「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2015 福島(初日・前半)

梅雨も末期の7月、どんよりとした空模様の下、やって来たのは見事なまでの廃墟。

最近はホンマ、廃墟のウェイト上がりすぎですね〜。
ここは福島山中。

県内ではとても有名な物件です。
最恐心霊スポットなどとも囁かれています。

まぁヤンキーやDQNの無いに等しい貧弱なイマジネーションが生み出した詰まらんガセなんですけどね(笑)。
お決まりのスプレー落書き。

う〜む、もちょっと何か他に書くことなかったのか!?と言いたい。
建物はかなり巨大なものの調度品はロクすっぽ残っていません。
それに乱暴狼藉の限りを尽くされてかなり荒れてます。
元は温泉旅館だったようで、和室がズラッと並んでいます。
ただ、そんな高級ではなく、もっぱらスキー客相手の大衆旅館だったような雰囲気です。
ホント壊しまくるのは止めようね、と言いたい。
最上階には大広間か何かだったようなだだっ広い空間が広がってます。

一部は放火でしょうか、丸焦げになっちゃってました。
破壊ばかりではなく、毎年の深雪による老朽化も建物全体を蝕んでるようです。
ひじょうにおっかない螺旋階段。
ケリ一発でぶち抜けちゃう壁っちゅうのも如何なモノかと・・・・・・安普請がもぉバレバレ。
部屋の入室状況を管理する機械かな?
・・・・・・とまぁ、かなり人が入り込んぢゃってるんですが、全体的な雰囲気は悪くないと思いました。
あ、それと、絶対心霊は関係ないっすね。
厨房の片隅に残る机、射し込む光が美しい。
ともあれ廃墟物件としてはかなり優良ではないかと思いました。
後ろの「暴」って何やねん!?

後の漢字が書けなかったのか???
何だかんだでここではかなり大量に撮影しましたが、標高が高いこともあって意外に寒くて大変でした。
続いてやって来たのは横向温泉「中の湯旅館」。

この辺では最後まで残った鄙び系自炊宿です。
入る前から良い雰囲気。
いかにも自炊宿らしく、飾り気の全く感じられない玄関口。
早速階下の浴室に向かいます。
これまたひじょうに好ましい雰囲気の浴室。

ちなみに内湯は男女別に分かれています。
窓から外に出ると川っぺりの露天風呂。

こっちは混浴。
あまり手入れはされてないようで、入ると落ち葉がモワァ〜ッと舞い上がります。
ちょっとポーズ。
露天風呂全景。

左の方にもう二つあり、温度や泉質が微妙に異なっていました。
女湯の方をバックに。
う〜む・・・・・・こんな細い柱に隠れられるってどんなけ平べったいんだ!?(笑)
女湯の全景。

実は大きな窓を開けると男湯と女湯は筒抜けです。昔は混浴だったものと思われます。
シブい温泉分析表。
何度読んでも良く分かりませんでした。

要は男湯と思ってた方は混浴ってコトなのかな?
そろそろ上がることにします。
半地下になったような不思議な作りです。

まずは湯屋がそこにあって、後から他の部分が出来てったんでしょう。
素泊まり3,540円也!次来たときは泊まってみようかな?

あ!自分が写り込んでしまった・・・・・・。
お休み処代わりになってる物干し部屋。

柱に設けられた窪みは竿を引っ掛けるためです。
あ〜、こっちからも浴室に行けたんだ。
「霊泉」って言葉、ホントに効きそうな気がして好きだな〜。
あ!また写り込んでしまった!
そうそう、結局最後まで宿の人はいませんでした。

入湯料300円をこの桶に入れろ、と。大らかっちゅうか不用心っちゅうか・・・・・・。
むちゃくちゃに巨大なストーヴ。

こんなに大きいのは初めて見ました。
いや〜、中の湯旅館、久々の文句なしに素晴らしい「リアリズムの宿」でした。
いつまでもこのシブい佇まいを堅持して欲しいと思います。
おなかが減ったので沼尻から喜多方に下る途中、蕎麦屋に入ることにします。
旧・沼尻鉄道の沿線沿いは今は蕎麦屋だらけです。
生憎の天気で店はガラガラ。
最初に出て来たのは蕎麦の実スープ。

軽くこれでやられました。スゴく美味い。
あ〜、それで中ノ沢とか混んでたんだ。
山菜天蕎麦到着!
山菜って大好きなんですよ。
ツナギのない10割ゆえか、それとも蕎麦打つ技術のゆえか、かなりブチブチになってます(笑)。
右は蒟蒻の刺身、左はデザートの寒天か葛寄せみたいなもの。
どれもかなりの美味さです。
最後にサービスで出て来たこれがとにかく美味かったんですが、何なのかを忘れてしまいました・・・・・・。
続いてやって来たのは謎の空地・・・・・・
・・・・・・な〜んて勿体付けても仕方ないっすね。

見ての通りです。平成9年に解消されるまでここはスイッチバックの駅でした。
かつては郡山から会津若松に抜ける鉄道の難所で、電化されるまでは重連のSLの勇ましい姿が見られたようです。
今はただ悄然と、ホームと僅かに保線用に残された線路が残るだけです。
急勾配をものともせず電車が軽やかに駆け抜けて行きます。
スイッチバックも今はもうほとんど見掛けなくなってしまいました。

Z型はともかくX型のは今や全国的に見ても殆ど残っていません。
で、こっちが移転後の中山宿駅。
味も素っ気もないっすね。
ちなみに乗降客数は1日11人
そのまま西進し、次は猪苗代湖沿いに南下してやって来たのは・・・・・・
・・・・・・旧・有栖川宮・高松宮別邸の天鏡閣。

明治41年建築の和洋折衷様式の傑作です。
ドレス貸出なんかもあったりして。
隅々まで繊細で端正な造り込みが感じられます。
意外にこぉゆうスポットは丹念に訪ね歩いてるかも。
ほほぅ!お澄ましモードで珍しく背筋がシャンとしてます。
ちなみに昭和天皇もここが相当気に入ってたようです。
明治時代、必死で洋風を取り入れようとした時代の結果的にはケッコー和風テイスト炸裂な建造物の持つ雰囲気って独特ですよね。
脱いだ方が良かったかな〜・・・・・・(笑)。
ユックリとした時間が流れるような独特の空間です。
案外観光客が多く、ちょっと騒がしかったのが残念かも。
こちらは今でいうところの「運転手溜まり」みたいな別館。

それなりに造りはチープでした。
あまり意識せずに寄ったんですがここはかなりめっけもんだと思いました。
う〜む、それにしてもおらぁポートレートが上手くならないなぁ〜・・・・・・。
時間は押して来てますけど、これからさらに数ヶ所を巡る予定です。
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