「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2014 群馬

春のある日、ここは群馬県の北の外れである上越線の土合駅。
ループ線の途中にあってホームまで深く下りてくことで有名な駅です。これまで来よう来ようと思って、ついついパスしてたトコです。
殆ど廃墟のような通路を行きます。
かつては谷川岳登山の重要な起点でしたが、今は無人化され荒れ果てています。
とにかく改札くぐってからが長い長い。

背後に見えるのは、通過列車によって巻き起こる突風(所謂「トンネルドン!」)を避けるためのものだと思います。
ひぇぇぇ〜!

遥か下まで階段が続いています。
ホーム到着。

こうして見ると誰もいないようですが、この少し前に列車が到着し、まばらな客が降りて行きました。
とにかく寒い。

私のフリーズを借りて着込んでます。
昔は登山客がこの階段の数をチャンと数えると遭難するなんて言われてましたが、今ではちゃんと案内付き。
長居してても寒いだけなので、元に戻って行きます。
ようやく地上が見えてまいりました。
階段を上がっても改札までは川を渡って行かねばなりません。
射し込む陽射しが美しい。
あともうちょっと。
ようやく戻って参りました。

噂に違わぬ変わった駅でした。
ついでに一つ隣のこちらにも立ち寄ってみます。
ここも土合ほどではありませんがモグラ駅として有名。
上り線はフツーに地上にありますが・・・・・・
下りはホレ、この通り。

ただ、土合ほど深い所にはありませんでした。
こっちが上りホーム。

上越線も新幹線が開業してからはすっかりただのローカル線になってしまいましたね。
下って中之条方面を目指します。
走ってて名前が気になって寄ってみた「添うが森」。
謂れがいろいろ書いてありますが、何もない所でした。
藤の花が満開です。
少し渋川方向に下ってやって来たのは、群馬の数少ない懸崖造りの一つ「岩井堂」。

いや、これまで数えきれないくらいこの前は通ってたんですが、立ち寄るのは初めて。
「奉納、豆腐五丁」・・・・・・って、むちゃくちゃシュールですね。
裏山が修験の行場になってるとのことですが、危なそうなのでパスしました。
高さはあまりないものの、崖に食い込むように造られたお堂はやはり懸崖造りの迫力があります。
裏は御多聞に漏れず洞窟となっており、沢山の石仏が祀られています。
さほど高さはないのが良く分かりますね。

立地的にも国道のすぐ脇にあります。
あれ!?そぉいや上に上がる階段がなかったような・・・・・・。
少し早いですがお昼にします。

店の名前が「天重」なんで、天重オンリーの店かと思いましたが、蕎麦屋です。
山菜せいろにしてみました。
ヨメは同じもので温かい蕎麦。
名札が可愛い。

しどき、っちゅうのは初めて食べました。苦みがクセになる美味さ。
再び川沿いに上がって大戸関所跡の近くにある仙人窟到着。
あまり訪ねる人もないのか、やや荒れた道を登って行きます。
うわ!かなりスゴいやんか!

横幅14m、高さは8m、奥行きは26mあるそうです。
やはり修験道系の行場だったのではないかと思われます。
奥から外を望む。

充分雨風を凌げるだけの広さがあります。
ここの面白い所は、さらに斜面を上がると胎内潜りがあって・・・・・・
崖伝いに行った先に・・・・・・
ちょっと投入堂を思わせる奥ノ院まであること。
こちらも奥には何体かの石仏が置かれてありました。
生憎、眺望は開けません。

仙人窟はマイナーな存在にしておくのがもったいないようなスポットだと思いました。

まぁ、ワチャワチャ人来てもそれはそれで鬱陶しいんですが(笑)。
何年ぶりでしょう。

やって来たのは大塚温泉。
アトピーその他の皮膚病に特効ありと、近郷近在からの浴客が絶えません。
廃業する温泉宿が多い中、ここは何と近年新館を増築しました。
かつてのダバダバと源泉の注がれる混浴の内湯を残したまま、今は小奇麗な別浴の内湯が出来ています。
こちらが元の内湯。

入浴客多く、撮影は断念。
旧館を望む。
湧出量がひじょうに多く、鯉の池にも温泉が使われてるようです。
新館を望む。

右手が浴室で、その裏に混浴の露天風呂があります。こちらも入浴客多数で撮影は断念。そこでもここの湯の特効について話してる人がいました。
続いてやって来たのは、蕎麦屋でゲットした観光マップに乗ってた栃窪分校跡。
ここは数々の映画のロケ地として使われ、今でも大切に地元で保存されています。
たしかに絵になる感じですね。
ちょっと背景が暗くなりすぎたかな・・・・・・。
古い校舎で学んだ経験はないのですが、それでも木造校舎にはノスタルジーを掻き立てる物があります。
どこをどう撮っても絵になる感じが好ましい。
ここは再訪に値するロケーションだと思いました。
少し下ると、「東谷風穴」なる看板を発見。
え〜、なになに?養蚕がどうとか書いてあります。
何ぢゃこりゃぁ!?
見事に廃墟状態。

てっきり洞窟みたいなのがあるものと思い込んでました。
要は明治時代、急速に盛んになった養蚕の繭を冷蔵しておくための天然の冷蔵庫だったようです。

せめて上屋を再現しないと、これではサッパリ分かりません。
さらに下ると釜淵なる看板を発見。
何てことない谷川ですやん(笑)。
傾きかけた陽射しが美しい。
要は甌穴、っちゅうヤツですね。
晩春の八重桜が満開。
あとは混み合う関越道を東京に戻りました。

マイナースポットばかりの何となくまとまりのない日帰り旅行でしたが、かなり楽しめました。

ちなみにこの日はほぼ全てタムロンの18−270mmで撮ってみたのですが、ノッペリしてかなり残念な写りなだけでなく、いろんな限界の低いのが気になって、その後のフルサイズ移行のキッカケとなりました。
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