「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2009 千葉(後半)

・・・・・・前回は中途半端なところで終わってしまいました。

起点の木更津まであと一駅だったんです(笑)。
山小屋風な作りの「祇園」。

祇園なんだから京都風にしたら良かったのに。
この駅名板も落書きだらけ。
木更津方向を望む。

ここから線路は大きく回り込んでいきます。
しかしこの駅には珍しく(!?)、列車を待ってる老人が座っていました。
牛乳、売ってるんかな?
そうして近代的な橋上駅の木更津に到着。

感動はありませんでした。
駅の外れが広い車両基地になっています。

奥に見えるのはおそらく昔の機関庫でしょう。手前の赤いのは軽油のタンク。
留置線の先から駅方向を望む。
昔ながらの朱色とクリームのツートンの方が好きだなぁ・・・・・・。
腹は減ったけど動き回るのもめんどくさいので、駅蕎麦に入ることにします。
木更津なのであさりご飯にしてみました。

ああ、そぉいやしばらく汐干狩りも行ってない。
そそくさとお昼を済ませ、再び上総亀山を目指します。
1時間ヘッドの閑散ダイヤでも、線路沿いを走ってると意外にしょっちゅう列車に出くわすものです。
時間にだいぶ余裕があるので、馬来田で貰ったパンフにあった「いっせんぼく」という所に行ってみることにしました。

U字溝とかの人工物が一切ない道が奥に続いています。
道が途切れ木道に変わり、湿原が始まります。
えっ!?こんなトコに!?というような春の森の光景が広がっていました。
ホンのちょっと離れた所はフツーの住宅地なんですが、ここだけが取り残されたようになっているのです。

木々の間を水が流れています。
細かい泥が沈殿したところを清冽な水が流れています。
竹林はおそらく、房総特有の脆い砂岩質の崖を崩落から守るため植えられたものでしょう。
終点に着きました。

周囲を竹林に囲まれ、大きな広場状に空き地が広がって、木道が敷かれている・・・・・・ただそれだけの景色です。
これも湧水なんでしょうか?

むっちゃ濁って藻だらけ。
水源に到着しました。

崖の下の岩の割れ目から泉がこんこんと湧き出しています。昔はもっとあちこちから湧出していたそう。
飲めるかどうかは良く分かりません。

今でも付近の灌漑用水源として大事に使われているそうです。
近くの斜面には他にも水源を求めて掘り抜かれた跡がありました。

その言葉の響きも不思議な「いっせんぼく」、思わぬ拾い物をしたような場所でした。
一気に久留里まで走って、物凄い急坂を登り山のてっぺんのお城に。
この天守閣、近年観光用に建てられたもので、内部にはエスカレーターがあったりします。
眼下に登ってきた街並みが広がります。

・・・・・・しんどいハズやで。
てっぺん近くにある井戸。
そぉいえばこの辺りは、日本の掘削技術のデファクトスタンダード・「上総掘り」の本拠地なのです。
資料館にも立ち寄りましたが、あまり目ぼしいものはありませんでした。
この坂!!前転しそうで下るのもムチャクチャ怖い。

昔のお侍さんはこんなトコ毎日登り降りしてたんだから大したもんです。
そうこうして上総亀山に戻って来ました。

人っ子一人いない静まり返った駅前。
「シーナリィガイド(機芸出版)」をお持ちの方は、約50年前の景色と見比べてみると面白いかも知れません。

ともあれ、そのひそみに倣って駅の情景を詳しく並べてみることにします。
何軒かの商店が立ち並びますが、今はどれも営業してない雰囲気です。
かつての常として、ある程度の規模の駅前にはこうして必ずタクシーの車庫・商店・駅前旅館・日通の事務所なんかがありました。
切り欠きのある低いホーム、砂利がほとんど見えない側線の道床・・・・・・いかにもローカルな雰囲気です。
この駅の最大の特徴は何と言っても極端に短くて狭いホームでしょう。

両端がスロープになっていないのもローカル線では珍しく、旧国鉄型としては他に例を知りません。
誰も乗り降りしないけれど有人駅なおかげで、全体的に手入れは良く行き届いています。
架線柱のように見えるのは投光器の柱ですね。

車庫代わりにも使ってるようで、左端には踏み台も見えます。
駄文の方でも書きましたが、ローカル線で現在ここまで完璧にオリジナルの構内配線が残っているのは珍しい。
転轍器のマークもすっかり見掛けなくなったものの一つ。

奥に見えるのは乗務員宿舎。
列車が出た後の、菜の花が咲き乱れる駅全景。
木更津方向を望む。

側線の枕木が間引かれていることが分かります。
自転車をクルマに積み込んで、亀山湖畔の温泉に向かいます。
いかにも「観光」っぽい、ビミョーなダサさの漂うフロント付近。
誰がやるねん系のコインゲーム、昭和40年代チックなスナックカウンター、按摩機・・・・・・完璧ですね(笑)。
風呂には意外に沢山の人がいたので撮影断念。

房総半島では一般的な黒湯でした。
温泉ソムリエとかなんとか、ワケ分からんコト書いてありました。
実はしかしここ、歴史ある鉱泉なのです。

ダムに沈む前に訪問してみたかった!
野宿するポイントも見つからず、湖畔にある「稲ヶ崎キャンプ場」がフリーサイトなら一泊500円というので泊まることにしました。

安心が500円なら安いものです。
今回もテントはファウデ。

軽くて広くて、この時期にはちょうど良い暖かさなので重宝してます・・・・・・仕舞寸法は×ですが。
後ろはペグダウンしないと十分な広さが稼げません。
ここ亀山湖はバス釣りのメッカとして有名です。
もう夕方なので釣り人の姿はほとんど見えず。
しかし、釣りの面白さだけはどうしても自分には分かりません。
他には3組くらいしか泊まり客はいませんでした。

うるさくないのは何よりです。
こんなにサイトを一人占めできるのは非常に快適。
立派な炊事棟。

シーズンはきっと激混みになるんでしょう。
メニューは例によって例の如く・・・・・・
・・・・・・パスタ(笑)。

手間要らずでお腹一杯になるんですよ、これ。
久々に登場のトランギア純正のアルミ五徳。

耐風性が限りなくゼロに近いのが難点。
あとはすることもなく、酒呑んで早々に寝ました。

飲んだのはもちろん、「房総の代表清酒「『吉壽』」(笑)。酒屋に立ち寄って探したんです。

・・・・・・それにしてもおよそ1年ぶりの旅のギャラリー更新、少々内容が地味でしたね。

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