「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
どちらさんもこちらさんも


・・・・・・いや、いいのは良く分かるんですよ。

 あけましておめでとうございます。

 2004年以来、牛の涎で細く長く続けてきたこのサイトも9年目に入った。あまり力まず、テーマをヘンに絞り込まずにその時その時の気持ちや興味に対して、まぁまずまず素直に向き合うようにしたのが功を奏したか、一貫性や脈絡はないもののコンテンツは拡充してきた。数は僅少なものの熱心に読んで下さる方もいらっしゃって、ありがたい限りだ。

 ただ、いささか全体の構成に古さが感じられるようになってきたのは否めない。勿論その理由の一つに自分自身の年齢っちゅう避けがたいファクターがあるのは言うまでもない。でもこれはどぉしたって仕方ないことだ。ここで無理に若ぶって足掻いたって詮無かろうし、却ってナサケない状態になることは必至だ。
 それより何より、ベースとなってるサイトの造りに古さが目立ってきたのが最近になって妙に気になる。フレームも使わず、最低限のcssに後はほとんどhtmlっちゅうスタイルが、見映え面での古さを醸し出すようになってきたのである。

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 近年の傾向として、仰々しいまでのFlashによるページ構成や、あまりに作り込んだデザインは敬遠される傾向にある。どっちかっちゅうとスッキリしてプレーンかつシンプルな画面作りが好まれるようになってきた。こういった流れはブログの普及が大いに影響してるのではないかと思う。読者は従来の日記サイトなんかと異なり単純・簡便にコンテンツに辿り着け、作り手の側は複雑な手間ヒマなしに更新できるのだから。その一つの到達点としてTwitterは生まれたように思う。
 色遣いの点では拙サイトも何とかまずまず合格だろうと思ってる。背景にしたって文字にしたって、アイコンにしたって何せ白と、黒に近いグレー、あとは若干渋めの臙脂に近い「#t0000」っちゅう赤の3色しか使ってないのだから(笑)。今以上に減らしたら、モノクロと変わらない。それはいい。それはいいが・・・・・・だ。

 目下、ヴィジュアル面で一番古臭く感じてるのはおれ的にはアイコンの存在とページの遷移だ。
 アイコンに関して言うなら、もうその存在自体が古臭い気がしてる。このことを感じたのはワリとサイト始めてすぐの頃で、そんなんで四角いのと左右と上向きの矢印という4種類以外は全部止めたのだった。今どきgifアニメで明滅したりするアイコン使ってるサイト見かけると、何だかこっ恥ずかしい気分になってしまう。さらにMIDIの音楽流れたりしたら、もうそれだけでそのページは見なかったりするもんな(笑)。
 ページ遷移、つまりはページ増加の問題はサイトを維持・運営して行く上で重要なメンテナンス性の悪さにも繋がっている。何かネタを1ページ増やすと、今の構成だとそのページをアップロードする以外に、その前ページ、カテゴリーのメニュー、トップページ、更新記録のページ・・・・・・と合計5ページのリンクその他をメンテナンスしてアップロードしなくちゃならない。当然動作確認も必要だ。
 さらにアドオンで使ってる忍者ツールズの解析タグの記述が何故か開くたびに壊れるので、これを修正する手間が乗っかって来る。いろいろ回避方法を調べたんだけど、どうにも良くならない。それでも最近はマシになった方だ。とゆうのも先日、「忍者アナライズ」ってーのに乗り換えるまでは、ページ毎にこのソースコードが異なってたので、コピペぢゃなんぢゃとそれはそれはめんどくさい作業だった。

 もっと古臭く感じてるのはベースになってるホームページビルダ(HPB)である。ドリームウィーバーとかアドビのミルとかなんとかこの手のソフトをオーサリングソフトと呼ぶらしいのだけど、コイツはその中でも最も初心者向けに作られてる代わりに、どうにも作られたソースを見るとワケ分かんない。素人目にも無駄な記述があったりすることが多い。オマケにバグが多い。表に一行増やすと理解不能な半角スペースが入ったり、中身が多いと(つまり縦に長いと)オンマウスが効かなくなったり、いきなり内部でのリンクの認識がブッ飛んで壊れたり、転送ファイルが正しく認識されなかったりと、ヴァージョンを重ねるごとに不安定に(笑)なってってる気がする。
 さらには異常に動作が重い。シート数が300越えた頃からこの症状は顕著になり、XPやVistaの頃はメモリをフルに積んだPCでもサイトを開くのに数十分も掛かる、なんてことが頻発した。今の64ビットWindows7にメモリ4GB積んだマシンでようやくちょっと軽くなった気もするが、それでもサクサクからは程遠い。まぁ、本来的には数十ページくらいまでのサイトを初心者が見よう見まねで拵えるためのツールが端緒なんだから、こんな千ページからあるサイトをどうこうするのには根本的にムリがあるのだろう。

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 そんなHPBもついにWordPress準拠になったらしい。

 WordPress!このところのWordPress勢のアゲアゲぶりには目を瞠るものがある。ちょっと前までこの世の春を謳歌してたMovable Type、さらにその前まで一般的だったcss+htmlってなやり方を押し退けて、今やデファクトスタンダードとしてすっかり認知された感がある。
 特徴はいっぱいある。受け売りを列挙して知ったかぶりしても仕方ないけれど、随分と優れものだ、ってことはおれにも分かる。驚くほど多機能だし、無料のテンプレートも多いし、一からフルスクラッチでシコシコやる必要がないのはひじょうにありがたい。
 今、サーバスペースを借りてるサクラってトコも、そぉいやぁ容量増強と同時にこれに対応した、ってな通知をもらった記憶がある。それだけニーズがあるからだろう。旬なのだ。

 この前、何かの用で調べものしてたら「ネットで何年も前に更新を止めてるサイトの残骸を見付けたら、それは大抵HPBベースだ」ってな記事を見付けた。それに頼ってるおれとしてはいささかムッとしたけれど、冷静に考えれば実際そうだ。おれなんてむしろ例外中の例外だろうと思う。
 もし今、一からサイトを立ち上げるならおれだって絶対にWordPressで構築するだろうと思う。しかし、既にコンテンツは我ながら気の遠くなるような量があるのだ。継続は良くも悪くも力なのである。イッパツ全面移行ツールでもあればすぐにやるだろうけど、残念ながら現時点では存在しない。これをいちいちコピペだか何だか移行するなんて到底無理な相談だ。そんな時間、コンテンツでさえ滞りがちな今のおれには鉦や太鼓で探したってどこにもない。

 さらには見てくれの問題もある。WordPressのいかにもブログ的・ジャストインタイム更新歓迎的な作りは、どうにも過去の記録をスタティックに留め置こうとするここまでの(・・・・・・そして恐らくはこれからも続くであろう)おれのやり方になんだかそぐわないのだ。「現在」をサクッと留めるのならおれには外付け無料ブログで十分なのだ。だから、よしんばドバーッと移行できたとしても、嗜好にフィックスさせるにはさらにいろんな仕掛けや工夫が必要になるだろう。ワザワザWordPressの長所であるアクティヴでインフラや場所を選ばない更新性能をスポイルさせてスタティックな造りにするために。どこにそんな時間あんねん!?

 それに、苦労して移行した途端、さらに新しいデファクトスタンダードが出てきたら目も当てられない、っちゅうのもある。この辺は記録媒体としてカセットテープやVHSから、MD、CD−R、DVD−R、メモリ、と目まぐるしく変えざるを得なかった人には理解してもらえるのではなかろうか?htmlは基幹言語としてこれからもそれなりに担保されるんだろうし、あまり目先のいろんなツールの変化に踊らされてたら、それだけで消耗してしまいそうなのが怖い。プラットフォームは今最も旬なものに依拠するのが一方で正解であるのだけど、未だに化石のようなCOBOLベースのメインフレームがしぶとく生き残ってるのと同じ伝で、枯れた技術の方が長く続けるにはこれまた一方で都合がいいのも事実だ。

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 結局、現実的な解は今のところ、HPB側を軽くして基本構造を崩さないサイト分割あたりかな?と思ってる。要はテーマごとの塊にしてるフォルダのトップを独立したサイトに見立ててトップページ(index.html)にしちゃうのだ。幸いフォルダはかなり以前に分割してあるんで、上に挙げたような大改造に比べれば数段マシだ。

 それより何より、器よりは料理でしょ、っちゅう点を忘れちゃならない。そうなんだわ。見掛けいくらカッコ良くたって、滅多に更新されないとか中身スカスカぢゃ見かけ倒しやおまへんか。

 ・・・・・・ってなワケで万古不易なまでに変わり映えしないコンテンツ&構成ではございますが、今年もボチボチと続けてまいりますんで、どちらさまもこちらさまもずずずぃ〜〜っと、よろしくお願い申し上げまする。

2013.01.01

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