「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2009 常陸(二日目)

翌朝、部屋より母屋方向を眺める。

左右に離れが点在していることが分かります。
眠りこける下の子。
早目の朝食をお願いしてたので、いきなり食事・・・・・・ホームドラマみたいやな(笑)。

まだみんな半分寝てます。
簡素な朝食。水戸が近いので納豆は欠かせませんね。

昨夜に引き続きチョー美味い漬物沢山。
いずれは茹でられる運命のモズクガニが、母屋前の生け簀に放してありました。
白山荘、実に素晴らしい宿でした。
昨日のコースに戻るようにしてから久慈川沿いに北上し、県境を越えてやってきたのがここ、滝ノ沢鉱泉。
細い道の突き当り、連休の喧騒が嘘のようにひっそりと、小さな二軒の宿が並んでいます。
入らせてもらったのは上流側の上の湯旅館。
何か、家の風呂にでも入るような雰囲気の脱衣場。
行動迅速はいつものパターン。
浴室は男女別になっていましたが、片方には湯を入れてないようで一緒にどうぞ、と言われました。
多分、女湯の方だと思います。
見ての通り、かなり小さな浴室。

最近建て替えたらしく、古ぼけた鉱泉の雰囲気ではありません。
鉱泉巡りで困るのは浴室が狭いのが普通で、写真のアングルがあまりないってことですな。
湯はごく一般的な淡黄色でした。
湯船も端っこの方はこんなに狭い。

湯船の形が変わってるので、フタはチャンと順番通りに閉めねばなりません。
別に何の特徴があるワケでもないのに、不思議と落ち着ける静かな雰囲気が漂っています。
そろそろ上がることにしましょう。
何だか朝からしみじみできました。
入口をバックに。
それにしてもいつまで撮ってんのん?今日は急ぐとかゆうてたんとちゃうん?と言ってるところ。
男湯の方の様子。

若干ですが広くなっています。
応接間では鋳物のストーヴが燃えていました。

風呂上がりにはちょっと暑いかも。
里芋を剥いてた女将が手を休めて、梅干しとお茶を出してくださいました。
ちなみにこちらが「元湯」、もう一軒は「元祖」を名乗っています。

温泉饅頭みたい(笑)。
名前の由来ともなった旅館奥の小さな滝と、その横の源泉槽。
大子の町まで下り、西に入った所にある山田塩ノ沢鉱泉に到着。

いかにもの風格を漂わせる建物ですが、何だか様子がおかしい。
ウガッ!勿体ないことに廃墟になっちゃってました!
典型的な湯治場の建物の形をしています。
ただ、となりに新しく建った家があり、ひょっとしたら今でもそちらで営業してるのかも知れません・・・・・・が、あいにく留守。

家の中ではスピッツが吠えまくってました。

竹を曲げて作ったタモ網のようなモノがたくさん干されてあります。
元の建物内部はこの通りの惨状。根太が腐って床が抜けてるところもあります。

こぉゆうところには必ずと言っていいほど、埃まみれになったエレキがあります(笑)。
実に惜しい。

これを再生したら超レトロな鉱泉宿としてそれなりに人気出るだろうに。
最後に緑の中に埋もれるかのような建物全景を。

右が新しい家。
さて、奥久慈は実は蕎麦の名所で随分たくさんのお店があります。

目当てにしてた店がどうしても見つからず、袋田の滝近くのここに入ることにしました。
ここも有名なのでしょう。

店構えは素っ気ないのですが、中はお客さん一杯。
いや、実に美味かった!!

あまりにお客さん一杯でたくさん写真が撮れませんでした。
さらにひた走って相川鉱泉に到着。

実はここ、10年ほど前に一度訪れたのですが、その時は時間が遅くて入れなかったのです。
その時は年老いた女将が申し訳ながって、子供たちにカブトムシのつがいを下さったような・・・・・・。
それにしても人の気配が無い・・・・・・。
留守なのかと思って電話入れてみたら、「この電話番号は只今使われておりません」と来たもんだ・・・・・・ガーン!廃業してるやんか!
2タテで滑ったのでいささか意気消沈しながら到着したのが、常磐線・内原駅近くの一軒宿・内原鉱泉「源泉荘」。元は三湯鉱泉と名乗っていたようです。

すぐ裏を線路が通っています。
ひじょうに綺麗に刈り込まれた庭が印象的な旅館全景。

池を中心にV字型に建物が並ぶ、かなり大きな旅館です。
完全に背が逆転しましたね。

下の子はちょっとクルマに酔ってパス。
古い佇まいなものの、しっかり手入れされた印象の旧館前にて。
古くても大切に手直ししながら使えば、こんなにも重厚な雰囲気が醸し出せる好例と言えましょう。
格子の桟が繊細な印象の廊下。
明かり取りの窓も風流に作ってあります。
離れにある浴室。

男女別になっており、男湯の脱衣場はメチャクチャ広いのが特徴。
何と冷蔵庫まであったりする。
ほれ、この通り。

中見たらスーパーの袋に詰められて缶ビールが入ってました。

湯治場として今でも賑わってる証拠でしょう。
風呂は「龍紋岩風呂」となってます。
看板ほどには何にもない浴室内部。

湯船の岩がそうなんでしょうか?
こちらは女湯。

頼めば貸切にもなるようです。
作りはまったく同じですがかなり狭い。
・・・・・・熱めとはいえ、ここまでクリアしてきた多くのツワモノからするとまだ入れる温度。
女湯の方は目隠しの柵があるのが分かります。

男湯はいきなり外の庭が見えました。
風呂自体にレトロ感はありませんが、庭や建物同様とても清潔で気分の良いものです。
浴室入口前で。
部屋の方もこざっぱりしています。
感心したのが廊下の窓ガラスが古い手延べガラスだったこと。

これは相当古いものがそのまま今に残っている証拠です。
観光旅館が民芸品を飾ってるとあざとさが鼻につきますが、このような古い旅館だとセンス良く思えるのが不思議。
それにしても隅々までピシッと気持ちが行き届いてるなぁ〜。
なおかつここの凄い所はその料金の恐るべき安さ。

何と1泊2食6,300円也!!
池の中の島にある温泉神社。

恐らくは源泉もここから湧いてるのではないでしょうか。
鉱泉宿と言えば寂れた所が多い中、ひっきりなしに予約の電話が鳴っているのも頷ける素敵な宿でした。
水戸市内から南下し、涸沼近くの荒れ果てた丘陵地帯のダートをゴトゴトを行くと・・・・・・
今回最後の予定地、湯小屋鉱泉が忽然と現れます。
何とも謎めいたシチュエーションです。
源泉は建物奥の小さな池らしい。

この辺には小さな沼沢地が点在しています。
字の並べ方が可愛い看板を前に。
上がるとすぐ目の前は宴会場。

使われているのでしょうか。
色々謎めいた雰囲気がある中で、最大の謎は入浴客で館内がえらくごった返してたこと。

奇跡的に誰もいなくなったところで撮影。
田舎の共同浴場のような雰囲気の浴室内部。
お!ここにもライオンが!
・・・・・・どうもセルフは面白くも何ともねぇな。
浴室から宿泊棟への廊下は何とも言えない傾き具合。
女湯の方は15人くらい人がいたとのコト。
たしかに下駄箱にも靴が一杯。
浴室外観。

おそらくは涸沼に大きなキャンプ場があるので、そこから浴客がたくさん来ていたものと思われます。
しかし、送迎用のバスも立派なのを2台も保有してたりして、かなり繁盛しているのでしょう。
あんな道を送迎するのかよ!と思ったらもう一本道があって、そっちは割とフツーでした。

温泉巡りにはやはりアプローチも大切なんだと改めて再認識。
土産を買うのを忘れてたので友部SAに立ち寄り。
高速道路は大渋滞。

これだけ混んでても、渋滞情報には上がってなかったりするのがひどい。
・・・・・・ってなワケで、最後は買った土産物で旅のレポートを終えることにします。

これはかなり美味い!「吉原殿中」
安さが魅力の「なっとう味スナック」。

要はうまい棒ですね。
こっちはからしマヨネーズ味。
・・・・・・納豆ばっかしやんか(笑)。

さてさて、およそ1年ぶりの温泉行、これまで同様もっぱら地味なところばかりを集中的に回りましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。
----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
Copyright(C) REWSPROV All Rights Reserved