「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
狂奔、SNS


あ〜、これこれ。これはナゼか好きだった。

https://plaza.rakuten.co.jp/より

 パソ通、htmlベースのホームページ、BBS、ブログ、FB、Mixi、ツイッター、インスタグラム・・・・・・と色んな情報発信基盤の栄枯盛衰を横目で見ながら、メイン部分は未だに古典的htmlでやってるREWSPROVでございます。

 いきなり余談だけど、頂戴するメール等で「ブログを愉しみに見せてもらってます」なんて書いて下さる方がとても多い。はて?綿羊な・・・・・・もとい面妖な、ブログにはツマんない物欲メモみたいなことしか書いてないハズだし、おっかしぃ〜なぁ〜と思ってたら、それホームページのことだったりするワケだ。つまりもぉ「ホームページ」とか「サイト」なんちゅうのは現代に於いては殆ど死語の世界になっちゃってて、個人がテキストで長文を発信するのはみんな十把一絡げにブログだと認知されちゃってるみたいなのだ・・・・・・ま、最早オールドスクールの範疇に入りそうなおれとしては、薄く笑いながら遠い眼でもするしかない時代だ。

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 それはともかくホント今や誰でも全世界に向かって、その自覚の有無は置いといて発信はできる。幼児がユーチューバーになって玩具の紹介して年に何億って稼いでるとの記事を読んで、おらぁホンマ世も末だと思ったね。ゾッとした。今やガキのなりたい職業の第1位もユーチューバーなんだそうな。巨大隕石の衝突や破局噴火で世界は一度滅んだ方が良いのかも知れない。
 今はブランド名も消滅してしまったJフォンの出したカメラ付きケータイが、今から思えば時代の大きな転換点だったような気がする。当初は120×150ピクセルくらいの切手サイズの写真しか写らない、マコトに素朴なモノではあったけど、あそこから一気に時代は変わってった。今やスマホに時代は完全にシフトし、ネットも普及し、ますますユーザーの裾野が広がったために「インスタ映え」なんちゅうコトバまでもが随分一般化して、フツーに通じる御時世になってしまった。カメラだってスマホやタブレットへの転送が標準装備でないと売れないみたいである。

 そいでもって字を書くのまでみんなめんどくさくなったのか、最近ではFBやMixiは終わコンで、ツイッターがやや下火、そしてインスタが全盛らしい。らしい、っちゅうのもおれはどれも手を出してないんで良く分かんないからだ。他にもピンタレストとか同じようなサービスは存在するが、圧倒的にシェア持ってるのはやっぱインスタグラムだろう。メシ食いに店入れば、誰も彼もがスマホで写真を撮ってインスタに上げるのが当たり前の光景になって久しい。とっとと早う食えや、冷めるで、延びるで、溶けるで(笑)。

 そらまぁおれだってこれだけ量だけはだらしなくテンコ盛りのサイトを持ち、ガシャガシャと沢山の画像を載せてるのは紛れもない事実だ。爆食だの激盛りだの食い物の写真だって多いし、文章もダラダラと長いのが一杯ある。目クソ鼻クソ嗤う、同類相憐れむな状況であるのは大いに認めるが、それにしても・・・・・・とやっぱし思ってしまう。
 実を言うと、おれ自身はSNSにハマり、インスタ映えなんかを痛々しいほどに追求してる人たちの気持ちがイマイチ良く分からないのである。ウケたい/ウケたくない、ってな二元論で単純化しちゃうと、なるほどおれだってウケたいとは思ってる。しかしウケるのはあくまで結果であって決して目的ではない。ましてや多くの人に認めてほしいとか、賞賛されたいとかってな気持ちも決してゼロではないにせよ希薄なのである。

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 俗に「承認欲求」ってコトバがある。平たく言うと「他人から認められたい」って欲求のことだ。マズローの欲求の五段階だったっけ?アレの上から2番目だったハズだ。サラリーマンやってて良いコトもたまにはあるモンだ。社内でランクアップして行くためにあれこれ勉強させられる中で覚えたのだ。それはまぁ置いといて、とにかく自分にはこれがどこか欠落してる。
 最上位にあるのは「自己実現欲求」なんだけど、これはある・・・・・・否、これだけでひたすら寝る時間を削ってまでしてネチネチとサイトを作り続けてるようなモンだ。
 だからエラいだろ!?エッヘン!と威張りたいワケではない。逆だ。ただもう己が人格の偏波がそうしてブサイクに露呈しているだけのコトだ。

 そもそも論でマズロー説は如何にもアメリカの学者らしいプラグマティズムやプロテスタント的価値・倫理観が背景にあるように思えて、どうも鬱陶しい。まぁそれでも最初の1段目は良いよ、最初は。生理的欲求、っちゅうヤツ。腹が減ったらそりゃぁメシも食いたかろう。綺麗なネーチャンがおったらヤリたかろう(笑)。その次もまぁエエわ。安全欲求ね。ただうちのネコは知らん人が家にいたら、どんなけ空腹でも押入の奥や机の下に隠れてるけどな。生理的欲求よりも安全欲求の方がまず最初にあるで(笑)。
 いずれにせよ、おれが認めるのは2番目までである。そっから先は実は人によって順番は結構異なってたりあったりなかったりするんぢゃねぇの!?って思ってしまう。全員が双六のように進んで行くモンでもなかろう。それに5段階が一種のヒエラルキーとなって説明される点にも胡散臭さを感じてしまう。「へぇへぇ、おまはんは健全に生まれてよろしおましたなぁ〜。勝手にビルドゥングスロマンごっこやってろ!ボケ!」と嫌味の一言も言いたくなる。

 ・・・・・・と、マズロー批判はさておき、今のツイッターやインスタグラムを始めとする各種SNSに血道を上げてる人は、この承認欲求に衝き動かされて行動してるんだ、と説明されることがとても多い。

 ホンマなんやろか!?最初は安易におれもそう思ってたけど、今では大いに疑問だ。

 誰か有名人が食ったモノと同じのを、朝の山手線並みに混雑するスポットを、あるいはどこにでもあるような若者グループでBBQとかしてはしゃいでるのを写真に撮ったり、あるいは大量に並ぶリツィートの中に寝言のような冴えない呟き上げたりして一体どこの誰に承認されるんですかぁ?とおれは問いたい。せいぜい友達の狭い輪の中で、義理で「いいね」してもらえるくらいっしょ?

 そんなモンが何の承認にも繋がらないってコトは、上げてる本人たちだって分かってるとおれは思う。若者はそこまでバカではない。

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 結論から言うと、今のSNSを支えてる人たちの心理について、それは承認欲求なんかではサラサラ無く、実は焦燥感とか恐怖とちゃうんか?って気がして来たのだ。特に若者。
 言うまでもなくそれは、流行とか波に乗り遅れるのではないか?とか、みんなの輪の外に追いやられるのではないか?ってな心理だ。いわば集団への帰属欲求とでも言おうか、極論すれば群れたいがためだけに大して好きでもないのにみんな日夜せっせとSNSに励んでるのではないか?ってコトだ。
 もちろんこういった心理は大昔から、またガキの世界でもある。小学校で何か流行れば、それに乗らないヤツはイヂめられるかはともかくちょっと浮いた存在になることは必至だ。

 文章にせよ写真にせよ、どうしてSNSに上げられてるものはドイツもコイツもかくも没個性で追従的なのか?って初めは疑問に思ってた。もちろん、利用者の裾野が恐ろしく広がったコトで、参加してる人の大多数が世の大多数を占める没個性で追従的な人格・・・・・・平たく言えば平凡で何の面白味もないヤツばっかしになっちゃったから、ってのももちろん大いにあるだろう。そうした層は元々あまり主体的な愉しみもないから、みんながやってるだけですぐにそれは楽しいモンなんだと刷り込まれてしまって流行りモンに乗る。無邪気でさえある。
 しかしどうにもそれだけでは納得できないでもいた。もうちょっとトガッたヤツとかいてもおかしくないのに、とにかくみんな没個性で追従的なのである。余りに多過ぎる。マズローなんかと同時に覚えた2:6:2原則からしても明らかに6割より多い・・・・・・っちゅうか9割方はそんなんだ。

 上に書いた事実に気付いて、ようやく疑問が氷解したように思う。この点でSNSなんて何のこっちゃない、キン肉マン消しゴムやビックリマンチョコのシール、あるいはポケモンカードとかと何ら変わらないのである。

 おれがガキの頃は同じようなんで仮面ライダーカード、っちゅうのがムチャクチャに流行った。スナック菓子のオマケに付いて来るのだけど、それ欲しさに肝心のお菓子の方は袋も空けないまま捨てるガキが日本中で続出して社会問題にもなった。ところがおれはそもそも仮面ライダー自体にあんまし興味が持てず(でもなぜか初代サイクロン号のオフロードバージョンだけは好きだったな、笑)、裏番を観てたような状況だったので、当然カードも欲しくない。
 しかし全く持ってないっちゅうのもご近所付き合いやってくには何かと差し障りがあろう、ってな姑息な心理が働いて、何袋かは買ったように思う。お付き合い、っちゅうやっちゃね。
 恐らくあの時のおれと同じような気持で対して興味もないのに不承々々SNSやってる人は相当数いるに違いない。物心ついた時分から大概偏屈で狷介固陋なおれでもやっぱしちょっとは群れたかったのだから。

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 例によって例の如く睡魔と戦いつつ酔っ払ってウダウダ書いたけど、現在のSNSに狂奔する人たちの原動力が結局はその程度であるならば、現在のブームはそういつまでもは続かないような気がする。参加する敷居が低いってコトは、出て行く敷居も低いんだし。
 例えばそれこそセレブと呼ばれる人たちがこぞって、「綺麗な観光地の写真載せるなんてダッセェ〜!」とか「セルフィなんてもぉ時代遅れだよ」とか「食いモンの写真撮ってねぇで早く食え、田舎者!」な〜んて言い始めたりしたら、みんな右に倣えで従うだろう。

 案外あと10年もしたら、SNSをやんないコトこそが最もイケててクールで、「オマエ、まだツイッター(あるいはインスタ、Line)なんてやってたんだ!?」ってなるような時代が到来してるのかも知れない。

2019.03.14

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