「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
模様替え魔/引越し魔・・・・・・3rd Anniversaryに代えて


葛飾北斎。ものすごい引越し魔だったらしい。

 年頭にコミットしたことの一部がようやく果たせた、といったところだろうか、サイトの、専ら色調の変更を中心とする修正作業が完了し、再びこうしてコンテンツの更新作業に取り組む余裕も少しだけできた。ホント、少しだけ。
 というのも、このところなんだか妙に忙しく、家に戻るのが遅くて、考えるのに十分な時間が持てないのだ。

 ・・・・・・などと泣き言まがいの言い訳並べても仕方ない。コンテンツの充実は淡々と続けていくしかない。そもそも今回の変更は、そのための仕込みみたいなもんである。やったことは、色とロゴ、そしてボタン位置の変更なのだけれども、全ては自分の生産性向上のためだ。薄緑の細かい斑を背景にしてると、とにかくもう目が疲れて疲れて、このままでは失明しちゃうんぢゃないか?って不安になったのだ。だってさぁ〜、朝起きたら目脂でまぶたがくっついて開かないことがあるんだもん。

 しかし、思えばなんちゅう徒労だろう。苦労してやったことは結局、以前と変わらぬ黒背景に寒色系の色調への回帰ではないか。オカルトサイトみたいな(笑)。
 まだトップページのデザイン変更が残ってるが、次の作業の一環としてやる予定。これまた手間のかかる、そして金までかかるうっとーしー作業になる。

 いや〜、表面的には変わったものの、内部構造は何一つ変わっていないのである。実は今のレンタルサーバには容量追加ができない、って欠点があって、このままでは一杯になってしまうのだ。。チリも積もれば山となる、一枚一枚の画像はとても小さいが、あまり考えずにボンボン並べてたら、アッとゆう間にディスクスペースは払底してしまった。使用率は既に7割を超えた。枯渇する日は刻々と迫っている。

 これはマズい。

 以前から暖めてる企画で、旅行で集めた古いパンフ類をアップして行くっちゅうのがある。そのための画像取り込みも少しづつ進めてたりするのだが、いくらなんでも320×240ピクセルではどうにもならないので、かなりの大画像にする必要がある。それに音楽作品だって諦めたわけではない。しかしコイツもまた、どんだけMP3を圧縮してもかなりのファイルの重さになってしまう代物だ。
 もはやディスクスペースの確保は、小手先の姑息療法ではどうにもならない、不可避の問題になりつつあるのだ。加えて、ここまでファイル数が膨らむと、シングルディレクトリではファイルの整理もままならない。

 いくつか方策はある。

 今のURLを残したまま、他に小さい容量のレンタルサーバを複数確保して並列的につないで行く、っちゅうのが個人サイトではワリと一般的な手法だろう。「本館」「別館」「新館」なんて名前がついてたりするパターンは、たいていこれだ。
 しかし、この方式は契約管理がめんどくさい、っちゅう最大の問題があるし、構造によってはいろいろ制約あったりする上に、何よりなんとなくケチ臭い。やはり、可能な限り容量の大きなサイトを確保した方が、ちょっとお金はかかってもスマートに運営できそうな気がする。
 それに世の中、機器類はますます進化してるから、ある程度大きなスペース確保しておけば、そのうちもっと融通の利くレンタルサーバーサービスに進化することだってあるかも知れない。

 結論は出た。あ〜あ〜あ〜あ〜、またまた引越しだ。

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 何はともあれ、疲れた。

 物事を進めるに当たって最も重要なことは、大枠の部分でのタクティクスである。仕事で言えばロードマップ、絵ではデッサン、小説ではプロットがこれに該当するだろう。
 そう分かってたはずなのに、おれはWebに関する知識もロクに持たぬまま、勢いだけで突っ走ってしまった。CSS使わずにベターッと全部html、何もかんもルートに詰め込みまくったシングルディレクトリ・・・・・・気づいたときにはシートが約500枚!これで良好な可塑性やメンテナンス性が確保できるワケあらへん、っちゅうねん。一枚づつ読み込んでは、チョネチョネ修正して保存、を何べん繰り返したことか。

 ・・・・・・まるでアホだ。ひび割れた甕に水を汲み続けてるに等しい。

 ともあれ次バージョンは秋の終わりまでにスタートさせようと思ってる。Ver3.0・・・・・・お〜!かっけぇ〜!(笑)。
 見た目はこの「第2期ファイナルエディション」(笑)を踏襲するので変わらないが、サブディレクトリにファイルを分類するので、htmlの記述をまたまた1ページづつ修正してかなくてはならない。ま、見た目変わらないんだし、ちょっとづつ気長にやることにしよぉ〜、っと。

 言うまでもなく、コンテンツそのものの拡充を忘れたわけではない。そのための器作りで、疲労困憊して倒れ臥してちゃぁ、本末転倒も甚だしかろう。ただ、今の脆弱な器ではとても新規に創るだけのパワーが出てこないのも事実だったのだ・・・・・・って、今はまだURL移転ができてないので器が大きくなったワケではないから、ま、ヤル気もそんな戻って来たワケぢゃないけどね。

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 そんなこんなで1ヶ月以上にわたって完全にサイトは更新停止状態だった。

 にもかかわらず、アクセス数はさほど落ちなかった。こんな残なくも拙いサイトなのに楽しみにしてくださる方がいるというのは、本当にありがたいことだ。美辞麗句や世辞で言ってるのではない。本心からありがたいと思ってる。
 別に対価をいただいてるわけではないけれど、それには誠実に応えて行くしかない。だから、なるだけ早急にURLは移転して、シッカリと体制を整えたら再び進んで行こうと思ってます・・・・・・よろばいながらも(笑)。

 そうだ!ちょっと早いけど時期的にそろそろ第3年次を迎える、っちゅうのもあるので、最後に一つだけいささか傲慢な言辞を述べて本稿を終えることをお許しいただきたい。

 これまでおれは、J・ケージの「あなたにとってそれが衝撃でさえあるなら、あなたはそれを音楽と呼ばずともかまわない」、なーんてアフォリズムを引き合いに出しては、自分のやってることは単なる表現行為に過ぎない、それがアートだとかゲージツだとかはどぉでもいい、というスタンスでやってきた。
 しかしよくよく考えると、却ってこれは「自己卑下」っちゅう名の予防線を張った、まことに卑怯で浅薄な韜晦趣味にも思える。いっそ思い切って、こう言った方がよほど素直なのかもしれない。

 「これはエッセーとか旅日記という体裁を纏ったアートです」、と・・・・・・あ〜あ、言っちゃった。


ベートーベン。この人も引越し魔で有名。

2007.08.22

----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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