「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2009 千葉(前半)

以前の小湊鉄道訪問の流れで、今度は久留里線を丹念に回ってみようという気になりました。

まずは終点「上総亀山」に朝早くに到着。
外壁の改修はされていますが、昭和初期の駅の標準スタイルを今に残す駅本屋。
鉄道でやって来る観光客がいるとは思えませんが・・・・・・。
抜けるような青空の下、折り返し列車が出発を待っています。
観光看板を撮影しておくと、デジカメで地図代わりに使えるのが便利ですね。
ではそろそろ木更津に向けて下って行きます。

駅方向を望む。
終着駅に向かってほぼ直登が続いていることが分かります。
下ってすぐ、国道から脇道にそれた所に最初の駅、「上総松丘」駅入口。
山小屋風に建て替えられた駅舎。

「松岡ふれあい館」って、誰も人がいませんがな・・・・・・。
それにしてもいい天気。
元々はそれなりに大きな駅だったのかも知れません。
JRのローカル線の特徴として、駅前に無闇に広い空き地が残っていることが挙げられると思います。
かつては旅客と物資の集散地としての機能を果たした時代もあったのでしょう。
さらに下ると国道脇に「平山」。

なぜだか石碑のようにひどく立派な案内。朝早かったのでまだ閉まってましたが、有名な焼きそばの店が隣にあります。
味も素っ気もない、公園の東屋くらいの機能しか果たしてない駅舎。

野宿に使えそう(笑)。
ここは元々交換設備はなかった感じに見えます。
恐らくは開業時に植えられたのでしょう、銀杏の大木が青空に向かって聳えています。

根元に見えるリヤカーは極めて古いスタイルなのが分かります。
春の小駅の佇まいが感じられます。
道路脇に井戸水が引かれ・・・・・・
古い商店が建ち並ぶ所に出ると・・・・・・
もう、沿線最大の町・久留里。

「雨城」と呼ばれた久留里城の城下町として栄えただけあって、重厚な雰囲気の商家が目立ちます。
商店街の看板もこの通り。
でも駅だけは、街道筋から離れた所にポツンと取り残されたように、空漠とした雰囲気で残ります。
上総亀山方向を望む。

久留里線の特徴は、このように側線まで含めた駅の設備が比較的昔のまま残っていることでしょう。
ホームは互い違いに配置され、ローカル線としてはひじょうにゆったりしたレイアウトになっています。
これ見て観光する人おるんかいな?(笑)
・・・・・・まだこっちはいそうな気がしますけど。
そうこうするうちに列車がやって来ました。

タブレットの輪っかがなんとも懐かしい。
木更津行きの上り列車もやって来ます。

意外に沢山の人が乗り降りしていました。
ステンレスの棒みたいな駅名票だけが、唯一駅入口を示す「俵田」。
ホーム上に立派な待合室やトイレが作られています。
昔の駅名票が足元を補強されて残っています。

たしかに今となっては、これもすっかり見掛けなくなった貴重なスタイルです。
今はこんなんですが、かつてはそれでも貨物側線があり・・・・・・
・・・・・・色々な物資が積み降ろしされていたのでしょう。
まるで地蔵のような久留里への道標。

これ以外にもいくつも見かけました。
これまた箱みたいな駅舎の「小櫃」に到着。
駅看板は昔の琺瑯製のものをそのまま使用。

ちなみに久留里線は小櫃川に沿って走っています。
地元有志が掃除しているのか、無人駅の割に荒れた感じはありません。

ちなみにさっきから画面の隅っこに時々写ってるのが、今回の旅からの新兵器、自転車(笑)。
今はこんなんですが、ここにもだだっ広い駅前広場。
差し掛け屋根等からすると、昔の駅舎を流用した風にも見えます。
・・・・・・聞いたことないなぁ〜(笑)。
田んぼの中の何もない小駅、「下郡」に到着。

ホーム上に待合室とトイレをセットで新築するのが久留里線流なのでしょう。
唐突に列車がやってきて・・・・・・
・・・・・・誰一人乗り降りしないまま出発して行きました。
これまた古いスタイルを良く残す「馬来田」に到着。

景観的にはタクシーの詰所がちょっと目障りかも。
白茶けた羽目板張り、1間半の車寄せの上には紺地に白抜き文字の琺瑯看板、コンクリート瓦・・・・・・昔はどこにでもあった「フツー」なんですけどね。
改札付近の様子もこれまた渋い。
線路は築堤上にあって階段を上がって行きます。
こんなモンまで古いのを流用してる(笑)。

中は建設現場みたいなんでしたが。
かつては交換設備のあるそこそこの規模だったことが分かります。
貨物側線跡にはモノモノしい保線車両が多数停まっており、盛んに作業中。
この駅を起点としたハイキングが結構催されているようです。
何の特徴もない「東横田」。

何枚も撮っても仕方ないのでこれだけ。
国道を外れて真っ直ぐな通りの突き当たりに・・・・・・
やはりガランとした駅前広場を有する「横田」。

ここも久留里同様、交換駅です。
改札付近から見る線路って何だか好きだなぁ〜。
朝夕は長い編成が走るためかホームもかなり長い。
ここでも列車は離合して行きました。

この辺まで来ると、なぜか線路周辺には大きな一眼レフを提げた鉄ヲタが目立ち始めました。
ひぇぇぇ〜!!

川っぺりに恐ろしい数の鉄チャンが群れています。はまんなよ〜。
彼等を尻目に「東清川」到着。

ホームの柵がなければ駅とは分かりません。
どうにも殺風景だな・・・・・・棒一本系、とでも名づけましょう。
一体、一日何人の乗降客があるんでしょう?
でもってホームだけは妙に長い。
どだい、駅入り口を示す看板からしてこの体たらくですから。
周囲にずいぶん民家が目立ってきますが、ここも長いホームがあるだけの「上総清川」に到着。

家と家の間の路地みたいなところから入るとあります。
落書きだらけの駅名票。

ホント、日本の高校生の8割は中卒でももったいないようなクズばっかですな(笑)。
遠くでヒョロヒョロしたタイフォンの音が聞こえたと思うと、機関車の引っ張る臨時列車がやって来ました。

鉄ヲタ連中が目当てにしてたのはこれだったのです。
・・・・・・呆気なく眼前を通り過ぎて行きました。良くこんなんのためだけに何時間も辛抱強く粘れるもんです。

後半は鉄道以外にも注目して取り上げて行きます。

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