「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2012 道東(三日目)

ありゃ~!起きたら外は雨。

それもけっこう激しい。
停滞してても仕方ないので、朝食に昨夜と同じ大食堂へ。
朝食バイキング、ってついつい取り過ぎてしまいます。

左が上から時計回りでベーコン・ソーセージ・じゃがバター・温野菜、右が同じで蕗の煮物・キンピラ牛蒡・玉子焼・鮭塩焼き・タラコ・山クラゲ、あとは納豆・冷奴・長芋に味噌汁、とてんこ盛り。
ヨメは全体的に少なめに一口づつ。

異なるのはポテトサラダ・蕗ジャムトースト・お粥・杏仁フルーツと言ったところでしょうか。
糠平より三国峠を越え、旭川方面を目指します。

途中、降りしきる雨の中、どうしても行きたかった幌加温泉「鹿ノ谷」に立ち寄ることにします。
手前にある、かつて訪ねた幌加温泉旅館は廃業してしまっていました。つまり今は一軒宿の温泉。

何と勿体ない!
それぞれ泉質が微妙に異なる3つの浴槽が並ぶ混浴の浴室。

画像補正を掛ければもう少し曇りを除くことができるのですが、今回は敢えてそのままにして沈潜した雰囲気を残してあります。
女性の更衣室の隣には女性専用内湯があったとのことです。
一つ一つ入ってみましたが、あまり泉質に大きな違いは感じられませんでした。

湯船の縁や洗い場にはうっすらと析出物が溜まっています。
古風な金ダライ。

源泉掛け流しを標榜する宿は、こぉゆうシブい佇まいも含めて真似て欲しいモンです。
谷川を見下ろすナカナカのロケーション。

確かホロカ温泉旅館の方はあまり眺望が効かなかったような・・・・・・。
大分暖まったので露天風呂に移動することにします。
外は相変わらず雨模様。

それにかなり寒い。
グズグズしてると寒いばかりなので急ぎます。

カメラはバスタオルに包んでさらにスーパーのレジ袋に入れ・・・・・・と、まるでアホみたい(笑)。
どうも垂直をチャンと出すのが自分はヘタだ、ってことに最近気づきました。
露天風呂全景。

湯船がエメラルドグリーンに見えるのは底のコンクリートの目地に若干苔が生えているためです。。
元は四阿もある半混浴のスタイルではなかったのかと思いました。
柱にしては若干細い気もしますが、何がしかの残骸。
内湯をバックに。

奥のピンク色が宿泊棟。
並ぶ源泉槽。

それぞれが内湯の浴槽に繋がっていると思われます。
ちなみにこの旅館にしても今はお婆さん一人が細々と守っている状況で、日帰りと素泊まりのみの受付です。

幌加温泉そのものが存亡の危機にある、というのは大袈裟でしょうか。
渓谷を望む全景。
露天風呂の源泉槽をバックに。

這えずり回る黒いゴムホースが豊かな湧出量を感じさせます。
浴槽ごとに異なる源泉という素晴らしく恵まれた温泉宿なのに、何でこうも寂れているのか、いささか悲しくなりました。
恐らくこの奥地にも、探せばまだまだ湧出ポイントがあるような気がしました。
そろそろ上がることにします。

ちなみにこの辺一帯の温泉群は、背後の丸山によるものと思われます。火山としてはひじょうにマイナーで、20年くらい前までは活火山どころか火山とも思われていませんでした(笑)。
「あ~、暖まったんか冷えたんか分からん~!」とか言いながら内湯に戻るところ。
内湯の奥は打たせ湯になっており、二条の湯が浅い浴槽に落ちています。
最後にもう一度暖まって上がることにします。

背後のドアは右が男性、左が女性の入り口。
何とか今の姿のままで持ちこたえて欲しい、素晴らしく鄙びた温泉宿でした。

この雰囲気は今では道内でも数少ないものでしょう。
さて、一気に200km以上飛んで、ここは札幌駅の高架下。

いやもうその後、雨がむっちゃくちゃ激しくなり、観光どころではなくなって札幌まで戻って来たのです。高速道路は川のようになっており、マジで怖かったです。
お決まりのスープカレー。今回は有名な「hirihiri」に行くことに。

この日は札幌も集中豪雨に襲われ、駅下のテナントは一部が浸水していました。
さーてどれにしよぉかな~?っと
結局、定番のチキンカレーにウィンナーをトッピングしたものにしました。

辛さはマァマァでしたね。
嬉しそうな顔してからに(笑)。

私よりヨメの方がスープカレー好きかも。
雨も小降りになって来ました。

そういえばこれまで市内の名所に行ったことがないので回ってみることにしました。
旧・北海道庁。

北海道開拓の中心として機能した重厚な煉瓦造りの建物です。
今は無料で開放されています。
手の込んだ装飾が随所に見られます。

実は北海道の今のあらゆる人為的な風景は、近代化あるいは富国強兵の名の下、すべて国策として官主導で出来上がったものと言っても過言ではありません。

違うのはまぁ、温泉くらいなものでしょうか(笑)。
五芒星のシンボルマークと共に莫大な国家予算が注入されてきたのです・・・・・・って、左下は珍しい七芒星ですね。
優雅なシャンデリア。
国の補助金頼みの体質は100年以上の時を掛け、官民一体となって形成されてきたものと言えます。
何故、簡易軌道が10年も使わずに放棄されたのか?のワケもここにあります。

要は「自分で稼ぎ出した金で拵えたものではなかった」からです。
陳情によって落ちてくる金が尽きた今、国内の他の地方よりも一歩早く、この地は明治以前の姿に戻ろうとしてるのかも知れません。
いろんな展示物が館内にありましたが、どうも私には素直に眺めることができませんでした。
大方雨も上がったようです。
思えば、田中角栄の「日本列島改造論」は一面の真理を衝いてたのかもしれませんね。

北海道は工業地帯にするのが一番いい、ってアレ。
有名な雪印パーラーのジャンボパフェ。

誰が食うねん!?こんなん!?(笑)
そのまま今度は時計台に。
日本三大ガッカリ名所の名の誉れも高い(笑)、ビルの谷間の小さな木造建築です。

ぶっちゃけホント、普段は気付かずに通り過ぎてますもん。
言っちゃ悪いが、かつてここにあった、北大の前身である札幌農学校の体育館みたいなもんですよ。

その割にはなぜか札幌のシンボルなんだよな~(笑)。
さらに歩いてススキノ交差点。

夕方になると「お~い♪お~い♪北海道♪」が無限ループで流れてますが、今は静か。
二条市場は今でも小さな魚屋が狭い通路にひしめいています。
そしてそのまま狸小路へ。

今は随分と時代から取り残された商店街ですが、古着屋とか楽器屋とか怪しい飲み屋とか、楽しい店も多かったりします。
こうして駆け足の道東+オマケの旅は終わりました。

最後が大雨にやられて尻切れトンボになってしまったのがちょっと残念。やはり、道東にまで足を伸ばすんなら、あともう一日余裕が欲しかったですね。

お粗末さまでした。
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