
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お!珍しく群青系の色がバッチリ撮れました。
ホント、この色は難しいんですわ。 |
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しかし、墓標になる石がどうして安産の子生まれ石となるのかはいくら考えても謎です。
発想が飛躍しすぎですわな。 |
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まぁ、営業活動の一環としてそんなエピソードをムリクリ拵えたのかも知れません。 |
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子生まれ石そのものは全国に似たような伝承があります。
泉鏡花の傑作「草迷宮」では冒頭に、三浦半島の子生まれ石のエピソードが出て来ますよね。 |
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ともあれその石が生まれる場所も見てやろうやないかい! |
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裏山っちゅうには離れてましたね。 |
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ん!?ここか? |
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ここはどうやら安産祈願の御社のようです。
置かれてあった寄せ書きノートには全国の不妊に悩む人からの切実な思いが書き綴られてました。 |
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・・・・・・って裏手に回りましたが、特段石は生まれて来てません。 |
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さらに川に沿って小径を奥に行くと・・・・・・ |
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おぉ~!ありましたがな!
一つどころか三つくらい崖から飛び出しています。これが転がり落ちる時、今のあのお寺の住職は天命を全うされるワケですね。 |
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それにしても誰一人他に観光客が居ません。 |
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いや、駐車場も結構広いんですよ。 |
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どうもマジメに観光スポットチョイスしても、ついついマイナーなトコを選んでしまうようですね・・・・・・。 |
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次のスポットに向かう途中、折角本場なんだし、ってコトでお茶屋さんに寄ってみます。
お茶屋、ったって芸者遊びをするワケぢゃないですが。 |
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シブい茶釜だなぁ~。
こんなので茶の湯が湧かせたら楽しそう。 |
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オバチャンが売ってるのを種類ごとに淹れてってくれます。茶釜はただの飾りで実際に使用するのは魔法瓶、っちゅうのはいささか寂しいかも。
ともあれやっぱし味と値段は比例してますね~。 |
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オススメのを煎茶を2種類と焙じ茶を購入。
実はお茶は大好きなんです。 |
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ちなみに有名な文部省唱歌「茶摘み」は静岡のことを歌ってないそうで、茜襷にしたってこちらの習慣ではなかったようです。
これ豆ね。 |
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もひとつちなみに、この牧之原台地近辺で栽培されるのは「やぶきた茶」って品種が殆どだそうです。 |
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そうこうするうちに次のスポットである金谷駅近くの巌室稲荷神社に到着。 |
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山と線路・道路に挟まれた狭い急斜面にあります。 |
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何か料亭にでも入るみたい(笑)。 |
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ありました! |
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ワリと巨石・磐座系の少ない静岡では貴重なスポットの一つと言えましょう。
ま、ココはこれだけなんですが。 |
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後はごくフツーの神社です。 |
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それと意外にボツボツと人が来るんですよね~・・・・・・撮影敢行しなくて正解。 |
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続いてやって来たのは大井川鉄道の新金谷から分岐する貨物線の突端。 |
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通称「SLの墓場」です。
元は河原への貨物・砂利取り線だったのが、今は廃車の留置線として使われています。 |
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かつては何両も部品取り用の汽車の廃車体があったようですが、今は1両しか残ってません。 |
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こんなサビサビで部品取りできるのかな~?っちゅうくらいに朽ち果ててます。 |
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取れるものはあらかた毟っちゃったみたいですね。
廃墟好きとしてはたいへん良いロケーションなんですが、近くの小屋の日陰でオッチャンが座って弁当食ってるのがどうにも・・・・・・。 |
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キャブさえも消滅。
こりゃヒドい。 |
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砲金のナンバープレートも喪われてますが、何故か検査年月を書いたペンキは真新しい。
何だかんだでこんな状態になっても大事な資産、ってコトなんでしょうね。 |
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後方は往年の京阪電車のテレビカーです。名前は立派ですが、実際マトモにTVが映ってるのを見た試しがないっちゅう怪作(笑)。
もう30年以上前、京阪特急と言えばコレでした。
後半はさらにあちこちを回って行きます。 |
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