「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
現代の泥棒市・・・・・・E・コマース


このロゴを見ない日って無いんちゃうかな?

 ハハ、タイトルでもぉ言いたいことはほぼ言い尽くしちゃってるんかも知れない。いやそれくらいにE・コマースと呼ばれる世界はグチャグチャで、混乱の極みなヒドい状況になってるような気がする。

 そもそもE・コマースって何だ!?っちゅうと定義としては「インターネットなどのネットワークを介して契約や決済などを行う取引形態のことで、インターネットで物を売買することの総称」らしい。日本語で言うと「電子商取引」ってなる。そんなんだから最近流行りの電子マネーや昔からのクレジットカードによる店頭での支払いなんかも広義には含まれる。実際ここも百鬼夜行なトコはあるが、あまり風呂敷拡げてはそれでなくてもいつもだらしなく拡がりがちな論旨がさらに回収不能になってしまうんで、今回はアマゾンやら楽天に代表される「インターネット通販」に絞って与太バナシを進めたい。

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 いやいやもちろん、おれだってE・C(・・・・・・って、昔は「E・C」っちゅうたらエリック・クラプトンのことやったのにねぇ)はそこそこ利用してる。本とか一般的なモノ買うのはアマゾンが多く、ごく稀に楽天、旅の予約だとほぼほぼじゃらんで、たまにYahooトラベル・・・・・・何でそんなになったかっちゅうたら、要は使いやすさと希望するモノがどんだけ見付けやすいかでそうなってるだけで、あまり深い意味や拘りはない。しっかし本なんて実店舗で探すより手っ取り早いんで、今ぢゃスッカリほぼアマゾンになってしまった。

 ちなみに宿に関しては未だに宿屋に直電掛ける、なんちゅうレトロなこともやったりする。マイナーなトコでこれらのポータルに登録してないトコはまだまだあるからね。楽器関係では音家、ことサウンドハウスが多い。デジマートは中古品探すときにはよく使ってるかも知れない。あと、意外にヨドバシドットコムは良い。ぶっちゃけ楽天なんかより遥かに洗練されてるし、価格も中身も正直な印象だ。ハードオフの通販サイトで遠方にある中古品買ったこともあれば、メルカリなんかも使う。
 ・・・・・・何を言いたいんかっちゅうと、おれもそれなりにその恩恵を享受してるのは紛れもなく事実だってコトだ。だからディスり倒して終わりってワケではない。

 しかし、やはり怪しいのが多過ぎる。油断もスキもないったらありゃしない。ホンマ疲れるしストレスだ。特にアマゾンなんてもぉ得体の知れん中華製の怪しいのんだらけですやんか。ゴミだらけの海で魚獲るようなモンでっせ。全然サイト運営側がチェックしてないってのが丸分かり・・・・・・っちゅうか、余りに巨大化し過ぎてていくらAIとかの助けを借りてもチェックしきれないんだろう。スーパーだったら基本中の基本と言える死にスジや不良・不正な商品の排除をやってないんだからそらそうなるわな。

 そんな中、ひじょうに注目すべき記事がある。「ロケットニュース」の「Amazon低評価検証」ってシリーズだ。最近は派生系で「SHEIN検証」ってシリーズも始まった。以前も書いたかと思うけど、星の数ほどある小ネタサイトの中でこの「ロケット・ニュース」だけは気骨っちゅうか、何か一本スジが通ってる気がしてておれはケッコー贔屓にしてる(・・・・・・もちろん、ダメなライターもいるけどね)。
 アイデアとしては実に単純で、要は極端にユーザー評価の低い商品や粗悪なモロパク商品を敢えて購入して・・・・・・つまり「ワザと地雷踏む人柱」になってみて、それを笑い飛ばすってな内容だ。こぉゆうのは凝ってちゃダメで、ネタとして長続きさせるにはこれくらいシンプルなのが良い。
 たまに笑って許せる商品のあるんがまだ救いだが、いやもぉホンマに大半は資源のムダ遣い以外の何物でもないようなヒドいのんばっかしだ。知財とか品質とか多分、彼等には100年経っても理解できん概念だろう、っちゅう気がする・・・・・・「彼等」が誰とはここで今さら言及する気もないけどさ。日本だって50年前くらいは似たような状況だったんは事実だけどさ。

 アマゾンは今更ながらヒドい商品の整理と排除に乗り出したそうだが、その数600万点以上に及ぶという。まぁ、蛇の道は蛇、それでも網をかいくぐってこれからも怪しいのは次から次に紛れ込んで来るだろう。
 実のところ、E・Cが実現しえたのはまだ「ネットで品物選んで決済する」ってトコまでに過ぎず、早く確実に届けるのは外部に丸投げ、届ける商品自体のクオリティについてはベンダーとユーザー任せで全然だったんだ、っちゅうんが良く分かるわ。

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 言うまでもなくここを舞台にした犯罪も多い。数限りなくある。天国のイメージがワンパターンかつ退屈で地獄のイメージが呆れるほどに豊穣であるように、悪の手口は恐ろしく間口も奥行きも広いのだ。

 よくあるのが荷物の不在通知で、必ずショートメールで入って来る。不思議なコトに、何も買ってない時には来ないから、どこかで発注情報がリークしてるとしか思えない。それでウッカリ示されたリンク先に飛んで、それらしく作られた偽サイトにあれこれ書き込もうもんならハイお仕舞い♪・・・・・・っちゅう流れだけど、今時こんなんに引っ掛かるのはそうはおらんだろうな。それでも飽きもせずやって来るから、それなりにシステムの自動化対応がされてるんやろうな。
 似たようなのではメールやLINEで何かのお誘いがあって、っちゅうのもあるけど、おれはメールは良く知ってるトコだけ、LINEはそもそも極めて限定的に家族間とかでしか使わないんであんまし影響はない。

 あと、何かレアな中古情報を探してると偽サイトなんてもぉウジャウジャ出て来る。この前、グレコのMR探した時も、その前にVOXのリルナイトやAC4TV8(豆腐)探した時なんかも、検索エンジンに引っ掛かるのは偽サイトの方がむしろどころか断然多かった。まぁ、これもアドレスが露骨に胡乱なんで引っ掛かることは考えられないが、ヒドいのになると実在する質屋のサイトデザインをそのままパクッてたり(だから住所や電話番号なんかはそのまま)するんでタチが悪いっちゃ悪い。
 しっかしヤツ等にも一抹の良心の呵責があるのか、70%OFFとか値付けがありえないような安値なんで、フツーの人なら疑う。ここを敢えて相場の9割くらいにしてリアルさを演出するようなトコが出てきたら、ナカナカ社会全体で防ぐのは難しいかも知れない。

 要するに何かのメールにURLが記載されててそっからジャンプして行ったら、まぁ大抵ヤバいってカンジだ。ホンマに生き馬の目を抜くような世界やね。

 最近は家の前に置き配になってたんがパクられる、なんてことも増えて来てるようだ。でもどこも箱がアホみたいにデカくて中身スカスカだったりするから、盗る方も骨折り損のくたびれ儲けみたいになってたりするようだが・・・・・・ハナシは逸れるけど、何であの段ボールってあそこまでムダにデカいのかねぇ?マジで資源のムダ遣いやで。

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 かようにリスキーな世界にも拘らず、それでもこんなけ世の中に広まってってるのは、要するにベンリだからだ。PCでもスマホでも何でも、ポチッとやれば後はもぉどんなに遠くからでも玄関先まで宅配業者が届けてくれる。そうそう、20何年前に入居した時からマンション入口にはカード挿し込むとパタンと勝手にドアが開く宅配ボックスっちゅうのがあって、世事に疎いおれはこんなんどぉして使うんやろなぁ〜?って訝しんでたが、今ではキッチリ慣れてしまった。
 数千円まとめて買ったらそれでもぉ送料だって無料だ。不気味なスマイルマークの段ボールを台車に山積みにして配達員は日がなマンション内を駆けずり回ってる。タダだからって不在の再配達までヘーキでやらせてるフザけた家まで世の中には多いという。

 しかしそんな状況もそろそろ限界が近付きつつある。言わずと知れた2024年問題でただでさえ足りない長距離ドライバーはいよいよ足りなくなる。近隣のリテールの配送はこうしたドライバーではないみたいだけど、そこの部分も人手はやっぱり足りてない。ピッキングセンターの人材レベルの低下は極めて深刻だし、そもそもこんな仕事でやりがいとかモチベーションなんて求める方がアタマおかしいし。
 物流は例えば鉄道や船便輸送への大胆な回帰とか、集配所への原則引取りで自宅配送は別料金とか、よほどの策を打たない限り間違いなくパンクする。

 まぁ実に良いコトだと思う。もぉ個別配送なんて、自分から到底行けないくらい辺鄙な場所に暮らす年寄とかに限定しちゃって構わない。それこそマイナンバーカードと連携して、不要不急のモノを不要不急な連中が買うのについてはサービスレベルをバーンとデグレードしちゃえばエエんだわ。そしたら少しはみんな、モノを運んでもらえるありがたみにも気付けるだろう。

 繰り返す。

 E・Cが実現しえたのはまだ「ネットで品物選んで決済する」ってトコまでに過ぎず、早く確実に届けるのは外部に丸投げ、届ける商品自体のクオリティについてはベンダーとユーザー任せで全然だった。つまり面倒な部分は切り落とした美味しいトコ取りのビジネスモデルだったってコトだ。そうこうするうちに色んな歪みと捻れは溜まりに溜まって、あちこちで決壊しつつある。

 その後始末って、おれたちがやるんだろうか?E・C各社がやるんだろうか?・・・・・・ま、どっちもなんやろな。外資系は巧妙に逃げそうやけど。

2023.05.07

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