「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2008 新潟(初日 前半)

春爛漫、というにはまだちょっと早いのですが、新潟に出かけてみることにしました。

長岡市街を少し離れたところ、低い山裾に抱かれるようにある長岡温泉「湯元館」に到着。
お客さんが出てった後の朝の館内は静まり返っています。
ロビーを玄関側から望む。
逆に奥から見たところ。
誰もいなさそうなので、みんなで入っていいですか?と訊いてみたら、どちらでもお好きな方にどうぞ、と言われました。
そんなワケで、広い男湯の方に入らせてもらうことにします。
脱衣場は真新しいですが、浴室自体は細かいタイル張りの古いものです。
浴室全景。

中央部に小判型の湯船が一つ。左に見える脚立のようなのは年寄り向けの手すりです。
窓の外には早春の光が溢れています。
大きな池があったりして、この旅館がかなり昔からあることが分かります。
明らかに後からつけ足されたと思われるタイル絵。

裏側は女湯への通路になっています。おそらく昔は浴室は現在の男湯だけで、脱衣場だけが男女別に分かれた混浴だったのでしょう。
暗い写真が多いのは、この季節で湯気がすごくストロボがあまり焚けないためです。
秋の終わりから春にかけてはホント、内湯の写真は撮りにくい。
上がってるとちょと寒いので再び浴槽に。

お湯は若干単黄色のサラッとした泉質です。
思えば家族での温泉行は昨夏の信州以来ですね。
みんな大きくなってきて塾やクラブで忙しく、時間が合わせにくくなりました。
あ〜、エエ湯やな〜、と。
ダイエット、してるはずなんですが・・・・・・。

しかし、タイル絵の山が富士山ぢゃないのは珍しいかも。
ちなみに、補正しないと湯気が少ない時でもこれくらい白く曇って写ります。
ただ、春のちょっと肌寒い時期の温泉の内湯って、何か森閑とした雰囲気があっていいんですよ。
とはいえ補正を強く書けると画面が荒れるし、写真は難しい。
朝一発目がアタリだと、何だかその日一日がちょっと得した気分になれます。
そろそろ上がることにしましょう。

このように旅館の正面側に浴室があるのって珍しいレイアウトです。
効能書きはごくシンプルなもの。
いや〜、暖まった〜、とか言ってる。
面白いのは横の張り紙で、次のように書かれています。

「学生さんにお願い、バスタオルを浴槽に持ち込まないで下さい」

・・・・・・???何で「学生さん」なんでしょう?
基本はやはりチョキ!(笑)。
下から脱いで、上から着るのは寒いからなんだそうです。
入口の新しさからして、改装されたのはつい最近のように見えます。
左側のガランとしたスペースは、卓球場だとのことでした。
あ、「おかげさま」って書いてあるんですね〜。
雪国らしく、玄関の車寄せはゲタ履きになった2階の下という変わった位置にあります。
和洋折衷でレトロモダンな印象さえある浴室外観。

浴室の上に客室がこのように乗っかってるのはあまり見たことのない作りです。
前の池には・・・・・・
ウジャウジャと錦鯉がいました。

新潟の名産品の一つです。
別棟につながる中2階の廊下は、新建材で内部が囲われちゃってます。
予想以上に良い雰囲気の温泉でした。
続いて北上して荷頃鉱泉や大野鉱泉に入ろうとしましたが、どちらも湯が入っていないということでアウト。

鉱泉はこれがあるのが困りモノ。
見附市の狭い山道の突き当たりにある一軒宿、名木野鉱泉にやってきました。

向かう道の途中には錦鯉を養殖する池がたくさんあります。
谷間には残雪がいっぱい。
座敷には昼間からメートル上げてる地元の人がいっぱい(笑)。

「こんなトコよく調べてきたなぁ〜!」と盛大に歓迎されました。
まず向かったのは建物奥の混浴の露天風呂。
ガーン!湯、あれへんがな!

露天風呂は冬場はやってないのだそうです。
・・・・・・はい。

下に貼られてあるのは古い紹介記事の切り抜き。
ここも一緒にどうぞどうぞと言われました。

我が家の風呂と大差ない、狭い脱衣場にて準備完了。
まだ新しい雰囲気の山小屋風な浴室。

湯船はせいぜい4人も入ればいっぱいくらいです。
ここは黒湯というほどではありませんが、かなり強い褐色の湯でツルツルしています。
窓の外は・・・・・・
お!ここも離れにつながる中2階の廊下がある。

これって温泉宿らしくていいですね。
全身からモラモラ湯気が上がってるのに意外にチャンと撮れました。
ちなみにかなり強い硫黄臭がするので、ヨードを大量に含むいわゆる黒湯とは違うと思います。
ここもアタリで上機嫌。
湯船より入口方向を望む。
少々のぼせました。
本人曰く、「毎年この時期はいっちゃん太る」んだそうです。
そんなことゆうたらおれどないなんねんな、と。
最後も一度暖まって、出ることにしましょう。
それにしても狭い(笑)。
なぜか椅子に乗ったままの下の子。

烏の行水なアニキはとっくに上がってしまってます。
何のかんので家族で一番遅い。
効能書きと紹介記事が壁のあちこちに貼られています。
これも効能書き。

建て替える前からのものと思われますが、残念ながら字がほとんど消えてしまっています。
残りの皆さんは女の湯の方に行きました。

鋳物のストーヴと囲炉裏のおかげで温室のようにムンムン暑い座敷。
廊下の片隅には祠。

通常戸外に作られることが多いのですが、雪国ゆえか建物内にあります。

下の甕には源泉が注がれており、見ると白い糸状の湯の花で一杯でした。
その祠から奥の台所を望む。

泊まってみたい気にさせるところですが、今は宿泊はやっていないようです。
雪割草だそうです。

ちなみに新潟の県花がチューリップってことも教わりました。
食道兼休憩室。

女将さんが気を遣って暖房入れてくれてました。
こぉゆう小さな鉱泉場で、日がな一日出たり入ったりしてたらノンビリできそう。
ここでお昼にしても良かったのですが、ニジマスも岩魚もないとのことでパス。
最後に親切な女将さんといっしょに。
こうした田舎の草深い湯治場が活気に満ちて残ってるのは、実に喜ばしいことだと思います。
見附市内の商店街でお昼にしよう、となりました。
お〜!サンプルが超シブい!

中段右端なんて「フルーツポンチ」ですよ!
和洋中何でもアリ。
基本的に洋食メニューがひじょうに充実してます。
上の子はチキンカツ。

ソースとかかなり手の込んだものでした。
カレー大好きな下の子はカツカレー。
ヨメは天ぷらそば。
んでもって私は合わせ弁当、ってざるそばのセット。

何ちゅうか、こぉゆう店に入ると、画一化されたファミレスばっか増えちゃ絶対ダメだって気になります。
路地の奥に見える真っ赤な鳥居。

何てことないこんな風景を見ると気分が和みます。
ちょっとおもしろそうなお菓子屋発見。
どうやら自家製アイスが名物みたいですね。
どれも独特の絵心の感じられる看板です。

ときにうばたま、って何でしょうね?あのトリップできるサボテン?(笑)。どら焼が仏事向け、というのも初めて知りました。
アイスはどれも200円ほどでとても美味しかったです。

地方で地道だけど誠実に頑張ってるこういったお店って好きだなぁ〜。覚えておこう、っと、見附の「谷信」。
それにしても通りには道行く人の姿もなく、商店街には活気がありません。

大型量販店の進出、人口の減少、モータリゼーションの発展・・・・・・日本全国の商店街が今、どこも同じような危機に瀕しています。

午後はさらに北に向かいます。
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