「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
性的であることと性行為の間


そりゃごく稀にこぉゆうのも撮ったりしますけど・・・・・・でも、全体の1%あるかなしか。

 ・・・・・・っちゅうのはもちろん地続きっちゃ地続きと言えるんだけど、同時に深い懸隔があるようにも思う。まぁ、それは人に依る点が大であろうし、タイミング、その時のノリ等にも或いは依るかも知れない。

 ただ、男女が二人で過ごせば、それは多かれ少なかれ性的な時間であることは間違いないと思ってる。単に自分がスケベで劣情の塊なだけなんだろうが、おれは男女の間の純粋な友情なんてモンを昔からこれっぽっちも信じてない。ウソこけ!エエカッコすんな!ボケ!と。そんなの綺麗事に過ぎず欺瞞の極みだろう、と・・・・・・インポとか不感症とか同性愛者なら分からないでもないが。あ!それにどっちかが絵にも話にもならないくらいにブサイクな場合も無いか(笑)。
 下心/警戒、好意/嫌悪、仄めかし/はぐらかし、受容/拒絶、高揚/落胆、期待/失望、興奮/沈静、快/不快、押し/引き・・・・・・いろんな相反する感情やら行動の予定調和の無いせめぎ合いがそこにはあって、だから楽しい。

 そのプロセス無しにえっちしてもあんまし面白くない。いささか下卑た言い方をさせていただくなら「落とす」までがおれとしては楽しい。ヤるのはまぁその後の付録のようにも思う。いやまぁ、いろいろ立場とかがあって最近はそぉいった活動は封印してるんだけどさ。

 ・・・・・・って、いきなり出だしから話が逸れた。今日はそんなことを書きたいワケではなかった。野外でヌードを撮影することの自分の中での立ち位置みたいなモンをちょっと整理してみようと思ったのだ。

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 デジカメやケータイの普及によって現像とプリントっちゅう二大障壁が無くなったおかげで、今やネットには一般ピーポーによるハダカが氾濫してる。エラそうに書いてるおれだってそんな中の極めてチンケでチキンな一員に過ぎない。銀塩時代ではとてもここまでナサケ容赦なく撮りまくれなかったもんな〜。
 しかし大衆化が進むって大抵の場合、ロクなことが無い。自動車が普及したせいで大気汚染が進み、鰻や鮪をスーパーがバカみたいに安く売りまくったオカゲで種が絶滅の危機に追いやられ・・・・・・といったこれまでも挙げた例からもそのことは容易に分かるだろう。だから大衆化をおれは心底唾棄してるんだけど、デジカメでみんなハダカを撮りまくるっちゅうのだけはさほど害悪もない・・・・・・たまに河馬みたいなババァ晒して目の毒とかはあるけど(笑)。ともあれ大変良い傾向ではないかと思ってる。みんなもっとジャンジャンやれば良い。

 それはともかくとして、当然ながらそれらの中には野外で撮ったモノも星の数ほど溢れ返ってる。その写真の出来栄えはもぉピンからキリまで玉石混淆であって、ピントは合ってないわ荒れまくってだわでボケボケのモノから、プロはだしのモノまで様々だ。その巧拙をここでツベコベとやかく言う気は毛頭ない。大体、技術的にプロはだしだからって必ずしもそれがゲージツってワケもなければ感動を呼ぶものとも限らないし、逆の場合だってあるのだ。それにこんな風に有象無象のカオス状態だからこそ一つのシーンの盛り上がりとして面白いっちゅうのもある。

 ただ、各人が何を考えて撮ってるのか?は伺え、いくつかにパターン化が出来るように思う。概ね以下の3つのケースに分類されるだろうか。

   1.撮影という行為自体がプレイ・・・・・・すなわち性行為の一環である
   2.プレイの記録として撮影している
   3.とにかく作品を撮りたくて撮影してる

 「1」はとにかく所構わずガンガン撮りまくり、あまり写りそのものは気にしてないってコトが多い。だから構図にもポーズにも何にも拘らず基本日の丸オンリーで、ISOが跳ね上がって荒れまくろうが、ポン焚きしすぎてどれも背景が真っ黒だろうが、ブレようがボケようがお構いなしである。狷介固陋な皮肉屋のようで案外許容範囲の広いおれからしても「これはナンボなんでもちょっとなぁ〜」と思ってしまうのが大半だ。しかし中には、その中からセレクトして「3」としてアップして来るケースもある。
 「2」はハメ撮りだとかSMだとかスワップだとか露出趣味だとか、やろうとしてるコトが割りと明確なんですぐに分かる。好んで人が歩いてるトコをロケーションに選んでみたり、野外で吊るしてみたり、ジャラジャラとラビアのピアスを見せつけてみたり、撮影はあくまで従であって記録に終始してる。これも上記同様、チョイスして「3」を標榜するケースがあったりするけどね。
 「3」は構図やロケーションに拘ってたり、機材やテクニックに拘ってたりして、何とか一枚の絵にしようってなパターンだ。甘ったるいくらいに小道具やら演出、ライティングに凝ってるケースもある。不思議とこのパターンの場合、画像に入れるバナーやシグネチャーにディズニー映画のタイトルみたいな装飾文字系のクネクネした筆記体のフォントを好む人が多い。何でやろ?ちなみにおらぁ味も素っ気もない代わりに視認性に優れたVerdanaしか使わないことにしてるんだけど・・・・・・あ、Helveticaもプレーンで好きだな。

 欲張りな1〜3の複合型(笑)もあったりと完全に色分けは難しいとは申せ、大体こんな感じだろう。無論、どれがいっちゃんアートだとか俗で愚劣なコトを言う気はないし、何だかんだで衆目に晒してる点でどれも一致してるのだから畢竟同じ穴の貉・ドングリの背比べだ(笑)。それにこれがまた難しいっちゅうか不思議なところで、「1」やら「2」のケースでも図らずも結果としてアートとして成立しうることもあれば、「3」だってマンネリな退屈の極みで箸にも棒にもかからないコトだってある。発信する側の意思や努力や技巧だけで安易にアートが成立するなら誰も苦労せぇへん、っちゅうこっちゃね。

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 ・・・・・・で、オマエはどれなんだ?と訊かれたら、間違いなく「3でありたい」と答える。無論、断言はしないよ。「でありたい」と願望を表すのみだ。いやいやいやいや奥床しいワケでもなければアートぶって高踏を気取りたいワケでもない。とにかく本気で美しく撮りたいっちゅうその一心だからだ。そりゃぁ長考が嫌いでヘタな鉄砲の伝でとにかく数を撮りまくるタイプではあるんだけど、決して「1」ではない。
 それどころか意外に思われる方も多いと思うけど、いささか残念ながら野外で撮影するっちゅう行為は、別におれにそれほどの性的興奮も高揚ももたらしてはくれないのである。むしろ撮るほどに醒めて冷徹になってくようにさえ思う。周囲への細心の注意は元より、緊張感だって絶えず強いられる。こんなにエロなおっさんの分際で、マジでそうなのだ。ぶっちゃけちょと悲しい。

 その辺のねじくれた位相が素直でないっちゅうか、おれのめんどくさい所であるのは良ぉ〜く自覚してるし、ズレてヘンな所でもあろう。ヨメも若干辟易する時があるくらいだから相当なんだろう。もちろん、加齢のせいで若干精力が衰えて来てるのも影響してるかも知れない。うぅ、悲しいぜ!切ないぜ!遣る瀬無いぜ!2〜30代の頃ならもっとあっけらかんとただもう撮影するだけで性的な快感を伴えたかも知れないモンな。

 そりゃもちろん、若い頃からハダカの撮影はしてる。改めてここで言うまでもなく温泉写真だ。これだけでも画像は山のようにある。でもそれはヌードではなくて単なるネイキッドってモンやんかって思う。温泉に入るっちゅう行為の膨大な記録ではあるけど、温泉に入るのはプレイでもなんでもない。だから、いささか性的ではあるんだろうがホントただの旅行の記録だ。
 そんなんだから、今更改めて温泉をロケーションにしてチャンと撮ろうって気がどうしても起きない。むしろ、絶対に風呂はロケーションにしたくないくらいだ。過去のからリサイズしてまとめ込むことはひょっとしたらあるかも知れないけど、新たにそこで「ヌード」を撮影をすることはないと思う。我ながら誠にヘンな拘りだとは思うけど、ホントにそう思う。

 なんかウダウダと書き連ねてしまった。要するにおれの野外でのヌード撮影は性的ではあるものの(そりゃぁ大股開きなんかもバシバシ撮るんだから、性的でないと強弁する方が無理があるってモンだろう、笑)、決して性行為には直結してはないってコトだ。もっと生意気言わせてもらうなら、直結させたくもないし、それならこんな大層な道具買い揃えたりはしてない、ってコトだ。

 性的であることと性行為の間に敢えて懸隔を設けて考えること、大袈裟に言えば「峻別」とか「節度」ってコトなんだろうが、野外と言わずともハダカの撮影にはすごく大事なコトなんぢゃないかとおれは思う。

 ・・・・・・な〜んてしち難しく書き倒しといて最後に太平楽並べさせてもらうなら、モデルは常時募集中でございます。

2016.11.18
----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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