「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2014 群馬U(前半)

朝日の中、極めてレトロな日通の建物や・・・・・・
バス・タクシーの詰め所が並ぶ懐かしいローカル線の駅前・・・・・・
ここは上信電鉄・下仁田駅。
駅の待合室にも喪われた佇まいが随所に残っています。
旧街道らしい狭い駅前通りには、それなりに年季の入った食堂があったりもします。
横断幕に地元の期待が伺えますが、道行く人は決して多くありません。
地方私鉄としては意外なまでににだだっ広い構内は、ここがかつて重要な物資の集散地であったことを物語っています。
今は救援用に真っ赤に錆びた貨車が数量留置されるだけですが。
観光地として盛り上げようとしたい気持ちは分かるんですが、残念ながらネタが少なすぎる。
眠ったように静かな構内。
レトロな琺瑯の案内。
おそらく今はもう非常用なんでしょうが、タブレットが残っています。
細かいディティールを良く見てみると、レイアウト作りの参考になるかも知れませんね。
ユーモラスな塗り分けの電車。

左は群馬サファリパークカラーでシマウマ柄。
日の当たるシート。
ガラガラのまま電車は発車しました。

実はヨメにせがまれて富岡製糸場を訪ねることにしたのでしたが、ちょっとヒネリを加えて上信電鉄に乗ってみることにしたのでした。
だんだん乗客が増えて来たなぁ〜、と思ってるうちに上州富岡駅到着。
最近、電車が増発されると共に大幅に改装された模様です。

ここから歩きます。
いきなり駅前から古い風景が広がります。

製糸場を含む町全体を世界遺産にすれば良かったのに。
シブいなぁ〜。
どこにカメラを向けても絵になる感じ。
・・・・・・ね!?
そぉいや今日は、あまり普段したことのない格好ですね。
角が入口になった店って最近スッカリ見かけなくなりました。

模型にしてみたい雰囲気です。
だんだん歩いてる人が増えて来たなぁ〜、と思ったら・・・・・・
製糸場到着。

どっから湧いて来たんや!?っちゅうくらいに人が溢れてます。
端正な表情を見せる東置繭所。
その内部。

この一枚でD810の暗所性能は凄い、って思いました。
観光客が写り込まないようにしてますが、実はムチャクチャ沢山人がいます。
ちょっとしたストラクチャーにも味があります。
しっかし、江戸時代が終わって僅か数年でこんなもん建てた明治の人間はすんげぇパワーだと思います。
乾燥場は2月の大雪であえなく倒壊・・・・・・何年かかけて再建するようですが。
次の建物に向かうことにします。
これは何だったっけ?
これも名所となってる繰糸工場。
シンメトリカルで圧倒的な空間が奥に向かって続いています。
立ち並ぶ機械は割りと近年のモノとのこと。
かつてはここに女工さんが並んでたワケですね。
ここに茹で上げられた繭が入って送られてたようです。
それにしてもよくもここまでオリジナルの姿を残したものだと感心します。
ちなみに昭和62年まで実際にここで製糸が行われていました。
ガラスも極めて古いモノであることが分かります。
残念ながらここから先はまだ整備中で立入禁止。
当時としてはかなり立派な作りと思われる診療所。

所謂「女工哀史」的な理解は間違ってると言えましょう。
工場長用の社宅は御殿のような巨大さ。
お!16−35mmでも意外にボケてくれるやん。
これは宿舎。

明治の平民の生活水準からすればかなり立派なものだと思います。
これは蒸気釜所だったかな?
右側が工場長の社宅。

極東の良く分からない国に、破格の報酬と三顧の礼でフランスから迎えたんだから、まぁこれくらいは当然だったのかも知れません。
冷静に考えれば、いくら厚遇とはいえ海のモノとも山のモノとも知れない国に出向いて行くのは物凄く勇気が必要だったと思いますね。
24−120mm/F4はいろいろ言われますけど、個人的にはとても扱いやすいし、距離さえ選べばそれほど歪曲もありません。
解像感も悪くないと思うんですが、どうもボロクソに言う人が多いですよね。

1本である程度いろいろカバーしてくれるのと、手ブレ補正が強力なのが助かります。
構内案内図。

現状では公開部分がいささか少ないように思います。
しかし、ここまでオリジナル状態の維持に努めた片倉の大旦那ぶりも凄いモンだと思います。
一方で、日本人向けの社宅はまぁ、単なる長屋です(笑)。

建物の感じからすると、昭和以降くらいでしょうか。
あ!そぉいや髪をアップにしてデコ出してるのって珍しいかも。
平日なのにとにかく観光客だらけな製糸場をそろそろ後にして、午後は近くの鉱泉に向かうことにします。

富岡製糸場、天邪鬼な私は世界遺産に指定されたことで避けてましたが、行って見る価値はあると思います。
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