「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2014 中部U(二日目)

昨夜早寝したために目が覚めてしまいました。
ヨメはまだ寝てるので、単焦点50mm一本で旅館の周りを散歩してみることにします。
紅葉はたしかに曇りや夜明け、薄暮の方がシットリしていいかも。
隣に廃墟が見えるので行ってみると、廃業した旅館でした。

かつては温泉街を形成してた時代もあったようです。
建物を埋め尽くすかのような一面の紅葉。
単焦点はイザッて時の機動力に劣るんですが、空気まで濾し取るような写りは最高に良いっすね。
こんな何気ないショットでも情感たっぷりに写る。
青色申告が商売繁盛を約束してくれた時代の残滓ですね・・・・・・。
まだ館内は静まり返ってます。
あ!起きた。
結露した窓の向こうに朝日が昇ります。
早速朝食。

左上から時計回りで、梅干、茄子田楽、小鉢の影になちゃいましたが蕗、ジャコの佃煮、昆布の佃煮、出し巻き。

奥は左が山菜炊き合わせ、右がヨーグルト。
これはみぞれ和え、だったかな?

夕食同様、とても手の込んだ内容で美味かったです。ぶっちゃけこの「かすみ荘」、定宿にしたいくらいに素晴らしい旅館でした。
さて、朝日の中向かったのは・・・・・・
またもや木曽川を望む高台の上にある・・・・・・
有名な「傘岩」。

見ての通りの天然記念物。
傘っちゅうよりはエリンギみたい(笑)。
ちょっと離れたところにある「千畳敷」。
千畳は大袈裟かも。

ぶっちゃけ、昨日の星ヶ見岩の方がスケールは雄大でした。
見事な紅葉の中を南下して行きます。
そうして、今は路傍の鉱泉宿となった白狐温泉「今井屋」に。

ちなみにちょっと手前の釜戸温泉は立ち寄りは今はやっておらず、対岸にあった新白狐温泉は廃業してしまってました。
朝ってこともあって静まり返ったフロント。
湧出量が貧弱なのか、浴室は階下にあるこれだけ。

貸切の交代制になってるようです。
まずは一枚。
射し込む朝日が美しい。
しっかし、ド逆光なんですよね〜。
眺望はまぁフツーと申しましょうか、集落が見えます(笑)。
ちょっとポーズ。
朝日と湯気っちゅうのはしかし、撮影条件としてはサイアクですな〜。
何とかいろいろ加工して起こせました。
こぉしてノー天気に紹介してますけど、岐阜にはかつてシブい冷鉱泉が無数と言って良いほどにありました。
その多くはしかし、今はほとんどが廃業してしまっています。

もちろんこれは岐阜だけのことではなく、全国的にそんな感じになってます。
やはりその惨状は見るに忍びません。

そんなんもあって、近年温泉への熱意が薄れて来たのです。
うわ!メッチャ斜めってしまった!(笑)。

ホント、水平出すのがヘタな私。
この今井屋、ナカナカ佇まいはシッカリしており、近隣の宴会需要もあるようで、これからも長く続いてくれると嬉しいです。
さらに南下して到着したのは・・・・・・
巨石マニアには外せない「鬼岩」。
ここはいまいち観光地としては華に乏しい瑞浪方面の一大観光地でもあります。
そんなこんなで、結構昭和の香りのするコテコテした造作が随所に見られます。
金棒デザインなのがユーモラス。
暗い森の中、見事に一本だけスポットライトが当たったようになっていました。
巨岩の渓谷に遊歩道が張り巡らされてます。
この辺ではそろそろ紅葉も終盤戦な印象。
良く分からないんで、まずは渓谷沿いを行ってみることにします。
そらまぁ深い谷だから岩も転がってるよね、って感じの道が続きます。
斜面をジグザグに上がると尾根の上に出ました。

「展望岩」って名前が付けられ、四阿があります。
さらに行くと「臼岩」・・・・・・二段に重なってるからでしょうか。
一番奥まで行ったらヘンなトコに出て、戻るのに苦労しました。
谷底を今度は下って行きます。
見上げるように聳え立つ岩壁の「屏風岩」。
その対面に「鬼の岩屋」。
その内部。

中にはかなりチープな鬼の像。
こぉゆう由来ってなぜか悪文が多いんですよね〜。

読んでみると、鬼っちゅうか山賊の棲家だったようなことが書いてます。
ここの白眉は200m近く続く「岩屋くぐり」だったのですが、残念ながら5年ほど前に転落死亡事故があってからは封鎖されてます。
今はそこを巻くコースを行くしかありません。

日本の安全は過保護なまでの規制や禁止によって成り立ってると思うといささかナサケない。
これまた巨大な「蓮華岩」。
元の分岐点まで戻ってきました。
それにしても今回の旅はどこに行っても紅葉が見事。
巧く撮れたのはまた別途、大きなサイズでアップしますね。
・・・・・・って、紅葉写真って単調なんですけど。
石川五右衛門が悪家老を倒したとか・・・・・・ホンマかいな?
思うのですが、赤く色付くのは人の手が入った場所であることがとても多い。
山とかは圧倒的に黄色く色付く方が多い気がします。
これは等倍で見たら感動しました。

ホントは三脚据えてじっくり撮るべきモンなんでしょうが・・・・・・。
ともあれ鬼岩公園、ちょっと人がウジャウジャ多いのと、折角の素材がレトロダサい演出でスポイルされてるのが気になりましたが、かなり楽しめました。
続いてやって来たのは稲荷温泉「不老荘」。
平凡な集落の裏山にある荷機稲荷という神社の斜め前にあります。
温泉マークが可愛い玄関の様子。
ひじょうに古風な佇まいを残す館内。

残念ながら今はもう日帰りのみで宿泊はやってないそうです。
何とも摩訶不思議な別棟の湯殿との間の渡り廊下兼階段。

芝居小屋みたい。
浴室側が一段低くなってるのが分かります。
ひじょうに古い効能書き。
木のロッカーや、籐の椅子など古い佇まいが残ってます。
誰も他に浴客はいません。
うわ〜、鉱泉宿がこれやったらあきまへんわ〜!(笑)。
建て替えられてモダンな作りの浴室内部。

一緒に入っちゃえば良かったかも。
謎の仏像。

稲荷ちゃうんかいな?(笑)。
泉質は特に何も感じませんでした。

もちろん「コスモプラナ」の効果もです。
こんな素晴らしい佇まいの宿が細々と日帰りだけで命脈を保ってるのは本当に惜しいことだと思います。
この「コスモプラナ」、ネットで調べるとそれはそれはもう効能の凄いコト!曰く・・・・・・

「6ヶ月以上出社拒否のエリートサラリーマン……翌日から元気に出社」
「国立大学3年浪人……見事合格」
「勝負事や宝くじがやたら当たる」
「ツキが良くなった」・・・・・・等々、おれも買おうかな?(笑)。
そんなに効くのならまずはもっとこの鉱泉宿が流行ってくれたらいいのに、って思いました。
この辺は日本一の窯業の町であり、「どんぶり会館」っちゅうのがあるんで立ち寄って土産を買うことにしました。
まずはハラも減ったんで五平餅。
近くに「稚児岩」ってーのがあるハズなんで探しましたが、何だか良く分からない展望台に来てしまいました。

後ろに見えるのは稚児岩大橋。
良く見ると谷底の川沿いにあるようです。

窯業の町らしく、何だか良く分からないオブジェも陶製。
遥か彼方には活発に噴煙を上げる御嶽山。
このまま東名に抜けるのも時間的に中途半端なんで、さらにダメ押しで三国山に立ち寄ります。
山頂近く、コンクリートの祠の並ぶ中を登って行きます。
ミニ霊場になってるワケっすね。
何かこぉゆう看板って撮影しちゃうんですよね〜・・・・・・ってありゃま!クロップモードにしたままだった!(笑)。
ここも紅葉が素晴らしい。
ビッシリと積もった落ち葉の中をダラダラ上った先は・・・・・・
・・・・・・展望台。
視界が開けるトコには付き物の電波塔。

風景的には邪魔な夾雑物なんでしょうが、メカメカしくって個人的にはけっこう好きかもしれません。
あ〜!太陽の方向が悪かった!
今度こそ正しくクロップ、換算450mm相当で御嶽山。

死傷者数では戦後最悪となった噴火はおよそ1ヶ月前のことでした。
ともあれ大分時間も押してまいりました。
後は淡々と山を下り、東海自動車道から東名をひた走って東京に戻りました。

今回は2日とも天気に恵まれ、候補地の大半も訪ねることが出来て良い旅行でした。
----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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