「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
行く年・来る年


やはりコレ!このイメージですよね〜。

http://wadaphoto.jp/より

 いやいやいやいや〜、大したモンだ〜、と自画自賛してみたりする。。

 だって、この残ないサイト、いくつかの紆余曲折を挟みつつとはいえ、とにもかくにも3年と4ヶ月も続いちゃったのである。飽きっぽいおれにしてはこれは珍しいコトだと、半ば呆れつつ感心してしまう。当然のことだけれど、おれ以外の登場人物も含め全員が馬齢を3つ重ねてしまい、そして4度目となる年の瀬を迎えた。
 その間に何かドラスティックな変化があったか、っちゅうと、これがもう何もない。ハラが立つくらい何も、ない。見事なくらい去年のことを今年繰り返し、昨日のことを今日繰り返してる。変化らしい変化といえば、最近になって安いロードの自転車買って乗り回してることくらいだな・・・・・・寒風吹きすさぶ堤防の上を(笑)。

 ・・・・・・それが人生さ。

 達観した方はそう言うだろう。しかし、達観が諦念であり、石門心学的なワケ知り顔の無気力に支配されていることにおれは苛立つ。「ハラ立つくらい」は言葉のアヤではなく、ホンマに何もないことにハラが立っている。

 What A Dull Day !
 What A Dull Year !
 What A Dull Life !

 そんな日々から紡がれたものを、良く言えば「淡々と」、悪く言えば「垂れ流しで」サイト上にアップしているだけなのに、不思議と沢山の方が訪問してくださる。最近はトンと他のサイト様とのお付き合いもご無沙汰だし、サーチエンジンへの登録なんて〜みみっちぃ宣伝活動も止めたっちゅうのに、それでも何のかんのでカウンターは上がって行く。とてもありがたいことだと思う。ああ、そぉいやアク解も以前のようにチェックしなくなっちゃったな〜。

 もちろん、コンテンツ制作の意欲が失せたワケではない・・・・・・ないが、初期の無知ゆえの新鮮な驚きとか興奮が失せたのは詮無いことだろう。サイト作りはすっかり日常のルーチンワークの一環に取り込まれてしまっている。ある種の義務感みたいなものでこなしてる点があるのも否めない。限界に刻々近づいて行くディスク容量やディレクトリ構造、デザイン・フォントといった、見直すとなると異常に手間のかかる問題は一杯あるのだけど、イマイチどうにも気が乗らない。だって、サイトがおれ自身から照射される一つの世界である以上、そんなうわべをいくら変えたって仕方ないことが分かっているからだ。つまりはおれが日々の中で主体的に変化に向けたアクションを起こさなくちゃ、コンテンツの状況は大きく動き出さない。

 それで何をしたか、って!?・・・・・・今年はギブソンのフライングVを買いました、VISTAのパソコン買いました、チャリでロードを買いました、さらには年の瀬も迫ってACID買いました、ってか?

 うう、我ながらとことんアホやなぁ〜(笑)。

 そりゃ〜、どれも買って悪くはなかったって思ってる。フライングVについて言うならば、これまでコンサバ一点張りで、変形ギターはこれまであまり歯牙にもかけてなかったカテゴリーだったのが、実際に弾き倒してみてその軽量で抜群のプレイヤビリティと驚くほど艶っぽい音にすっかりハマってしまった。その点でおれの蒙を啓いてくれた。自転車にしたって肥満対策がベースにあったとはいえ、いざ四半世紀ぶりくらいに乗ってみると、これまた楽しい。実際かなりの勢いでダイエット効果あるし、タイヤが細くて軽い乗り味はこれまでに体験した事のない世界だし、何より人力機械特有のアバウトだかシビアだかよく分からない奥深さがある。それはとてもいいことだろう。ACIDはまだ封も開けてないな・・・・・・あ、VISTAはどぉでもいいや。前のDELLのXP搭載機が壊れたんで仕方なく買い直しただけのことだから。

 ・・・・・・だがしかし、そこにいるのはおれ一人だけだ。モノとの対話とは神との対話と同じで、どこか逸脱した自分自身との孤独な対話に他ならず、自己憐憫と瞞着の腐臭が漂う。

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 寂しい、っちゅうといささか語弊があるような気がするし、忸怩たるものもあるんだけど、平たくはそうなんだろう。やはり人と繋がって行かなくちゃならないのだ。

 「オマエ、ヨメも子もおるやないか!」とお叱りを受けそうだが、それはそれ、これはこれ、だ。家族っちゅう繋がりは極めて重要だし、大切にしなくちゃならんモンだけど、それだけではサッパリ広がりがないし、自家中毒を起こしてしまう。そもそも自分の趣味趣向に何でも家族を巻き込むワケには行かない・・・・・・あ、温泉とキャンプは共通してるんですよ〜(笑)。
 なによりどだい極めて真っ当な性向のヨメは、プログレやパンク、ノイズやオルタナ、インダストリアル、なんちゅうてもチンプンカンプンだし、本は読まんし、クルマにせよバイクにせよチャリにせよ、基本的に乗物はあくまで実用品に過ぎないし、登山は死んでもイヤやヌかしよるし、BDSMなんてものは生理的に受け付けない。子供についてはクドクド書いても仕方ないな。

 そのソリューションはただもうやはり、同じ趣味趣向の人を探すしかないのである。

 これまで努めておれは「同好の志」といったものを避けてきた。何度も書いているとおり、「同好」とは要はまぁ「ヲタ」のことだから、ツルむほどに志向の微妙な差異が許せなくなる。エラそうには言えない。もちろん、少なからずおれにだってそんな卑小なメンタリティはある。しかし、こんな風に書くくらいだから抑制してる。いい大人ならそうするのがフツーだと思うけど、その辺がどうにも分からない方がどの世界にでもいらっしゃるのはいかにもうっとーしい。

 たまらなくイヤだけど、良く考えるとしかし、これって実はおれに協調性がなくって、人付き合いをめんどくさがって忌避していることを巧みに正当化してるだけにすぎない。色んな人がいるのは仕方ないことだ。人間、その辺を軽くいなしたり、イジッたり、ケンカしたりしながらイニシアティヴも取りつつ上手く乗り切って行かんでどないすんねんな〜、っちゅうねん。
 つまり、ようやっと心底分かりかけてきたのである。趣味趣向に関する世界で自分自身がきわめて引き篭もり体質だった、ってことが。積み上げられていくモノの山は外界と自分を分かつバリケードそのものだ。モノで十重二十重に武装し、なるほどたしかにその中におれば安穏だけど、身動きが取れなくなっている醜い自分。あ〜、やだやだ。

 そんな風に思い巡らす中で、今年は一つ嬉しいことがあった。ひょんなことから、本のことから始まって日常のあれこれを気さくに話せる、とても魅力的な女性とお近づきになれたのである。フカシぢゃなく美人。おれはストレートだし、美醜に関しては真っ当な性向なので、やはりお近づきになるなら、ジジむさいオッサンよりは美しい女性の方が100万倍嬉しい。
 無論、知己となることでツラいこともある・・・・・・ってーのも、至っておれはときめきやすいし、惚れっぽい方だから、やっぱ抱きたくなるぢゃないですか。まぁ、その甘痒いような鈍痛に似た感覚は幸せなツラさではあろうけど。

 話を元に戻そう。

 ・・・・・・外に向かうにはさまざまな手段が考えられる。中には「テメェのホームページうまく使たらエエやんか!?」って考えもあるだろう。なるほど確かに日々1,000を超えるアクセスをいただいてるんだし、それもまた一興かな?って気もちょっとはする。現に世の中には自分のために出会い系サイトを構築する奇特な人がいる、っちゅうくらいだしね(笑)。
 でも、今のサイトを何か外に向かうツールに転用することには大いに躊躇がある。どだいそんなツモリで始めたんぢゃないし、お越しになられる方もそんな路線は期待されてないだろう。やはり起きたこと、起こしたことを不十分ながら整理して表現に置換したり、くさぐさのことを書き連ねたりする場以外のものにおれはどぉしてもできない・・・・・・カァ〜ッ!!つまんねぇトコで不器用っちゅうか、頑迷でいけませんな、おらぁ〜。

 年明けしばらくしたら移転して、少なくとも容量は1GBを確保しようと思ってる。今決まってるのはそれだけだ。これで長年の懸案の音楽ネタやパンフ類もこれで取り扱えるようになるだろう。来年は間違いなく多忙が見込まれるので、更新頻度だけでなく大きく路線そのものも変わるかもしれない。まぁ相変わらずの玉虫色で面白おかしくやりたいとは思うけど、あるいはそのことによって、これまで日参していただいてた方々が離れて行くような方向になるかもしれない。それはおれ自身にも分からない。

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 明晩もまた除夜の鐘は撞かれる。

 108つの鐘の音は人の諸々の煩悩を払うとか言われるが、残念ながらおれはまだ108つも持ち得ていない。不惑を過ぎてなお、もっと濁世の煩悩にまみれていたい。そこにこそ濃密で匂い立つようなリアリティがあると思う。それが芳香なのか、自己憐憫と瞞着がもたらすのと同質の腐臭なのかはともかくとして・・・・・・いや、「たい」ぢゃダメだな。そう、まみれる、まみれるのだ、とつまらぬコミットしたところで・・・・・・

 今年も一年、本当にありがとうございました。
 みなさま、良いお年を。

2007.12.30

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