「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2009 筑波

初冬のある日、以前からなかなかコースに組み込めなかった筑波山界隈の温泉を訪ねてみることにしました。

旧・真壁町のはずれにある一軒宿の鉱泉・伝正寺温泉「桜井館」をまず訪ねます。
沈潜した渋い佇まいを見せる玄関の様子。
筑波といえば、これ!

蝦蟇ですよ、ガマ!ゲロゲーロ。
寒くて寒くて、何はともあれまず風呂へ。

まだ早く、他にお客さんもいないので女風呂の方に二人とも案内されました。
ムチャクチャ寒いので着ぶくれ状態。

ちょとカッコ悪(笑)。
さむさむさむさむ〜っ!!
ガ〜ッ!!熱湯やんか〜っ!
この辺、かなりアセッてます。

だって浴室内、ごっつ寒いねんもん!と大阪弁が出るくらいに冷え込んでるのです。
ようやく足くらいなら入れることのできる温度になりました。
今度は寒さではなく熱さに縮こまってます。

石造りの湯船は地元名産の真壁石を使ってあります。
ようやく暖まりました。

石の名産地らしく、湯口の脇にもちょっとした石の置物が。
ん!?

よく見ると灯篭の前になぜかフィギュア。
湯は鉄泉系とは思えないほどに無色透明。
浴室全景。

実はもうこの辺で湯気で室内は真っ白、オマケに少々薄暗く、手持ちの1/20秒とかでシャッター切ってます。
それにしてもすごい湯気やね〜。
脱衣場方向を望む。
洗い場の湯も全て鉱泉水でした。
腰掛ける部分だけが細かなタイル貼りになっています。

これも最近では貴重なものの一つ。
座る方向が逆ですがな・・・・・・(笑)。
そろそろ上がることにしましょう。
さすがちゃんとした旅館、風呂の蓋も檜でした。
入る時はあんなに寒かったのに、とても暖まりました。
あちこちに竹があしらわれているのがいい感じ。
なぜか「浴室内は禁煙です」と大きく張り紙がありました。

不心得者がいたのでしょう。
あまりにすごい湯気でチャンと写らなかったので、蓋して湯気のなくなったところで改めて撮影。
入ってるときは気づきませんでしたが、白壁ではなくブロック積みですね。
撮り忘れましたが、右下の青い石鹸置きがカメの形のユーモラスなものでした。

入り口のガラスにも禁煙シールが貼られてあります。
・・・・・・まだ!?もう寒なってきてんけど、とか言ってます。
廊下側の外は広い庭になっています。
落ち葉に埋もれて石灯籠や置物が点在。

こういう庭はちょっと荒れ気味くらいの方が風情があるように感じます。
こんなところにも石の置物が。
一面にポスターの貼られた階段を上がって、フロントに戻ることにします。

旅館はV字型に広がる変わったレイアウトでした。
入り口付近の廊下に飾られたひじょうに古い温泉分析書。
菰樽は地元の日本酒だそうです。
多分人手が足りないのでしょう、フロントの反対側は何だかちょっと物置状態。

立て掛けてあるのは映画のポスター。値段がついてました(笑)。
湯上りにお茶を出してくださいました。
やはり茨城県。

玄関の土間には大量のサツマイモ。後ろのダンボールはなぜかシマノの自転車パーツの箱。
玄関をバックに。

まるで夜のよう。
氷雨が強くなる中、旅館全景。

次は泊まりたいと思わせるいい佇まいの宿でした。
冷たい雨に霞む雨引観音山門・・・・・・ダジャレみたい。
想像してたよりも遥かに立派なお寺です。
素晴らしく紅葉した境内の楓。
有名な多宝塔の前にて。

丸く写るのはもちろんオーブではありません(笑)。
一番驚いたのはこれ!

降りしきる雨の中ピクリとも動かないので最初は置物かと思いました。
バカ殿みたいな孔雀もいるし、
カルガモもいる。

みんな恐ろしく艶々と毛並みがいい。餌をねだるアヒルに噛まれました。
せっかくなので御守の一つも買ってみることにしました。
本堂と多宝塔。

参詣客の姿はほとんどありません。
ここまで見事だと何か山奥まで紅葉見に行くのもなぁ〜、って気分になります。
年末年始等はものすごく賑わうのでしょう。
「宿椎」って名前の大木。
幼稚園とか小学校まで書き込んでありました。

それだけ名所旧蹟に乏しいのでしょう。
お腹が空いたので次に向かう前にお昼にします。
あまり何も考えずに立ち寄ったのは岩瀬駅近くの蕎麦屋。
頼んだのは茨城名物「けんちん蕎麦」。

本来はもりをけんちん汁につけて食べる蕎麦ですが、あまりに寒いので汁蕎麦にしました。
見た目はまるで巨大豚汁(笑)。本来は反則とも言える取り合わせですが、これが妙にハマる美味さ。

ちなみに偶然入ったこのお店、かなりの有名店でした。
石屋だらけの国道50号線を笠間に抜け、やってきたのは茨城の珍湯として有名な「ぶんぶくの湯」。
いや、ま、単なる少々ボロい日帰り温泉っちゃそれまでなんですが・・・・・・。
何と言いますか、ここは脱力観光物件に近いオーラが漂っています。
そんなに古い施設ではないのに不思議に古めかしい脱衣場。
鉱泉宿と同じノリを感じる調度類。
浴室全景。

ふやけて黒ずんだ木の蓋の並ぶ湯船は「日帰り温泉施設」に抱くイメージを覆すもの。
アルカリ性の柔らかなお湯でした。
なお、ここは別浴。

男湯は誰もいませんでしたが、女湯は年寄りで一杯だったそうです。
廊下の奥では色々な土産物が売られています。

リンゴとタマネギを買いました。
・・・・・・で、こっからが問題の食堂を兼ねた休憩室の大広間
あっちこっちで横になって眠るオッサン達。
そんな何杯も食えませんがな・・・・・・気分悪なりまっせ。
背後にも眠るオッサン!

そしてこの部屋は異常に足臭い!!男臭いのならともかく足臭い(笑)。
堪らず退散します。
まぁ、お世辞にも秘湯とは呼べませんが、この一種形容しがたい雰囲気は是非実際に訪れて訪問して欲しいものです。

あるいはこれは湯治場が持っていた原初の雰囲気ともいえます。
一日一組なら宿泊もできるようです。

泊まりは隣のここ!?
こいつらの生んだ玉子が出されるのでしょうか?

でも奥にいるのは烏骨鶏では・・・・・・?
建物裏には巨大なステンレス浴槽が放置してありました。

まさか露天風呂、ってことはないと思いますが。
問題の大広間を外から見たところ。

この大真面目に施設やってんだけど、なんとも工事現場のように雑然とした感じは往年の猫鼻温泉を思い出しました。

ちなみにここ、公式ホームページが存在します。女将のブログとかかなり面白い。
笠間に来た以上はやはりここは外せません。
茨城一の初詣客を誇る笠間稲荷です。

ウソかマコトか日本三大稲荷の一つとも言われます。
神具屋とかが並ぶ自称「仲見世通り」を抜けると・・・・・・
巨大な拝殿がありました。
もちろん狛犬ではなくお稲荷さんの眷属である狐です。
信徒会館も巨大で、確かに年末年始はものすごく混みそうな雰囲気。

ただし今日はほとんど人の姿はありません。
一番ちっこいのを500円で買ったら、2個ペアでした。

そりゃそうですね。
門前町は落ち着いた風景が広がっています。
ものすごく渋い雰囲気の旅館。

いかにもな木造の和風旅館より、こういうモルタルの宿の方が今は珍しいかもしれません。
周りからすると異様に小さい店があって何だ?と覗くと・・・・・・
これが何と肉屋。

思わず自家製500円也の餃子を買ってしまいました。
さらには「バターまんじゅう」という、変り種を発見。
ついついこれも購入。
日帰りの、それも終日氷雨のそぼ降る中での小旅行でしたが、かなり楽しめました。
これがその餃子。

包み方が半月型になってるのが面白い。味の方も上々。焼売も買えば良かった。
これは子供たちに大好評でした。

要は餡とかクリームの入ったカステラ饅頭ですね。
我が家の必需品、七味も買いました。

その他の土産物の紹介はまた、ページを改めて行います。今回は季節・天候のせいでイマイチでした。お粗末さまです。

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