「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2016 群馬〜栃木(二日目・前半)

翌朝、布団も上等の羽毛布団だったせいで何だかモコモコになって引っくり返ってますね〜。
朝食までまだ時間があるんで朝市っちゅうのを覗いてみることにします。

いつも思うのですが、旅館の朝食って早くても7:30とかで、いささか遅すぎる気がします。

個人的には5:30には食べて、6:00には出発したい。
かなり大きな旅館です。

昔は団体旅行とかで流行ったんでしょうねぇ。
急な坂を下ると・・・・・・
・・・・・・幟が立ってます。
って、旅館のすぐ下やんか。
コの字型の建物に囲まれた会場は意外に沢山の人出。
売られてるのは野菜とか自家製の佃煮とかが多かったです。

値段的にはまぁまぁ安い感じ。
囲むように立つ建物はコイツの収納庫。
あ〜!これ、昔来た時も見たなぁ〜!

長さは実に108m、よくもまぁここまで長いものを。
こちらは若干ミニサイズ・・・・・・っちゅうても30mくらいありますけど。
ヨメは支度があるんで部屋に戻り、私は恒例の単焦点散歩に。

今回は新兵器35mm/F1.8です。
泊まったホテルのすぐ近所にある朝日ホテル
正しくは「跡」と呼ぶべきなのでしょう。

割れた窓からは何羽もハトが出入りしています。
2010年に破産した模様。
昔の繁栄を偲ばせる廃墟物件テンコ盛り。
温泉街の外れの吊橋の袂までやって来ました。

何ともフォントが時代を感じさせるスナックも大絶賛廃業中。
フォントのレトロさ、って大事ですよね。

これが「HGP創英角ポップ体」とかだったらシラけますもん。
行けども行けども廃業物件が続く印象。

どないなっとんや!?と言いたい。
恐らく破産物件を安く買い取ったんでしょうな。

「ぎょうざの満州」は東京西部から埼玉を中心にチェーン展開してる餃子中心の中華料理屋さんです。
いくら最近廃墟に目覚めたとはいえ、ここまで続くと気が滅入って来ます。
しっかし、「フォントの老神」って気がしてきました。
あ!昨夜通りかかったストリップ劇場だ。
今後、開演することはあるんでしょうか?
その対面にあるスナック跡。

飾り窓の意匠がシブいっすね。左は吹割の滝、右は大蛇祭りです。
紫陽花が咲き乱れています。
この店もフォントがシブい。

・・・・・・もちろん廃業しちゃってましたが。
旅館に戻ると朝食の支度が出来ていました。
玉子焼と甘酢生姜。

生玉子よりこっちが好き。
漬物、ポテサラ、ネーブル。
鮭と佃煮を四角く固めたもの。

藁葺き屋根を模った器が可愛らしい。
謎の薬味。

小葱と大葉、その他を細かく刻んだモノだと思います。
ザル豆腐はナカナカ美味でした。
切干大根の煮物。
サラダ。

奥に見えるのはドレッシング。
妙に大量の味噌汁。
見た目よりは軽く平らげることが出来ました。
朝日が燦々と射す露天風呂。

早く出発したいんで入りませんでした。
これって、昔はよく見掛けましたけど、未だにその意味をよく知りません。

ともあれ、これから赤城山の北側を巻いて越えて行きます。
そうして到着したのは細いレールが山積みになった・・・・・・
「林業機械化センター」です。

ここにはこのテの鉄道ファンにはたまらない車両が多数保存されています。
これはホイットコムのガソリン機関車。押入に入るようにして乗り込みます。

恐らく国内に現存するのはこの一両だけではないでしょうか。
玉ネギ煙突が特徴的なボールドウィン。
キャブが妙に大きいのが特徴。
・・・・・・っちゅうかボイラーが大きく迫り出してて、人の乗るスペースが殆どありません。
協三工業製ディーゼル機関車。

津別から木曽に移り、昭和50年の廃止まで使われたモノだそうです。
たまに動かしているのか線路も敷かれてたりします。
他にもドカシーで覆われた木曽の客車とか運材台車といった珍しいものが結構無造作に展示されてありました。
・・・・・・って、そもそもこの施設、林野庁管轄の技術研修センター、平たく言うと与作養成所で、いろんな林業技術を学ぶ場所です。
そのまま下って足尾方面に向かいます。

まずはあるB級スポットサイトで存在を知って気になってたココへ。
「板金系お不動さん」とでも呼ぶべき奇習の藤瀧不動尊です。
あまり参る人もいないのか雑草の生えた石段を登って行きます。
陽射しが夏らしくなって来ました。
出た!これがここの名物、人型に切り抜かれたブリキ板・・・・・・いや、ステンレス版。

人だけではなく中には手とか脚、笠なんかもあったりします。
どうやら身体の悪い部位が治ることを祈願して奉納する仕組みのようです。
一番突き当りには当然ながら滝とお不動さん。
しっかしなんで人型のステンレス版なのかは謎のまま。

ブリキで作った宝剣を奉納するケースはたまに見掛けるんですけど・・・・・・。
そっからすぐ近く、次の訪問スポット。

二宮金次郎ってこのアングルから見るのが好きかも。
旧・花輪小学校です。
登録有形文化財だけあって保存状態はオリジナルをシッカリ残してあるのが好印象。
磨き上げられた廊下が美しい。

窓ガラスも多くが手延べガラスでした。
足踏みオルガンもいつの間にか見掛けなくなりましたね。
原理的には巨大ハーモニカみたいなモノでした。

ペダル踏んで空気を入れ、鍵盤の下に出てる金属棒で作った輪っかは膝で押して音に強弱を付けるものだった記憶があります。
昔はチャイムではなく鐘鳴らしてたんですが、関西生まれの私は豆腐屋を想い出してしまいます。
ちなみにこの建物が出来たのは昭和6年。

日本鋼管の創業者・今泉嘉一郎による1万円の寄付を元手に建てられたとか。

当時の1万円は諸説ありますが、収入換算だと4千万くらいです。
そして廃校になったのは平成13年。

意外に近年まで現役で使用されてたんですね。
2階は旧・国鉄足尾線時代の鉄道遺物が多数掲示されています。
これも分かる人が減りました。

タブレット渡し器です。地方によって色んなスタイルがありましたが、これはタブレットを受け取るとアームがバラけて下に落ちるタイプ。
サイキックTVの回し者でしょうか?(笑)
お〜、ボケ具合といい発色といい、良い雰囲気で撮れました。
細かい部分まで意匠に拘りが感じられます。
車寄せも片田舎の小学校としてはケタ違いに立派です。
こぉゆう写真撮る時はやっぱ素直に補助光使った方が良いのかな?
ここはたまたま通りかかったんで入ってみただけでしたが、とても良かったです。
続いては神戸駅。

今では大変貴重な存在となった、タール塗り羽目板張りの駅本屋が現存します。
読み方は「こうべ」ではなく「ごうど」。

ちなみに「神戸」は「かのと」・「かんべ」と読むケースもあって意外に難読。
上下線に加えて退避線、貨物側線を持つ平均的なローカル線の駅です。
屋根はコンクリート瓦ですね。

昭和10年代くらいの建造でしょうか。
ちょっと模型化してみたい気持ちになりました。

白く塗られた木の窓枠も今ではすっかり見なくなったものです。
昔との違いは自動販売機、ホームの舗装、列車接近警報器くらいでしょうか。
山峡の駅にしてはひじょうに広い駅前広場を挟んで、駅前旅館の跡。

昔はかなりのローカル線でも駅前には必ずありました。

右の方がヤバいくらいに傾いてます。
足尾銅山まではまだかなりあります。
そうこうする内に列車がやって来ました。

今は「わたらせ渓谷鉄道」となって、足尾銅山閉山後も廃止を免れました。
この沿線全体が産業遺構みたいになってることもあって、3セク系では頑張ってる方だと思います。

午後はいよいよ足尾銅山です。
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