「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2015 常磐(初日前半)

春も終わり近いある日、久しぶりにいわき方面に出掛けました。

まずは市街から西の方に随分行ったトコにある山へ。
巨石系の少ないこちらでは貴重な存在と言える「宇宙岩」です。

いわきのエアーズロックとも言われますけど、そこまでの大きさではありません(笑)。
牧草地の中に忽然と現れます。
こ〜んな感じで周囲は何にもありません。
岩のてっぺんに登ってみました。巨大な一枚岩になっています。

宇宙岩の名称の由来は良く分かりません。
岩の真ん中を貫く白い筋がどぉたらこぉたらって人もいますが、私は単なる岩へのマグマの嵌入の跡だと思います。
反対の岩にも筋が・・・・・・。

天気は快晴ですが、そこそこ標高があるせいでけっこう寒かったです。
細い林道を下ってこれまた数少ない巨石系スポットである「差塩良々堂三十三観音」へ・・・・・・サラッと書いちゃいましたが、難読ですね。

正解は「さしおややどう」だそうです。
ちょっと登るといきなりドォ〜ン!
横にはお堂がポツンと建ってます。
こぉゆうのはワリとマメに拝む方。

まぁお騒がせ撮影も多いワケで、素直にゴメンナサイ!と(笑)。
木漏れ日に照らし出された内部には、やはりここが東北の一部であることを思い起こさせる幟が多数。
・・・・・・で、肝心の三十三観音はこの裏手の山の中に点在するようなんですが、訪ねる人が少ないせいか道がかなり荒れていてパス。
まぁ、今日は他に訪ねるスポットも多いんで引き上げることにします。
どうも最近は横着になって、殆どF4/24−120mm1本で片付けちゃうことが増えました。

これくらい写れば自分的にはあまり文句が無い。
巨岩は他にも点在してましたが、どうも決め手に欠ける印象。
ともあれ、地元民でもあまり行かないマイナースポットでした(笑)。
続いては看板が気になって立ち寄った差塩湿原。

単なる休耕田にしか見えません。
それでも木道が整備されてんだから湿原なんだろ?と行ってみることにします。
大体、道路脇に広がる湿原って情緒に欠けますわな。
たしかに一部ジメジメしてるトコもありましたが、ぶっちゃけただの原っぱです。
・・・・・・とは申せ、安易に開発されるよりは千倍マシですけど。
何とも地味ですが、世の中にはマイナー湿原愛好家もいるかも知れないんで紹介してみました。
続いてやって来たのは湯ノ岳。

いわき市街地の背後に聳える山です。「昭和の近未来」的デザインの展望台が素晴らしい。
春霞であまりスッキリとは見えません。

画面右、稜線の遥か彼方には福島第一原発があります。
ホントはマイナーなスポットで誰も来ないようなトコなんですが、この時はガキの集団が傍若無人に騒いでました。
見事な抽象美を見せる螺旋階段。
ロケーションとしてすごく撮影欲を刺激されます。
これだけ螺旋階段らしい螺旋階段も最近では少ないかも。
続いては、旧・磐崎砿石炭積込場。車道はかつてのヤード。

今は資材倉庫兼車庫として使われてるようです。
二線のかなり巨大なホッパーになっています。
どうも、常磐はあまり炭鉱遺構を積極的に残そうって気持が無いのか、多くが取り壊され、現存するものはとても少なくなっています。
裏手にある遺構をさらにみてみることにします。
これは漏斗型の貯炭槽。

随分巨大なモノで、ここに一旦蓄えてから下のホッパーに落としてたようです。
ヘタに降りると戻れなくなりそうなので止めました。
産業遺構としてもちょっとチャンと残しても良いと思うのですが・・・・・・。
少し離れて立つ選炭場。

常磐方面でマトモに内部に入れる唯一の遺構かも知れません。
選炭には大量の水を使用するためパイプが引かれています。
コンクリート廃墟特有のひじょうにアブストラクトで端正な美しさがあります。
造りからすると、ワリとモダンな感じですね。
ちなみにこの上は巨大な貯炭場になってます。
こぉゆうトコには必ずこぉゆうのが捨てられてますな。

産業遺構や民俗学的遺産、あるいは貴重な自然に対して一番無知蒙昧なのは実は地元民です。
何か現代芸術の作品みたい(笑)。
かつてはどんな構造だったのか想像も付きません。
多分、上から掘り出したばかりの原炭が落ちて来て、それを比重で選り分けるか何かして、ズリは裏山にコンベアで上げ、使えるものは先ほどの巨大漏斗に送ってたと思うのですが・・・・・・。
今はもうナサケ容赦ない雑草の浸食の中にあります。
これが全景。

威容と呼んで差支えない大きさであることがお分かりかと思います。
続いてやって来たのは内郷。

ここには最大規模の遺構が残りますが、とにかく管理志向でマトモに見ることができません。結構な額のガイド料払わないとは入れないっちゅうのも如何なモノかと・・・・・・。
何だかハラ立ったんで昼食にすることにしました。かつての目抜き通りにある「とりや」に寄ってみます。

ちなみに内郷では野間食堂、ってーのも有名ですが、ここは正直お勧めしません。何か思い上がって勘違いしたジジィが鬱陶しい。
昼下がりの静かな店内。
懐かしいステレオが置かれてあります。

上の蓋を開けるとレコードプレーヤーになってるタイプですね。
炭鉱最盛期の姿を伝える色褪せた写真が飾られてありました。
ラーメンはサッパリした醤油味。
ヨメはタンメンにしました。

こちらもアッサリした塩味でひじょうに美味い。
ついつい頼んぢゃうんですよね〜。
・・・・・・ミョーに澄ましてます(笑)。
ちなみに変わった屋号の由来は元々かしわ屋さんだったためだそうです。
かつては商店が櫛比し、行き交う人はすれ違うのも大変だったと言われる通りも今では空地が目立ち、閑散としています。

午後も炭鉱遺構の残滓を中心に訪ねることにします。
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