「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2015 新潟(初日・前半)

いきなりのここは新潟の柏崎の外れの寂しい山中。
ここが何かっちゅうと、石油の自噴する場所だったりします。

その歴史はひじょうに古く、ウソかマコトか天智天皇の時代にまで遡るとか。
臭水が転じて草水、草生津あるいは草生水となったと言われ、ともあれこの地名の付くトコは石油の湧出地であることが多く、新潟から秋田にかけて点在してます。
足許の水たまりがそれ。

写真からは分かりませんが、周囲はとにかく石油臭い。
左下あたりに油膜が張ってるのがお分かりでしょうか?

小さな波紋は下から吹き出す天然ガスによるもの。
当然周囲は火気厳禁。

以前石狩の浜で見た湧出地よりは公園として整備されてます。
でも、ホントに寂しい場所です。
天気もイマイチなのでそろそろ引き上げることにしましょう。
全体はこんな感じ。

石油は大量の水に混じってホンの僅か含まれてるだけです。
どうも鉱山の中では石油系は地味な印象が強い気がしますね。
見事なキクラゲが生えてました。
そのまま出雲崎の海岸近くまでやって来ました。

ここは石油記念公園、ってトコ。
明らかにミニチュアな櫓。

ま、オブジェのつもりでしょう。
石油を精製するための蒸留窯。
ホンマにこんなカッコで人が働いてたのかはちょと疑問。
これは「クリスマスツリー」と呼ばれるバルブを複雑に組み合わせたもので、自噴井に付くものらしいです。
何だか、だだっ広いトコにテキトーに並べた感が溢れてますな。
他にもホイルローダーとかロッドポンプとかもあったんですけど、取って付けたような感じがサムくて省略。

ホント、こぉゆう設備は出来るだけ稼働当時の姿を忠実に残すべきだと思います。

・・・・・あ、心霊写真ぢゃありませんよ(笑)。
道路の向かい側にある、「天領の里」なる博物館みたいなのに入ってみることにしました。

内部は時代館、石油記念館、売店、レストラン等に分かれてます。
うわ!いきなりの大脱力!

コンピュータ仕掛けの蝋人形がウケる、と本気で思ってるなら凄いセンス。
これは佐渡から金を運んでた船のレプリカだそう。
何だ?こりゃ!?
またもや大脱力・・・・・・最早棒読みで「わー、たのしーなー」とでも言うしかありません。
こんなんに一人500円の木戸銭払った私たちはとてもお人好しだと断言します(笑)。

石油記念ナンタラも今更感横溢で写真は割愛。
いい時間になったんでそのまま長岡の外れまでやって来ました。

あらら〜、スゴい行列が出来てます。駐車場は他府県ナンバーだらけ。
新潟のラーメン屋では名店の呼び声も高い「いち井」です。
ちょとスカした店造りが特徴。

ラーメン屋としての営業は昼の数時間だけで、夜は定食屋になるみたいですね。最近流行の昼夜2枚看板の店です。
ナカナカ強気な値付けです。
これはお持ち帰り用のメニュー。

至ってシンプルな構成であることが分かります。
店内の撮影は禁止ではありませんでしたが、どうにも撮りにくい雰囲気なので断念。

これは、ヨメの頼んだ醤油に味玉トッピング。
私の頼んだ塩に焼き海苔トッピング。

世評通りどちらも味は絶品と言えるものでした。
しかし所謂「ラーメン屋」を期待して行くと、その上品さは店内の雰囲気含めちょっと違和感あるかも知れません。

あと焼き海苔トッピングは、海苔がどんどんスープを吸って行きます(笑)。
さて、こぉゆう時必ず大盛り+チャーシューにする私が普通盛りに留めたのにはワケが・・・・・・。
それは二軒目をハシゴするため。
いや、新潟の誇るB級ジャンクフード、もとい県民のソウルフードである「イタリアン」を食べようと。
コレ!

焼きそばの上にミートソースが掛かってます。ちなみにかかるソースにはけっこうな種類があります。
大きさはそれほどでもありません。あくまでファストフード、スナックってな立ち位置です。ちなみに大盛りは大体70円増し。

味の方は・・・・・・って、こぉゆうのに対して美味い不味いは言っちゃダメですよね。
ちなみに新潟にとって「イタリア」とは西欧の象徴のような言葉でもあるようで、そのルーツはホテル「イタリア軒」にあるようです。
そこからひたすら北上して着いたのは何の変哲もない眠ったような町。
川の土手にへばり付くように水防小屋みたいな建物。
新潟交通の月潟駅跡です。
廃線になって15年ほど経ちますが、設備は地元有志の手によって美しく保存されています。
訪問した時も、多くの方が翌日のイベントに備えて、盛んにあちこちを手入れしていました。
保存車輛の中には自由に入れます。

内部にはいろんなものが雑多に展示されていました。
運転席は決して大柄ではないヨメでも激狭!
これはとても珍しい貨物電車。

鉄道模型の世界では人気があって、過去に何度かモデル化されてたような・・・・・・。
今は一面のコスモスに埋もれ、最早動くことはありません。
いつの間にか午前中の天気の悪さがウソのように晴れました。
この鉄道の驚くべきところは、路線の大半が川の堤防上を通ってたところでしょう。まぁ、川原を走ってた北丹鉄道なんてさらにスゴい例もあるんですが。

川が氾濫したらどうするツモリだったのか?
こちらはフツーの電車。

昔はこのタイプ、結構あちこちで見た気がするんですが、今ではスッカリ見かけなくなりました。
中もフツーに電車。
運転できたらもっと楽しいと思います。
ちなみにこの新潟交通、両端から少しづつ廃線になって行き、21世紀を目前に控えた1999年(平成11年)、ついに力尽きました。
新潟だけでなく、日本のローカル私鉄全てが今や消滅寸前と言えます。

このような「適度に好い感じな不便」が成り立ちにくい時代になったということでしょう。

・・・・・・って、自家用車で高速ブッ飛ばしての一泊旅行で、ベタベタの懐古趣味に浸るなんて実に身勝手な感慨であるコトは分かってんですが(笑)。
大分陽も傾いてきましたが、さらに北上して行きます。
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