「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2012 羽幌~夕張(初日後半)

ゴーストタウンの羽幌炭鉱を後にし、元の海岸線に戻ってきました。
丘の上に牧草地を望む同じような景色が続く中を一路南下し・・・・・・
ようやく人のいるところにやって来ました。
小平の旧花田家鰊番屋です。

実に豪壮な建物で、国の重要文化財に指定されています。
あれから鰊はどこへ行ったやら~♪、と。
ヨメも自分のスマホでの撮影に余念がありません。
中に入るといろんな道具が展示されています。
割れやすいってコトでスッカリ見かけなくなったソーダガラスの浮き玉。
この通路はちょうど居住部分の下をL字に通っており、元は倉庫だった模様。
もっとヤン衆のマネキンとかが並んでると思ってたのでいささか肩透かし。
建物中央の広間部分。

ここだけで100畳くらいは優にあります。
囲炉裏も一つではありません。
修復時に掘り出された仏像だそうです。

板子一枚下は地獄の船乗りは信心深い。
吹き抜けになった豪快な天井の骨組み。

しかし羽目板がなくては、ナンボ若いヤン衆がウジャウジャいても冬はかなり寒かったんぢゃないでしょうか。
一段高くなった寝室に当たる部分。

見ての通り、フェリーの二等船室もビックリの雑魚寝状態。
ここにもさまざまなものが展示されています。これはランプ類。
あいのこ船、だそうです。
まぁ、平たく言えばドカチンの飯場に近いものがありますね・・・・・・そぉ言っちゃうとミもフタもありませんけど。
台所に並ぶ食器類もビッグサイズ。

わたしゃ夜通し飯を炊く~♪
土間を境にこちらは旦那や親方の住んだエリア。
一番奥がおそらく当家の主人の座敷でしょう。
こうして見ると、鰊番屋がきわめてヒエラルキーに基づいて合理的かつ明快にデザインされてたことが分かります。
片や障子で仕切られキチンと畳の敷かれた部屋、片やスーパー雑魚寝の板の間なんですから。
今は道の駅も併設され、観光客がひっきりなしに訪れる名所となっています。
道の駅も番屋の景観に配慮したもの。

中に入ると普通の鉄筋コンクリートでしたが。
さらに南下して留萌を抜け、増毛の今夜の宿に到着。

土蔵を改造した巨大な部屋がユニークな「漁師の宿 清宝」です。
蔵の横には真っ青に塗られた船。形からするに元は遊覧船でしょうか。

実はこれ、風呂だったりする。船尾のところをよく見ると♨マークが見えますね。
船室に当たる部分が浴室となってます。

カンカン照りの西日と湯の熱気でもう暑いのなんの。
取り敢えずは脱ぎ方開始。
準備完了・・・・・・ってアータ、もぉお湯が熱湯ですがな!!
思いっ切りド逆光になってしまいました。
浴室全景。

中は要はただの風呂ですが、こんな演出、子供とかは喜びそうですよね。
それにしてもハンパなく眩しい。

ジャンジャン水を入れてるのに浴槽は熱湯のままだし・・・・・・。
仕方なくまずはカラダ洗うことにします。
結局、湯船は上がりしなに必死の思いで30秒ほど浸かれただけでした(笑)。
脱衣場全景。

階段の上が出入り口になってます。
これだけでも十分名物になりそうなユニークな風呂でした、

ちなみに鉱泉でも何でも、激熱なのは歓待の印と受け取ることにしています。
ついでに屋上に露天風呂作ったらもっと面白いかもしれません。

ただ、すぐ後ろを国道が通ってるんで丸見えでしょうけど。
温泉に入る予定の少ない今回の旅にあって、温泉並みに愉しめて良かったと思います。
部屋に戻るとすぐに夕食が運ばれ始めました。

アワビと帆立貝。どう調理しますか?と訊かれたので迷わず「焼き」をリクエスト。
ここでもやはり欠かせないウニ。
刺身盛り合わせはヒラメ・サーモン・〆鯖。
手前は付出五種盛り、背後は見ての通りのカニ。
カジカ鍋と説明されましたが、カジカにしては身がシッカリしてるような。
ムッチャクチャ良く冷えたビールも到着しました。
最近、とみに魚好きになったので嬉しそう。
・・・・・・ってなワケで食い方始め!
さぁ、鍋にも火が入りましたっ!
オーッとここで八角の味噌焼き登場!
さらにはサービスで活エビ登場。

北海シマエビとあとは何だったっけ!?跳ねて水が飛び散ってるのがお分かりでしょうか?
ここで殻焼きとなった貝が再登場。

左奥には写真撮り忘れましたが、これまた後から運ばれてきたカスベの唐揚げ甘酢餡。
カニの身をほぐす頃にはもうかなりのギブアップ状態。
部屋の正面にはドーンと暮れなずむ日本海。
今回も雲に邪魔されて海に沈む夕陽は見損ねました。

相当の好条件が重ならないと見られないもののようです。
そして最後にダメ押しの寿司到着。ネタが結構これまで出たのとカブッてるのはご愛嬌。

しっかし、これだけの料理の後に一人10貫盛りはいくらなんでもキツい・・・・・・旅館の料理で敗退したのは今回が初めてです。
スッカリ夜も更けました。

珍しくヨメの方が酔っぱらってます。
何となく見つけて何となく予約入れた宿でしたが、かなりここは気に入ってしまいました。
この土蔵の由来が壁に掛かってます。

要はバブルの時代、3セクか何かで始めた大甘な観光施設が財政破綻したのを買い取って始めた宿のようです。

明日はさらに南下してから、今度は内陸に向かって行きます。
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