「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2016 磐城〜会津(二日目)

恒例の朝の単焦点散歩。

肉太の明朝体がレトロ。
やっぱ「向瀧旅館」良いなぁ〜!

絶対にいつか泊まろうと思います。
こうして見るとかなり沢山旅館は残ってるんですよね〜。

中心地の旅館が減って、ちょっと離れたところが残ってる印象。
これだけ見ると何が何だか分からないんですが・・・・・・
手前はタクシーのターミナルなんです。

古くからの大きな温泉地には昔は必ずありましたが、案外現存するのは少ない。
むしろ昔風に「乗合自動車」とでも呼んだ方が相応しいようなレトロな建物です。
可愛らしいデザインですね〜。
朝日がだんだん昇って来ました。
宿に着いてここに案内されたらちょっと複雑な気持ちになりそう(笑)。
絶賛廃業中の土産物屋。
さっきの車庫といい、東山ハイマートホテルには侮れないセンスを感じます。
地元の観光協会は一生懸命に盛り上げようとしてるんでしょうが、それが功を奏してるか?っちゅうとちょっとビミョーな気がします。
再び昨日の高橋館の前にやって来ました。

建築基準法違反による出頭命令をずーっと無視し続けてることが分かります。
・・・・・・だってこれですもんね。

こんな崩れかけたのが表通りに面してるワケですから、相当ヤバい。通りも狭いし、倒れたら向かいの家まで累が及びそう。

ちなみに谷川に面した裏側も目視で分かるくらいに歪みが来ていました。
しかし、最も驚くべきはこのいつ崩壊してもおかしくない建物に、年老いた宿の主は一人、立て籠もってるっちゅうか、未だに暮らしてるらしい、ってコトです。
おそらくはこの建物と命運を共にするつもりなんでしょう。

女中さんから話を聞いて何とも切ない気分になりました。
私たちの泊まった有馬屋と共に、中心街に僅かに残る小規模旅館。

個人的にはこうした小さい宿、好きなんだけどなぁ〜・・・・・・。
そろそろ朝食の時間です。
ワリとシンプルな朝食。

上からハムサラダ、たらこ、海苔、昆布佃煮、小松菜お浸し、笹蒲鉾に漬物、玉子、味噌汁。
ヨユーで完食してそろそろ出発です。
そのまま一気に南下してやって来たのは湯野上温泉のはずれ。
廃墟ではまぁまぁ有名な「湯野上観光ホテル」跡、です。
鬱蒼と茂った木々のために1階はほぼ真っ暗。
取り敢えずは屋上に出てみました。

夏の日差しが眩しい。
ここ、すぐ目の前を国道が通ってたりするんですよね〜。
それと、尋常でない程に破壊されちゃってるのが何とも興醒めです。
壊したDQNは解体工かなんかなんでしょうか?(笑)
そりゃもちろん豪雪地帯ゆえの建物の劣化もあるんでしょうけど。
割れたガラスと苔の織り成すグラデーション。
現役時代はどんな感じだったんでしょうね?

温泉街からかなり離れた場所にありますし、全体的に作りもチマチマしてるんでさほど大した存在ではなかったように思います。
浴室の跡。
1階はあちこちの部屋に古タイヤが詰め込まれてます。
今回は暗いモノはなるだけそのまま暗く撮ろうとしたんで、真っ黒で何が何だか分からないですね。
建物の一角は激しく焼けた跡があります。

壊すだけでなく火付けまでやるとは・・・・・・。
厨房の跡はそれでもまだ比較的マトモな姿で残っていました。
廃墟に来ると必ず配電盤を撮ってる気がします。
あ!もちろんここでも大量に撮影しましたが、緑かぶりが激しくて目下現像に四苦八苦。

教訓、極端に暗い場所はやっぱムリ!(笑)。
このロケーション、ノイバウテンにライブやらせたら楽しいかも知れません。
ちなみに、ここもまた心霊スポットなどと言われてますが、全く何もありませんでした。
探索終了、よっこいしょ!っと。
こんなフツーの格好でどこでも入って行きます。
ユックリと緑に呑み込まれようとする建物全景。
続いて湯野上温泉駅にやって来ました。

山あいの駅にしては珍しく、上下線のホームがぐいちに配されてることが分かります。
藁葺屋根の駅舎として全国的に有名ですが、もちろんこれは観光のために建て替えられたもの。
こうして観光客は結構いるんですが、実際列車でやって来る人は殆どいません。
それでも鬼怒川と野岩鉄道で直結されたことで昔よりは随分賑やかになったみたいです。

一方かつての観光路線、、只見線はスッカリ近年寂れてしまいました。
・・・・・・さて、私は勘違いしてました。

ネコ駅長の居るのが湯野上だと思ってたのです。しかしどこにもいない。そのことをヨメに言うとぜひ見たいとか言い出して・・・・・・
仕方なく引き返すようにして芦ノ牧温泉駅までやって来ました。

駅前には旧称の「上三依」の駅名票が残ります。
思うにこのアングルで撮った駅写真が異様に多いですね、私・・・・・・ワンパターンを見直さねば。
もう少し時間が経ってれば牛乳屋食堂に寄ったんですが、如何せん朝飯食ってまだ2時間くらいではなんぼなんでもムリです。
右がこの春に亡くなった初代、左が2代目。

駅長の制服は売店で売られてるのですが何と6千円もします。
駅本屋は往年の姿をそのままに残した好ましいものです。

タール塗りの羽目板張りって、スッカリ見かけなくなりましたよね。
芦ノ牧温泉まで戻り土産物を購入。

建物脇に終わった感炸裂の日帰り温泉施設が併設されてます。
う〜ん、今どきドライブとかでこれに立ち寄る人がいるとは考えにくいかも・・・・・・。
さらに南下して道の駅で追加の土産購入。
暑いのでソフトクリームを食べました。
そのまま一気に山越えして甲子温泉「大黒屋旅館」に。

建て替わってかつての風情は失せたような気がします。
何はともあれ有名な混浴の内湯へ。

風呂はかなり谷を下ったところにあります。
当然ながら人ウジャウジャ。

言っちゃなんですが、甲子道路が全通したことで単なる路傍の温泉になっちゃったような気もしますね。
女性専用浴室もあります。
何となくこれも建て替えられたような・・・・・・。
いつ来てもお湯の入ってたことのない温泉プール。
ヨメの話によると、女湯の方が落ち着いてるとのことです。
そろそろ戻りましょう。
昔が良かったってばかり言うのも如何なモノか?って分かってはいるんですけど・・・・・・やっぱ正直いささかガッカリしました。
スッカリ陽射しは夏を思わせます。
なお、以前から気になってた天栄村の明治湯も行こうとしたのですが、残念ながら廃業しちゃってました。
・・・・・・で、本当はこの跡、もう一つ巨大廃墟物件を攻略するはずでしたが、行ってみると山開きまつりとかナントカで人とクルマがギッシリ(笑)。2時間くらいいきなり浮いてしまいました。

シオシオのパーで那須に下るものの今度は渋滞に巻き込まれ、折角栃木に下ったんだしと餃子を入手しようとしたものの休みとかなんとかで、結局芦野温泉近くにある「桃園」まで行こうと電話したら、昼の営業終了間近と言われ・・・・・・

そんなこんなで急いでたもんでこの間の写真がございませぬ。
ようやっとお持ち帰りの餃子ゲットして高速に戻ろうとすると、道端に「岩観音」の看板。
折角なんで寄ってみることにします。
意外といい感じっぽい。
崖の途中の小さな平地に観音堂。
・・・・・・で、本尊はこれだそうです。
観る人にはこれが有難い観音様に見えるようですが、不信心な私にはどうしても単なる巨岩にしか見えません。
しっかし何かで見掛けた記憶があるな、ココ・・・・・・何だろ?
貼られてある写真で想い出しました!

そうそう!春に桜の名所をネットで物色してる時に見掛けたスポットです。

不思議なことに懸崖系の観音堂には桜の古木(それもしだれ桜が多い)が付き物です。
ともあれ、二日目が予想外のスカスカになって尻すぼみになってしまった今回の旅行、あとは一路、東北道を東京に向けて戻りました。

ちなみに「桃園」(http://touen.sakura.ne.jp/)の餃子はかなり美味かったです。興味のある方は寄られてみてはいかがでしょう?
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