IT諸行無常

IT諸行無常
消滅しててがっかりするパターンの代表例。
個人サイトっちゅうのはまぁ、言うなればその人の家、あるいは家庭みたいなもんだろうと思う。だから、児童虐待だとかネグレクトだとか、最低限そんな悲惨なんが無ければ基本的にはいろんな差異や流儀があっていいと思う。それに規格品に収まらないユニークな個性が溢れる巧拙やアンバランス、そして突き抜けた「サムシングネス」があるからこそ、個人サイトはとにかく楽しいのである。　そんなんだから、わがんトコ棚上げして他人様の家のことをあれこれあげつらうのは大変に不躾で失礼なことでもある。想像してみて欲しい。見ず知らずの人が家の前を通りかかっていきなり庭がどうこう、家の造りがどうこう、子供さんの育て方がどうこうとエラそうに批評がましい意見をヌかしたら、普通はその家の人にイヤな顔をされるだろう。あるいはフルボッコにドツキ回されるかも知れない。　それはよーく分かってる。だから、構成や中身がぶっちゃけアイタタなサイトをとやかく言おうなんて気持ちは微塵も無い。マジで無い。ただただ言いたいことは次の一つだけだ。　なんでもいいから始めた以上はとにかく続けてよ、コンテンツ膨らませてよ･･････と。　･･････････････････････････････　ネットサーフィンしててちょっとでも気になるサイトが見つかると、おれは取り敢えず｢お気に入り｣に入れることにしている。だからどんどん登録サイトが膨らんでいく。簡単にフォルダでジャンル分けしてるだけなので、中身はグジャグジャだ･･････って、移り変わりの激しいネットの世界では、既に「ネットサーフィン」なんてー言葉自体もけっこう死語の世界に入っちゃってるから使うのがいささか恥ずかしいのだけれど、他に手短に言う言葉がないんで仕方なく使ってみたが、やっぱ恥ずかしいな（笑）。ともあれ、そんな風にしておれは気儘にネットの果てしない世界をウロウロしてる。　しかし、「お気に入り」に突っ込んだからといってすべてをジックリ見直すか？っちゅうとそれほどでもない。強烈に印象に残って何度も見返したくなるほど面白いサイトなんてホンの一握りであるし、何せフォルダは整理されてないので大方はそのまま忘れてしまう。まるで百舌の早贄だ。あの鳥は意外にアホで、カエルや何ぢゃと捕らえて木の枝に刺して保存食にしようとするとこまでは知恵が回るのだが、肝心の「何を捕ってどこに刺したか」はすぐに忘れてしまうらしい。なもんで、冬になると枝に放置されてちんから干しになった早贄があちこちに残される。おれの「お気に入り」の中は正にそんな感じだ。　･･････って、一応人間らしくはあらねばならんので、たまにフォルダの中は整理する。１つ１つアクセスしてみて、開けばしばらく見入るし、デッドリンクになってたら削除して行く。サイト移転先が明示されてる場合はそっち開いて、相変わらず興味を引くものだった場合はそっちを新たに登録する。そしてだんだん暗い気分になって来る。　無くなったり、何年も放置されたままになったサイトばっかしなのだ。死屍累々だ。　無くなったのは何だかそこだけ歯抜けのように空漠な更地のよう、放置されたのは廃墟になった空き家のようにおれには思える。まぁ、更地にゃそのうち家も建つだろうが、調度類もそのままに放置された空き家に誰かが引っ越してくることは現実世界同様、決してない。そして物騒でもあるのも現実世界と変わらない。ヤンキーが肝試しと称して侵入したり、ホームレスがいつしか住みついたりとか（笑）。　サイトで何が物騒か、っちゅうと掲示板である。主がいなくなるとまずここが大量のアダルト系のスパムで埋め尽くされて行く。これらを書き込むのもそれなりに大変だと思うのだけど、秘密兵器の一括書き込みツールでもあるのか、驚くほど大量に書き込まれている。情けないことにそんなヤクザで残ない書き込みのくせに文字化けまでしてたりする。宣伝にもなりゃせんやんか（笑）。　また、コンテンツそのものも荒廃して行く。良くあるケースとしては、画面のあちこちにある画像類が全部×印の付いた枠だけになったり、直リンしてるバナーが「４０４ＮｏｔＦｏｕｎｄ」で表示されるようなパターンだ。前者がどのような理由で起こるのかは、インターネットの仕組みや構文にあまり詳しくないので良く分からない。いずれにせよ、こまめにメンテナンスしてれば防げることではあるだろう。　･･････････････････････････････　どうだろ？個人サイトで３年続いたらかなり御の字、って感じぢゃないのかな？５年となるとグッと大分減って、１０年選手はもぉ数えるほどだ。無論、「続く」とはある程度、最低でも年に数回くらいは更新されて、スパムなんかもコマメに排除されて、全体的にキチンとお手入れができてる、って意味だ。要は空き家なんだけどたまには草刈りに来たり、壊れた箇所の営繕はやってまっせ、みたいな。　これがブログになると状況はもっと悲惨である。チョコチョコっと５～６回ネタをアップしてそれっきり、なんてーのが文字通りゴマンとある。１年続けば御の字、って印象だ。　みなさんそれぞれ興味の範囲は異なるから、自ずと観に行くサイトのジャンルやカテゴリーも千差万別だろうが、どんな世界でも概ね上のような傾向があるんぢゃなかろうか？　どうしてかくも無残で見苦しい状況が起きるのか、っちゅうと、一つには「無料」って問題が大きく横たわっているように思う。そんなに多大な広告収入が見込めるとは思えないのに、不思議なことにレンタルサーバにしても掲示板にしてもブログにしても、チョコッとバナーが載るだけで無料のものが世の中には数多くあるのだ。レンタルサーバや掲示板で無料はまぁ、今時の感覚では笑ってしまうようなオマケ程度の低容量（数十メガ程度だったり書き込みは１，０００まで等）のものが大半とは申せ、ブログともなるとギガバイト単位の容量、あるいは容量無制限なんてーのがゴロゴロある。そこにどんなカラクリがあるのかは知らないが、そぉゆうウソみたいなコトがまかり通ってるのだ。　タダだからこそイージーに思いつきや勢いだけで始められる。始めてはみたものの、そのうちネタが尽きたり、根詰めて作業するのに飽きたりしても、そこに経済的な痛みはまったく発生しない。だから、放置されて無残な姿を晒すサイトがあちこちで増えるって寸法だ。無料が人の心を蝕み堕落させるっちゅう最たる例だろう。それが証拠に、放置サイトはたいていが無料プロバイダのところである。だって、有料プロバイダだと年に１回請求が来る。もう心が離れてしまってほったらかしにしてるものに、僅かとはいえお金を払うほどのお人好しや奇特な人は滅多にいないから、こちらはそのうち削除されてしまう。ちなみに国外のサイトではあまりこの放置は見たことないので、何でも無料ってーのはひょっとしたら日本だけの話なのかも知れない。　とは申せ、今挙げた例は、いわば泡沫サイト、とでも呼ぶべきものだ。消えて当然、っちゅうか、あまり真剣にウォッチしても仕方ないタイプのものと言えるだろう。一方で、独自ドメインまで拵えて、本当に手間暇かけてシッカリ作りこんであったり、内容が豊富だったりする所謂「人気サイト」・「有力サイト」が何の前触れも無く突如消える、あるいはバタッと更新を停止するなんてことだって頻繁にネットの世界ではある。　仕事が無くてヒマにあかせてやってたのが、仕事が見つかって忙しくなりとても続けてられなくなった、学生だったのが卒業して就職して以下同文、っちゅうなら何となく御同慶の至り、って気もするが、実態はどうなんだろう。誰か統計取ってないかな？　執拗な荒らしや晒し上げや悪意の紹介等々にあって心を痛めた、もしくは祭りとか炎上と呼ばれる事態に陥って閉鎖に追い込まれたなんてーのもままあるだろうし、案外、やるだけやって燃え尽きて、憑き物が落ちるように興味を失った、なんてケースだって多いのかな？変わった例では、カップルでサイトやってたのが、別れちゃってそれっきり、なんてーのも聞いたことがある。別の意味でアイタタなサイトになったワケやね（笑）。最も救いの無い例では、管理人が不慮の事故に巻き込まれて突然死んぢゃってサイトだけが残ったなんてーのもある･･････ま、自分が「お気に入り」に入れてたサイトにそぉゆう例は無かった、と信じたいが。また、アングラ系では官憲のお叱りを受けたり、家族や周囲の人間にバレたり、なんちゅうケースも多いらしい。　最近ではサイトからブログに移行して、旧サイトが放置されるってパターンも数多く見受ける。１戸建てからマンションに移って、元の家が手入れされずに草ボウボウになってるようなもんだな、こりゃ（笑）。まぁ、ネチネチとローカルで記述してＦＴＰでアップロードして、なんてぁ手間からするとブログは扱いが比較にならんほどラクだから、今後、このパターンはもっと増えて行くんだろう。これは上に挙げた完全に打ち棄てられたり、消えちゃったりとはちょっと違うとはいえ、やっぱ個人的には違和感はある。やっぱ、旧コンテンツ移行してもらえればなぁ、って思っちゃう。　･･････････････････････････････　要はおれは寂しいのだ、グダグダとワガママ書き連ねたけど、結局そぉゆうこった。永続なんて絶対ない、ってことはよぉーく分かってても、やはり寂しい。　繰り返す。　なんでもいいから始めた以上はとにかく続けてよ、コンテンツ膨らませてよ･･････。
これで追っかけられなかったらもうアウトでしょう（リンクしてます）。
２０１０．１１．１３

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