「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2007 千葉(初日)

2月、前回の鹿島鉄道と同じコンセプトで房総の小湊鉄道に行ってみました。

・・・・・・って別に廃線になるわけぢゃありませんが。
ガランとしたホームには2両のディーゼルが停まっています。

最初にお断りしておくと、今編は前回に増して鉄道に興味のない人にはまったく面白くないと思います。
今時珍しい琺瑯のサボ(行先案内板)。
五井は湾岸のベッドタウンとして今はかなり開けています。
しっかしこの鉄道、同じ形のディーゼルばっかなんがちょと単調ですな。
車庫の周りには本社の社屋や、ペンキ塗りたくりのお社。
古風な車庫。

ユーモラスな形の左のとんがり屋根は焼却炉のようです。
倉庫代わりの古い貨車。

ここから駅を離れて歩き始めます。
何ちゅうか架線のないのは、空が広く景色がスッキリしてい〜っすね。
さて、この鉄道、車両も全部同じなら駅も統一規格みたいによく似てるのが特徴で、どれがどれやら分かりにくい。

なもんで駅名標を先頭に持ってきながら道行きを紹介していきましょう。

五井を出て最初の駅、上総村上に到着。
駅前の微妙な高低差がリアル感ありますね。
駅舎。

いやもうほとんど小屋です。
思えばこんな踏切も最近みたことなかったなぁ〜。

そぉいや昔は「きしゃにちうい」、っちゅうのもあった気が。
・・・・・・ってなうちに難読駅「海士有木」に到着。
線路と直角にトロのレールが延ばされた倉庫。

奥は詰所でしょう。
この駅はいろんな小物も含めて施設が現存し、好ましい雰囲気があります。

突っかい棒のある貨物上屋と、その横に伸びた木もいい感じ。
差し掛けの飾りも含めてホント、ほとんどの駅舎は同じ形しています。
暖冬のせいで梅がもう満開。
上総三又。
だだっ広い駅前広場が特徴的。
比較的最近建て替えられたらしい山小屋風の駅舎。
意外に駅間距離が長く、ペースを上げて上総山田到着。
こうして見るとケッコー近代的。
後から見るとどれがどの駅か分からんがな(笑)。

暑くて暑くて、思わず缶ビールを飲んでしまいました。
そうこうする内に唯一の近代的な駅、光風台に到着。
資金難なのか何なのか、細かいディティールが二味くらい足りない印象。
駅入口でうずくまってのんびりポイントに油を差す保線夫を横目に見ながら
馬立到着・・・・・・いい加減疲れてきました。
ホンマ、寄棟・コの字型の差し掛け・左側に張り出した物置、のスタイルはどこも共通。
駅だけでなく、その周囲にも古い情景が見られるのは和みますな。
5km近く歩いてウンザリした頃、ようやく沿線最大の中間駅・・・・・・
・・・・・・上総牛久に到着。駅周辺はかなり大きな町になっています。

やはり同じ形。
駅員さんがいるので駅名標は遠望で。
入札鋏が今でも現役。

列車の大半はこの駅止まりで、ここから先は数えるほどしか走っていません。
急に風景が山がちになってきた中、上総川間に到着。
まるで小屋な駅舎。
しかし、ここに駅を置く必要があるんかいな、っちゅうくらい周囲には家がない。
線路は養老渓谷方面ではなく、いったんR279に沿って進み、
ここ上総鶴舞から大きく方角を変えます。

それにしても寂れ具合が尋常ぢゃない駅やな。
「関東の駅100選」に選ばれたそうですが、こうまで形が同じだと、どこの駅でも良かったんちゃうんかて思いますな。
ここにも線路と直角に延びるトロの線路と物置小屋が。

これもまた小湊スタイルなんでしょう。
暖冬異変で土筆があちこちに生えていました。
上総久保。
ここもかなりの秘境駅です。

ちなみに交換設備を持たない初めから無人駅だったところは、待合室の形は青く塗られた片流れの小屋で統一されています。
ダム近くの高滝に到着。

周囲は釣りやボート遊びの観光スポットとしてけっこう賑わっています。
・・・・・・が、駅は忘れ去られたように通りから入ったところに悄然と残る。

これまた同じ形、いささか飽きてきました。
猫がわらわらと近寄ってきました。

ゲンキンな連中で、餌やると図々しく膝の上に乗る。
里見に到着。
駅は道路からちょっと高台になったところにあって分かりにくい。

ここも駅舎は統一様式。
「とまれみよ」の看板も懐かしい。
割と最近までここで列車交換が行われていたようですが、欠き取りのあるホームも今は使われていません。

里見から先、道はますます山に分け入って行きます。
薄暗くなりかけた中、もっとも難読の飯給に到着。
ほとんど自然の中に同化した駅の全景。

しかし不思議なことに、この駅も含め全ての駅に隣接して電話ボックスがありました。でも1日どころか1年に何人使うのか??
暗くなってきたのでここから最終列車で上総中野に向かうことにします。
あ〜、そぉいや昔のディーゼルはドアの裾にも窓があったなぁ。
20分ほどで終点に到着。ちなみにここまで来る列車は1日僅か5本。

驚くほど何にもない町です。
そんな何もないところでいすみ鉄道と接続。ここって日本一寂しい接続駅ではないでしょうか。

手持ちでブレたのが却っていい雰囲気になりました。
新しく建て直された駅舎の天井には、以前のものから引き継いだらしい名所案内図。
その下で夕食。いつものマカロニ+ミートソースでチャチャッと完了。

今回は久しぶりにガスストーヴにしてみました。
標高の低い房総半島とはいえ、かなり冷え込んでいます。
結局寒くて寒くて、夜中に何度も目が覚めました。シュラフの中に突っ込むホッカイロを忘れたのがいけませんでした。ペットボトル湯たんぽでも作ればよかったかも。

明日は逆に上総中野から下って行きます。
----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
Copyright(C) REWSPROV All Rights Reserved