「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2015 三信(二日目・前半)

翌朝。

朝食は囲炉裏の部屋ではなく、喫茶室みたいなトコに向かいます。
ひじょうにシンプルな朝食。

左上から時計回りに、玉子、鯖塩焼、冷奴、海苔、漬物、佃煮、ハムと野菜。
でも、あんまし朝から手の込んだのはニガテなんで、これくらいが丁度良いですね。
思えば最近旅に出た時が一番熟睡してるかも。
お決まりの出発前散策をしようとしましたが、あまりに冷え込んでて早々に退散。

夏場は避暑やキャンプ客で賑わうんでしょうが、今はひっそりと静まり返っています。
紅葉だけがどんどん色付きを深めてってます。
もう後2〜3週間もすれば落葉して冬の装いになる感じですね。
設楽山荘、落ち着いた印象の良い宿でした。
まずやって来たのは宿のすぐ近くに残る名倉小学校清水分校跡。
古いままの木造校舎がそのまま残っています。
どうやら閉校後、陶芸家に払い下げられてたようですね。
それさえも食い詰めて出てった印象。
ちなみにこの時はあまりに寒くて・・・・・・以下略(笑)。
続いて名倉中学校跡。
ここは講堂だけが悄然と残っています。

今でも地域の公民館代わりに使われてる模様。
大きく育った銀杏が長い歴史を物語ります。
そのまま南下して奥三河郷土館へ。

まだ開館前の時間ですが、見たかったのはこれ。
かつて本長篠から田口まで走っていた豊橋鉄道田口線のモハ14って電車が保存されているのです。
物々しいジャンパ線の数々。
狭いピッチの小さな窓や丸っこくて深い屋根の野暮ったさが如何にも地方私鉄っぽい。
木材運搬主体のまるで森林鉄道のようなこの小私鉄、沿線の森林資源枯渇と国内林業自体の衰えと共に昭和43年に廃止になりました。
さらに南下して、鳳来寺山に向かうことにします。
あ〜、これケッコー有名なヤツだ。
標高を稼いでいくとかなり紅葉して来てることが分かります。
意外に険しいトコなんでちょとビックリ。
紅葉ってこうした曇り日の方が何となく落ち着いてていい感じのように思います。
大きな宿坊が建ち並びますが、その多くが廃業しちゃってます。
山の名前の由来となった古刹を中心にかつては随分栄えたようですが、今は何とも寂れた感じ。
え!?東照宮!?
・・・・・・ショボい!

これはないわぁ〜!日光みたいなん想像してたのに。
いささかスベりましたか、こりゃ。
造花の紅葉だけが色鮮やか。
まだ朝早いこともあってほとんど人の姿はありません。
それともみんな新城ラリー見物に行ってるんでしょうか?(笑)。
さらに上がると奥ノ院とかあるみたいですが、後の行程を考えてパスすることにしました。
こんなに真っ赤になるんっすかぁ!?
何とも言えない稚拙で奇妙な御面相の狛犬
これも廃業したと思われる宿坊。

良く見ると軒先から屋根が崩壊しつつありますね。
観光地としてはかなり終わってるのかも知れません。
駐車場までのダラダラ坂を再び下って行きます。
奥三河は地域全体が寂れ気味のようにも思います。
何ぢゃこりゃ!?と思って見てみたら、麩でした。
「鳳来寺麩」といってこの辺の名産のようです。

レシピを訊いてみたら「酢の物が良いよ」とのコトでしたが、麩の酢の物ってイメージ湧かないんですけど。
新潟の起き上がり雛みたいな形の寅童子は徳川家康に因んだもののようです。
さらに下って湯谷温泉に到着。

後方に見えるのは何と駅舎です。
この温泉は「ゆかわ」が有名だったんですが、あまりのワニの多さに最近混浴廃止。

ワニは即時射殺とかの条例を作れば良いのに。
湯谷温泉も何となく全体的に寂れた印象。
ちなみに駅舎はかつて旅館も兼業していました。

たしか分割民営化の時に温泉センターとして再出発を図ったんぢゃなかったっけ?
こういった「フツーの行楽」がナカナカやり辛い時代になってますね。
湯屋から再び飯田線に沿って北上します。

乳岩峡なる奇岩で有名なトコがあるみたいなので立ち寄ってみることにします。
涸れた沢の所々で伏流水が深い渕を作っています。

これがもう恐ろしく透明度が高い。
ロケーションとしてはナカナカだったんですが、意外に人が沢山。
こんな感じですから遠くからでも良く見えるんですわ(笑)。
昔はここもそれなりの観光地として流行った感じですね。
乳岩が見えました。

・・・・・・が、まだかなり遠いし靴のコトを考えてここまでで断念。
朴の木の葉が落ちてました。お面にするのはまぁお約束と言えましょう。

朴葉味噌で有名ですよね。
う〜む・・・・・・良いロケーションだらけではありま温泉。

来るならこりゃ平日だな(笑)。
しかし変わった谷で、水の流れは殆どありません。
ちなみに乳岩とは巨大な岩窟に鍾乳石が幾つも垂れ下がってるらしく、ちょっと惜しいコトしました。
でも周りがみんな登山のカッコしてる中、コートにブーツは浮くし、やっぱし危ないですよね。
そんなこんなで佐久間に向けてさらに北上(正しくは北東なんでしょうが)して行きます。
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