「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2012 第2回道南(三日目後半)

臼別から一旦大成に戻って北上します。

ここから尾花岬を回るルートは道路が未開通で、北海道最後の陸の孤島とも呼ばれています。
いろんな看板が並ぶここは・・・・・・
・・・・・・北海道一とも言われる難スポット・太田山神社。

廃仏毀釈の影響で今は神社となっていますが、かつては修験道の霊場でした。
いきなりこの強烈な坂道!!

しょうむない上級者ゲレンデをはるかに超える急勾配でメチャクチャ怖い。
上から見るとこんな感じ。

落ちたら間違いなく下まで行きそう。
階段を登り詰めたら今度は鉄の梯子。
こんな道に対応できる靴を履いてこなかったんで、潔くリタイア。

正直、ここまでハードとは思いませんでした。ナメてました。スンマセン。
下りは上りより恐怖。

笑顔が思いっ切り引き攣ってます(笑)。
振り返れば真っ青な日本海。
彼方には道路の未開通区間が望まれます。
有名な鎖伝いに上がる奥ノ院はおそらく、突き出た岩山のあたりにあると思います。
・・・・・ここのどっかね。分かりませんけど。
松浦武四郎もブッ飛んだ、みたいなコト書いてあります。
この寒さでは吹きっ晒しの中ご自由に休む気になれません。
いつかキッチリした服装で再チャレンジしたいです。
すぐ近くには円空仏。

パワフルな江戸初期の坊主は、生涯をほとんど放浪して過ごしながら何と12万体もの仏像を彫ったと言われます。
ま、要は本物はココにはありませんよ、みたいな(笑)。
こんなん観光名所にすんなよぉ〜!と思わずツッコミ入れたくなる「定灯籠」・・・・・・昔の灯台ですね。
残念ながらこれもレプリカ。

背景に太田山を入れてみました。
そしてこれが太田山神社の拝殿。

登れない人かこっからヨロシクってな設備。
こうして回ってみると、道南の日本海側ってひじょうに急峻な地形が続いてることが分かります。
再び国道を北上していきます。

窓岩をバックに。
「日本一高い」というキャッチコピーにつられて、茂津多岬灯台に上がってみることにします。
ちっちぇ〜っ!!(笑)

建ってる場所の標高が一番高かったんですね。
この辺で急に雲行きが怪しくなってきました。

メチャクチャに風が強い。
どうやら二位は兵庫の余部崎灯台のようです。

その差、僅か90cm!激戦ですね。
風がビュービュー吹いてエラく寒いんですが、取り敢えずは上に行ってみます。
何のこっちゃない、一般客が行けるのはここまででした。

それにしても寒かったなぁ〜・・・・・・。
下って行くと、来た時には気付かなかった綺麗に整備された広い緑地が広がっていました。
何故か急に風が止んで、日差しさえ出て来ました。
それにしても一体何なんだろ?ココ・・・・・・果樹園でもないし、公園でもないし。

隠れ里のような不思議な空間です。
暖かささえ感じる日差しの当たる不思議な場所でした。
元の道に戻って今夜の宿泊地を目指します。
20年前のリベンジで千走川温泉に到着。
ガーン!!またもやアウト。今回は臨時休業だってさ。

ワンワン吠えまくる犬さえハラ立たしい(笑)。
気を取り直して、最近道南の珍湯として有名になってきた栄豊温泉に。

海岸沿いのココ、「たかだ旅館」旅館の施設らしいんですが・・・・・・。
「あ〜も〜テキトーに入っちゃって下さい」との女将さんに教わった道を行くと・・・・・・
ありました。

断熱シートで覆われた片流れの屋根の小屋がそれ。
素晴らしくシブい内部の様子。
片隅には加熱のための小型ボイラー。
こんな小さいの、初めて見ました。

火を点けようかと思いましたが薪が濡れちゃっててはどうにもならない。
ほとんど水に近い!

真冬だとそのままでは絶対に入るの無理でしょう。
湯船は見ての通り。3人が限界くらいの小ささ。

そしてほとんど水風呂。

お金を払おうとしたら女将さんが「そんな〜、お金もらうほどのモンぢゃないです」と言った意味が分かります。
外から見ると木造の小屋に見えましたが、浴室内部はシッカリコンクリで固められてますね。
斜めった煙突が可愛いボイラーの横で。

ちなみに実際の浴室内部はかなり薄暗く、高感度撮影+画像補正で対応してます。
早々に上がって身体拭きまくり。
脱衣場の恐るべき乱雑さもナカナカ味わい深い印象でした。
どうやらここを利用する際は、必要な分だけ薪を拵えて入るみたいです。
「よってけ!」と書いてあるんで寄ってくことにします(笑)。
まぁ、あまり大したものはなかったですけど・・・・・・。
観光の手垢にまみれた道東方面より、今やこの辺の方が秘境度は高い気がします。

そぉいや北海道最後の秘湯の一つ、金華湯もこの奥でした。
そんかこんなでここも20年ぶりのリベンジで宮内温泉到着。

新建材で囲われちゃってますが、神社みたいな入母屋造りが印象的な建物です。
決して豪華ではないものの、年季の入った雰囲気の良い部屋。
早速風呂に向かいます。
特に記すべき点の見当たらない脱衣場。
猛烈な湯気で補正してやっとこんな感じ。

こっちは女湯の方。
冬の内湯撮影は本当にむつかしい。
露天風呂に向かいます。

こっちも一応男女別。
暮れなずむ中、空気抜きの小屋根が印象的な浴室。
明るく撮ってますが、実はもうほぼ真っ暗に近い。
画質はかなり荒れるとはいえ、こういったシチュエーションでISOを上げられるのはひじょうにありがたいですね。
こっちは男湯の方。

湯気が比較的マシでチャンと写りました。
画像で見ると分かりにくいのですが、かなり苔と黴に覆われて老朽化した感じの浴室です。
一方の露天風呂は塩ビ波板囲いがやたらと目立つ小さなもの。
いっそ混浴の方がスッキリするし、佇まいも良くなる気がします。
とは申せ、この全体に漂う素人っぽい手作り感はナカナカいい感じ。
もう少し明るい時間に入りたかったです。
なかなかダイナミックに撮れました。

暮れなずむ景色で上手に撮れるようになりたいな〜。
腰が引けとるがな・・・・・・(笑)。
実際かなり不安定な湯船の縁の岩だったんですけどね。
  そろそろ上がることにします。
内湯への狭い通路の様子。
相変わらず濛々たる湯気で一杯の内湯。
結論から言うと特に変哲のない風呂でしたが、独特の「やれ感」が印象深かったです。
こういう平々凡々たる温泉こそが長く残ってほしい温泉なんですよね〜。
ちなみにこの温泉、かつてゾウの花子が湯治のために逗留していた温泉として有名。
今日も一日、脱いだり着たりの繰り返しでお疲れさん、ってトコですね(笑)。
回数券で来る人ってどれだけいるのでしょうか?
戻るとちょうど夕食の準備ができたところでした。

家庭料理っぽくも素材に期待が出来そうな品々です。
キノコの味噌汁
ナルトが可愛い茶わん蒸しは具沢山。
ツブ貝とアワビの焼き物。
イカの酢の物。
これは何の揚げ魚だったっけ!?
ここにもアワビが!
山ウドかな?これは
鍋が到着。

これも何の魚か訊き忘れましたが、ホロッとした柔らかな食感が印象的。
ビールはまだかですか〜!?(笑)
この日も結局かなり飲んで、気が付いたら寝込んでしまっていました。

明日はもう帰るだけです。
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