「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
ゆく年くる年、2022


当たり前のようにして都内のイルミネーションを見るのも今年で最後かな?

 また今年も暮れが迫って来た・・・・・・当たり前だなんだが。

 ボーッと振り返ってみると、今年は全てが俗に言う「ホップ・ステップ・ジャンプ」の「ステップ」に当たるような1年だった気がする。見事に何もしなかった。あれほど大好き、っちゅうか、日々の生活のサイクルの一部としてあって当然であった旅っちゅうのを今年はマトモにしなかった。別に次に向けての準備に忙殺されっぱなしだったとかそんなんではない。
 ぶっちゃけ無聊を持て余してボケ老人のように近所を徘徊・・・・・・もとい散歩したり、料理にこれまで以上にハマったり、小型チューブアンプ熱に火が点いて立て続けに買ったのは良いが、1台はアンプヘッドのみだったもんでエンクロージャーをネチネチ拵えたり、もぉ置き場所にも困るっちゅうのにまた新たにギターを1本買ったり等々、要は必ずしも手続きや事務的な作業にばかり没頭してたワケでもないのだ。

 思えばそれは自分なりのある種、精進潔斎的なモンだったように思う・・・・・・「断ち物」、っちゅうたらエエんかなぁ〜?いやもぉ全くもって理論的ではないって自分でも分かってんだけど、一旦ここで旅はストップさせにゃならん!みたいな、そんな気持ちになったのだ。夏前くらいだったかな?急にそんな風に思っちゃった。

 あぁ、そうだったそうだった。長引くコロナ禍の中で、気分がホンマに落ちちゃったってのがまず最初にあったんだった。

 コロナそのものは別に全然怖くない。罹る時は罹るんだし、罹ったところでそこまでの高確率で重症化もしなけりゃ死にもしない・・・・・・どころか普段のインフルエンザと較べても死亡率等、大きな差異はないってことはワリと初期の頃から分かってた。バカなマスコミと有識者とやらだけは変異株の恐怖をひたすら煽るけれど、実際、あらゆるウィルスは変異を繰り返しながら弱毒化して行くに決まってるのだ。事実世の中はそうなってるではないか。それなのに・・・・・・だ。
 心底幻滅し、ヤル気をなくしたのは、それで同調圧力に流されながら右往左往するブサイク極まりない日本の社会全体に対してだった。それで元々形質としてある現世憎悪的な面が大きくなってしまったのがあったんだった。

 ホンマ、年の初めにはもちょっとあれこれプランニングしてたこともあったんだけどね。被写体の年齢等、諸般の状況を勘案するとそんなノホホンと悠長に先延ばししてられんのにね。

 インプットがなくちゃアウトプットもないのは、身辺雑記から一話に盛り上げるスタイルなこのサイトとしては当然の帰結だろう。自分で言うのもアレだけど、そんなんでいつになく更新状況は低調だったし、例年になく楽器ネタに偏ってしまったりもした。楽器ネタなんて分からない人、興味のない人にはサッパリ面白くないし、昔ほどアナログな楽器やる人だって減ってる状況で、オマケに真空管がどぉとか昔の国産ギターがこぉとか語りつつ、そこまでカルトにマニアックでもない内容ではヤッパシ盛り上がらんわな。でもやはり楽器は止めれんなぁ〜。一生続けるやろな。
 唯一お世話になってた掲示板にも足が遠のいたままだ。いやいや、山のようにある旧作でお茶を濁すことはやろうと思えばナンボでもできたんだろうけど、それはなんだか浅ましいし、フェアぢゃない気がする。

 それでも何とか拙サイトに関しては概ね月4回程度の更新は維持できた・・・・・・っちゅうか、却ってそのためにダラダラと緊張感を欠いてしまった点が多々あるように思うんだけどね。スンマセン。

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 そんなこんなでお出掛けはほぼ皆無だった一方で、もちろん私事での変化はそれなりにあれこれあった。決して悪い年どころか、ありがたいことにむしろ良いコトの方がおれや近しい家族であるヨメ・子供には多かったと思う。これはもうひとえに散歩の途中で立ち寄る神社にマメに賽銭入れて拝んでた御利益かも知れない。世の中はロシアのウクライナ侵攻だとか安倍晋三・元首相の暗殺だとか、ニワカにきな臭くなって来てるっちゅうのにねぇ。

 ・・・・・・って、おれ以外の家族のことはまぁプライヴァシーっちゅうのんもあるから割愛するとして、やはり触れとかねばならないのは、関東から遥か離れた海沿いの町に家買って移るって決めたことだろう。
 移住先としては分不相応なまでに立派な物件がビックリするくらいの爆安価格、リフォーム代入れても元々の実家を手直しして住み続けるのとさして変わらない値段・・・・・・つまりはツーペイ+αで手に入れることが出来た。いや、別に事故物件とかオバケ出るとかそんなんとはちゃいまっせ。駄文に書いた通りのいささかトホホな理由があっただけだ。
 そらまぁなるほど数年前からあちこちの住宅系サイトを覗いては、あぁでもないこぉでもないとシンネリ思案して、我ながらそのネチッこさにいささか辟易してしまうほどに、実に数百件を地図上にプロットしながら慎重に比較検討してたのは事実で、決して勢いでGo!だけではなかった・・・・・・とは申せ、これまでまったく縁もゆかりもない土地の、それも少々くたびれた中古の家に千万単位の金を遣う決断を下すってのは、やはり客観的に見ても相当イカれた烏滸の沙汰であることは間違いなかろう。そうしていよいよハラは決まった。

 ホンネでは今すぐにでもこっちの生活を切り上げて、とっとと移り住みたい。セカンドライフなんかではさらさらない。ネクストステージだ・・・・・・と思いたい。
 ちなみに決して一般的にイメージされるような田舎暮らしではないんだな、これが。たしかに建屋は日本家屋の所作に則った古風な造りではあるものの古民家でもないし、ちょっと歩けば大きなスーパーあったり、今の駅までの所要時間とほぼ変わらないくらいで歩いて駅にも行ける。本数が今までの3分おきとかぢゃなくて繋がってる両数も少ないのと、将来的な廃線のリスクがあるだけだ。
 要するにそこまでカッ飛んで酔狂ではなく、意外に現実的な落としどころにしたぁる、っちゅうこっちゃね。だってヨメに不便を託させるワケには行きませんがな。別荘っちゅうんならともかく、誰が定住先に鳥も通わんような「ポツンと一軒家」選びますか?ってねぇ。

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 サイトについてどうしようかは、目下思案中だったりする・・・・・・ズッとゆうてんがな、おれ(笑)。

 もちろん続けることは続けるんだけど、やはり基本構造が古臭いのは如何ともしがたい。ぶっちゃけ軸足をもっと新しい基盤でリアルタイム性の強いモノに持って行けたらなぁ〜、って気持ちはある。例えばツイッターやインスタに代表されるSNSだったり、ようつべはちょっと何だかって思うトコもあるものの、まぁ一般的ではあるわな。Twitchなんかも面白そうだ。

 しかしこれらのツールは、瞬間芸っちゅうか賞味期限が短いっちゅうか、どこかひたすら消費されまくるだけの泡沫のような雰囲気がさらに強い。だからこそ世界中からの旬なネタが溢れてるのは分かってても、追い立てられるようにコンテンツを次々リリースしないといけないような空気がヤッパシ八ッ橋ちょとしんどい。残念ながらおらぁもぉそこまで若くはないのである。少しはメローに行きたい。

 その辺を上手くバランスさせる方法はないモノか?ってコトだ。その結論はまだ出てないが。

 一つ思ってるのは、旅やら楽器やら何やらをもっとリアルタイムに実況中継しながら、それを整理してアーカイブする場として、従来のサイトを活用するってな方向性はあっても良いのかな?と思ってる。パパッとチャチャッと出すのは出すで、落ち着いてその時のソースを元にあれこれ組み立ててこれまでのスタイルはスタイルで維持するようなカンジだな。
 もう一つは、どこまで行ってもヴァーチャルなネットのこの場と現実の場を融合させられないか?ってコトだ。VRの真逆みたいに現実世界にスペースを作れないか、ってコトだ。でもリアルのオフ会みたいな一過性のぢゃ軽くてツマランし、もちょっとパーマネントなスペースが作れんもんかな〜、とも思う。常々、自分はネット上に一種の私設公園を拵え続けてるように思ってやって来たんだけど、それをホンマに現前させられないか?と。
 さらにもう一つは・・・・・・って止めとこう。絵に描いた餅をいくら並べても仕方ない。それよっか1つでも2つでも行動することだろう。

 ・・・・・・当然ながらいずれにせよ元手も人手も要るハナシなんで、そぉおいそれ容易くは行かないだろうが、来期以降はそんな風に少しでも持っていけたら、って考えてたりする。

 夜も更けてきた。

 明日は明日でやらなくちゃならん野暮用が一杯あるんで、今日はもう早めに寝るとしよう。例年になく厳しい冬で、またもや寒波襲来だとかニュースは報じてる。この数年、おれの住まう町ではコロナ禍による出控えでか、暮れになっても近所の住人の多くは遠出せずに周辺をウロウロしてるケースが多かった。しかし今年はそれでもようやく長いトンネルから抜けつつあるのか、帰省した人も多いみたいで、家の周囲は普段より随分静かだ。年の瀬らしい静けさだ。

 みなさまどうか良いお年をお迎えくださいませ。

2022.12.30

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