「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2014 信州(二日目後半)

そのまま狭い林道をウネウネと上がってやって来ました。
山道をダラダラと上がって行きます。
かなりの山奥ですが水量は豊富。
夏日は陰翳が出過ぎてダメとか言いますが、個人的にはけっこう好きなシチュエーション。
轟々と音を立てる谷川に沿ってさらに行きます。
クマ除けの鐘。

緑が豊かなので相当数居る模様。
重たいんで三脚は置いてきました。

なもんでみんな手持ち撮影。
ようやっと到着。

米子不動尊奥ノ院です。
しかし、目指すのはさらにちょっと奥。
菅平高原の北方の切れ落ちたカルデラ壁に懸かる信州屈指の巨瀑・米子大瀑布です。
休憩もそこそこにさらに裏手をちょっと上がると・・・・・・
見えました。

PLフィルター持ってれば良かった!
何と、首輪に繋がれた猫がいます。

まるで犬のように大人しく飼い主について歩いてました。
ちなみにこっちは「不動滝」。落差は85mもあるそうです。

デカい三脚担いだ年寄りが一杯いました。
少し離れて樹林越しに望まれるのが「権現滝」。

通常の呼び方をするならこっちが女滝な印象。
さらに奥に行くと、唯一の宿だった「滝山館」。

今は有志が細々と維持してるようですが。
ここから谷を巻くようにして対岸に向かいます。
やはり水量は豊富。
もう少し明るくスローシャッターで撮りたかった・・・・・・。
結構観光客は沢山います。
急坂を喘ぎながら高度を稼いでいくと・・・・・・
米子硫黄鉱山跡に出ました。
かつてここは2千人近くが暮らしたという巨大な硫黄鉱山でした。
対岸に大瀑布を望む。
しかし、鉱山跡地は綺麗サッパリ何もなくなっており少し寂しいです。
この辺は社宅と精錬場が並んでたようなんですが・・・・・・。
今となっては案内看板見ても上手くイメージできませんね。
最近になってようやく鉱山跡も文化遺産として評価されるとこが出てきましたが、ちょっと前までは日本の近代化の負の遺産のように見做されて、顧みられることが少なかったことが良く分かります。
今はただもうノッペリと原っぱが広がるばかり。
黄色い山躑躅なんてあるんですね。
学校跡辺りから再び滝を遠望。
しかし、下界から隔絶された環境で千人単位の人が暮らす町ってどんなんだったんでしょう?
鉱山跡を訪ねる度に、現役時代を一目見たかったといつも思います。
一気に下って元の駐車場に戻りました。
ちなみに須坂市はこの米子大瀑布を新たな観光地として盛り上げようとしてるみたいで、今では紅葉時期ともなるとマイカー規制が行われ、シャトルバスが往復するようです。
松代の町にやって来て遅い昼食を取ることに。

「餃子」の看板に釣られて、たまたま見つけたココに入ることにします。
お!ナカナカに美しい佇まいぢゃありまへんか!
アッサリ系の味でこりゃ美味い!
なんとこの店は、餃子と饂飩の店。

むっちゃくちゃにシュールな組み合わせだと思います。
あ〜!だから屋号が「こむぎ亭」なんですね。
どんな理由があるのかは知りませんが、松代は懸崖造りだらけの町です。

まずやって来たのはちょっと中国風な山門の桑台院。
急な石段を上がるのは共通の風景ですね。
端正な印象の建物が見えました。
結構な大きさがあります。
寺の名前からも想像が付くように、養蚕の信仰を集めた寺だそうです。
木が伸びて景色はあまり開けませんね。
養蚕がすっかり廃れた今は無住のようです。
ちなみに山号は「蟲歌山」。

養蚕のみに特化した御利益とは珍しい。
そのまま城下町の狭い通りを抜けてやって来たのが・・・・・・
竹山稲荷神社。

色褪せた鳥居の列に味わいがあります。
見えました。

脚、細っっ!大丈夫なんかいな!?
元々はお寺だったのが明治の神仏分離で神社になったとかナントカ。
山に囲まれた松代の狭い町が一望できます。
上屋はそのまま残して脚部を鉄骨に作り直してあるのがちょと興醒めかもしれません。
しかし、ロケーション等総合ポイント(?)的にはいい感じだと思いました。
さらにちょっと先の離山神社へ。

物凄い密度で懸崖造りが点在してます。
かつて大洪水があって、みんなこの山に逃げ込んだ云々・・・・・・神社の由来がどこにもない!(笑)。
石段の正面にかなり大きな拝殿が見えます。
ん!?脚は前一列だけ!?
なるほど!書き割りのセットのように奥行きがないんですね(笑)。
拝殿以外は物置みたいなこの建物があるくらいです。
やや殺風景な内部の様子。
ここは懸崖造りにしては珍しく、南向きに作られています。
それとやたら「**神」なんて刻まれた石があちこちに置いてあります。
境内は子供たちの格好の遊び場となってました。
ちょっと時間が押して来てます。
さらにダメ押しでやって来たのは松代PA近くの風雲庵観音堂。
武田信玄由来の寺だそうですが、今はもうこの小さな懸崖造りのお堂が残るだけです。
しっかし、そもそも懸崖造りにする必要は殆ど無かったんではないか、っちゅうくらいに低い。

160cmそこそこのヨメの背より舞台の高さがありません。
内部は如何にも山里の観音堂といった佇まい。
う〜む、懸崖造りはどこで写真を撮っても同じような構図にならざるを得ないのが問題点かも・・・・・・。
それにしても低い(笑)。
こうして見るとナカナカなんですけどね。
ともあれ夕暮れが迫っています。急いで帰らんと!・・・・・・なもんであとは一路東京に向けてひた走りました。


なお、このところの懸崖造りを訪ねる上で大いに参考にさせていただいてるサイトをご紹介して今回のレポートを終わることにします。

「日本の懸造り」http://www.geocities.jp/kakezukuri/
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