「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2015 群馬〜埼玉(初日前半)

春のある日、村全体が限界集落と言われる群馬県の南牧村に出掛けました。
山の遥か上まで続く石積みの段々畑の風景が有名ですが、今は手入れされることもなく森に還ってるところが殆どになってしまってます。

かつては上州と信州を結ぶ重要な街道の村でした。
最初に最奥の田口小学校狭岩分校を訪ねましたが、既に解体されて更地になってしまってました。

そんなんで引き返して次の候補地、線ヶ滝へ。
実はまだけっこう寒かったりします。
お!細いけど結構な落差がありますね。
その全景。

ちなみにさらに奥には威怒牟畿不動ってのがありますが道が険しそうなのでパス。
滝壺に下る階段は見事な螺旋階段。
一発目のスポットとしてはちょっと地味すぎたかも・・・・・・。

それにしても水辺って冷え込みますねぇ〜。
続いて尾沢中学校跡。

夏場は期間限定のカフェになるそうですが、今は人っ子一人いません。
これだけの校舎に通う子供がかつては居たってことです。
南牧村は老人人口比率が日本一、逆に子供の比率は日本最下位で、村全体でも幼児は70人くらいしかいません。
ちょっと入ってみます。
ちなみに遠くに見える白い建物は小学校跡で、今は民俗資料館になっています。
途中の街道筋も廃屋だらけで、なんぼ最近廃なモノにハマってるとはいえ、ちょっと気分が滅入ってきます。
それにしても木造の剥げたペンキの壁って、もうそれだけで絵になりますね。
理由は分かりませんが、こういった差掛け屋根や渡り廊下の柱組みって好きなんですよね〜。
さらに下るように進んで、蝉の渓谷に到着。
俳聖・松尾芭蕉の「閑けさや岩にしみ入る蝉の声」に因むとかなんとか・・・・・・えっっ、あれって山寺で詠んだんぢゃなかったっけ?
恐ろしく狭い渓谷で、1mくらいしか幅のない所もあったりします。
そぉいや吉井の東谷渓谷もムチャクチャに狭かったっけ。
まぁ、あそこよりはまだちょっとはスケールはデカいですが・・・・・・。
水に余り透明感が無いのがいささか残念。
オマケに国道沿いなんであんましムリはできません・・・・・・って何やねん!?(笑)。
さらに東進するようにして、村役場近くから南にちょっと入ったところにある磐戸小学校檜沢分校跡へ。
ホント、ここで紹介した以外にも数えきれないほどの学校跡が南牧村にはあります。
如何にも村の分校な雰囲気を残す校舎。
素朴な二宮金次郎。

地蔵っぽい(笑)。
錆びまみれのブランコと・・・・・・
これまた錆びまみれのジャングルジム。

調べてみると廃校になったのは昭和57年のようです。
今でも集落の公民館かなにかに使われてるのか、比較的保存状態は良好です。
しかし、村としては耐震がどぉこぉとかであまり保存する気はなさそうです。

まぁ、解体工事で雇用がホンの僅か潤うってのもあるんでしょうが。
集落の中心部にあるのですが、表通りの商店も廃業しちゃってました。
大分いい時間になって来たんでお昼にします。

最近はどこにでもある道の駅に寄ってみることにしました。
おきりこみにしてみました。

まぁ、ほうとうみたいなモンですね。
違いは具材の南瓜の有無だけのようです。

粉食文化は関西だけのように思われがちですが、北関東一円には特色のある饂飩の系統の麺類が多い。
さらに東進して、本日の目玉と目してた磐戸鉱山跡に到着。
1971年に閉山となった小規模な石灰鉱山ですが、極めて保存状態は良好。
シューターも原形を留めており、雑草にも埋もれていません。
ホッパーにしても上部の木造の囲いまで残ってる例は最近では少ないと思います。
さらに道を上がるといろいろな遺構が点在してます。

ただ、採掘現場の跡地を利用して何かの施設が作られてたんで、普段はそれなりに人の動きのあるトコなのかも知れません。
全景。

これでトロッコの線路とかあったらもっと面白かったかも。
さらに鉱山ネタでひと山越えた向こうの白石鉱山へ。
こちらは現役操業中なんですが、その敷地の端っこに目指す物件。
これ!
石灰乾燥小屋と呼ばれるもので、このような木造で現存するのは日本に数ヶ所しかありません。
ひじょうに巨大な吹き抜けのがらんどうに、数えきれないほどの棚が作られています。
いや〜、ホントここは潜入してみたかったんですけど・・・・・・
今も現役で使われてるようで、断念しました。
撮影のロケーションとしては第一級だと思われただけに残念。
そこから少し奥に入ったトコにある青倉小学校土谷沢分校跡。
今は陶芸家のアトリエになってます。
でも、もぉちょっと美化に努めろよな〜・・・・・・。
ちなみにこの辺は他にもいろんな廃墟物件がありました。

夕方が迫って来たんでそろそろ今夜の宿の方に向かってくことにします。
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