「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
三度目、いや四度目の正直・・・・・・今度はSONAR


どこもしかしGUIは似てるよな。情報量がもぉ多過ぎてタイヘン。

 思えば最初は、何かのオマケでバンドルされてたCubaseのLEだったような記憶がある・・・・・・あぁ、そうだったそうだった。DTMに興味が出て来て、M−Audio製のオーディオインターフェースの安いのを音家で買ったらそれに付いてたんだった。いや、その前にフリーソフトで名高いミュージックスタジオを試しに使ったこともあったっけ?ちょっとばかしGUIが使い辛いのと、軽いと言われてるワリに当時のおれの貧弱なスペック(・・・・・・って今使ってるのも貧弱だわな)のPCではコケることが多く、使い辛く感じてそれっきりだったんだ。
 キューベは世評はそれなりに高かったんだけど、おれ的にはこれもやはり何だか使いにくくて、しばらくプラグイン足したりして遊んだものの、トラックダウンあたりで精魂尽きたのと、LEがその後仕様変更か何かで事実上マトモに使えなくなったりムリヤリ有償版の上位グレードに誘導するようなアコギな遣り口が気に入らなくてまたもや放置。

 も少しサクサクやれるのがエエなぁ〜、とばかりに懲りもせず次に入手したのが、パターン切り貼り系の元祖と言えるACIDだった。理系っぽいっちゅうか、どこかラボ的でややこしいイメージの広告が多い中、これはイージーオペレーションでダンス系トラックメーカー的な雰囲気だった。その頃はHookUPが製造元でソニーが売ってたんぢゃなかったっけかな?知らんけど。
 実際これは取っ付きやすかったんで結構使った。Independenceって素晴らしい音質の無料音源入れたりして、過去のバンド時代の楽曲を打ち込みで再構成したりしてしてた・・・・・・が、そのうち猛烈に仕事が忙しくなって手が付けられなくなってしまったのだった。写真やら何やら他にやらんならんこともよぉさんあったしね。

 ・・・・・・はぁぁ、何年を無為に過ごしたことやら。

 今はもう大層にPCの前に陣取って音楽制作する時代ぢゃなくなって来てるのはジュージュー焼肉、もとい重々承知してるツモリだ。i−PnoneにだってGarageBandが初めっから入ってるご時勢なんだもんな。やろうと思えば電車の中でだって公園のベンチでだってできる・・・・・・いや使ってみたんですわ、これも、試しに。でも老眼出始めたワタイにゃぁ画面小さすぎてどもならんかったです、ハイ。

 少しマジメな話をすると、そんな必死こいてとかぢゃないけれども、どこに出すアテもないまま浮かんできた曲のネタだけはズーッと密かに貯めて来てたんっすよ。貯金はちっとも貯まらんかったけれども、リフやらフレーズばっかしの断片とは申せ、色んな形でフォーマットは一貫してないとは申せ、随分とこっちの方は貯まってた。それにもし新たに何か考えろ!っちゅわれたら、良し悪しはともかく50でも100でも出せる。それが手付かずのままになって行くのはやはり少しばかり口惜しい。だからって断片のまま中途半端にネットに上げても仕方ない。パクられたらムカつくしねぇ。ならばやはりある程度楽曲としてまとまってなければどぉにもならへんやんか。

 そんなんで過去のパンフ類の取り込みと並んでボリューム的に大きい懸案事項に手を付けることにしたのだった・・・・・・おいおい、カラダは一つやで!どぉすんねん!?おれ!?

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 調べてみるとACIDもとうに身売りされちゃってて、今はドイツのMAGIXに移っちゃってんのね。別に義理があるワケでもなし、気分一新、ゼロベースで基盤は選び直してみようと久しぶりにこっち方面に気合入れて調べてみると、過去にRolandが取り扱ってたCakeWalkのSONARがやはり今は、BandLabに身売りされただけでなく無償化までされてて、Windowsで動かすにはまずいっちゃんのオススメな〜んて出て来る。何でもトラック数やプラグインに一切制約が無いのが良いらしい。ただ、近日中に再び有償化の噂があったりは、この業界共通の不安要素ではあるんだけどね。いきなり明日10万払えとか言われたら困るしな。
 ホンマこの業界、里子に出したり貰ったり、急にタダにしてみたり金取って見たりコロコロ変わりやがって一貫性とか継続性ってのが全然ダメやね。ベンダーに開発基盤を売ってるんだ、っちゅう自覚と矜持はあるんかね!?

 まぁボヤいててもタダの老いの繰り言、何にも始まらないんで、早速ダウンロード。DAWソフトってプログラムファイル自体の容量はどこもそれほど大きくないんでアッちゅう間に終了。バンドルされてる音源は無料ゆえまぁそれなりなのは御愛嬌、探せば無料VSTなんていくらでもあるだろう。ついでに古本だけど解説本もアマでポチッと購入。うわ!古本のクセにメチャ高いやんけ!さらなるついででノートの画面ぢゃどうせ見辛いだろうからフィリップス製の安物だけど大きさだけは十分な27インチのサブディスプレイも購入。そしたら机の面積足りなくなって、延長の小机まで買わんならん羽目に陥ってしまった(笑)。何だかんだでかなりな物入りだ。
 解説本を読みながら実際に動かしてみるが、デモソングの再生でいきなりDAW名物とも言えるフリーズ・・・・・・いや、こりゃ素人のおれでも分かります、って。こんなアホみたいによぉさんのオーディオトラック数で曲の再生したら、わてのPCぢゃ耐えられまへん。そらあんさんあきまへんわ。

 まずは空っぽの器を拵えてベースラインとドラム、後は若干のSEに絞って打ち込んでみる。そうなりゃお手本はDAFだ。「Sato−Sato」やら「Der Mussolini」やらその辺。やっぱし「Alles ist Gut」は名盤やなぁ〜、でもまぁエエ時代やったなぁ〜、こんなシンプルな構成で売れたんだから、多分MS−20とSQ−10だけでやってたんちゃうやろか・・・・・・とかナントカ独りごちながらコツコツ・チクチクとマウス操作。うん、今まで使ってたんとさほど操作は変わらへんやん。
 これもDAWあるあるで、こうしてちょっとづつ慣れて来ると這えば立て立てば歩めのナントヤラ、標準バンドルの音源が物足りなくなって来る。標準のTTS−1は使いやすい分、やはりちょっとばかし重厚さに欠ける。
 過去の愚から何も学んでないな、おれも。慌てて全くもっての泥縄で音源を追加することにする。星の数ほどフリーのプラグインがネット上には転がってて、選ぶのに苦労するのは今も昔もあんまし変わらない。これも世間の評判を信じて、ムーグをエミュレートしたらしい驚くほどシンプルなモノシンセで「MG−1Plus」、アホみたいに音源数の多い「Komplete Start」、あとはスネアのヌケが良さそうってコトから「MT−PowerDrum」ってのを足してみた。残念ながら気に入ってたIndependenceはどうやらこの何年かの間に無償配布を止めちゃったらしい(※註1)。でもまぁ音源なんて増やし過ぎてもロクなコトがないわな。

 しっかしシンセはともかく、今時の音源ってもぉプリセットが加工不要なくらいバチバチに作り込まれちゃってんのね。いやまぁそらオマエがKontaktにしたからやろ!?っちゅわれたらそうなんだが、コンプとかディレイ/リバーブとか最初からどれにも少し濃口に掛かってたりするからストック状態で十分使えちゃう・・・・・・が、逆にナマでラフな音とかが簡単に出せない。みんなグォ〜ン、ズォ〜ンって重厚長大、っちゅうか。だからペケペケでチープな音を出すのが逆に苦労する。
 初めっから残響処理まで入ってて、グリグリと呻吟しながら弄り倒す手間が省けるのは大変良いコトなんだろうが、おれには何だか最近流行りの高級レトルトカレーみたいに思えて仕方ない。お湯に漬けて3分でなるほどこの味は恐ろしく便利だし素晴らしいし、美味いか不味いかっちゅうたらもちろんムチャクチャ美味く出来てんだけど、どうにも幅が狭いっちゅうか、融通が利かない。

 ・・・・・・気が付いたら、標準バンドルの今となっては素朴とも言える音源をかなり使ってる。

 考えたらおらぁそこまでややこしいコトをしたいワケぢゃないんだった。リズム隊に最小限のキーボード、あとは覚え書きのようにメロディラインとかを入れて、ギターはまぁ自分で弾くし、ベースも弾けそうなら弾いてシンセと差し替えるし、ドラムは・・・・・・こりゃムリやな。つまりはリズムボックスとか昔のカセットテープ使う4トラマルチレコーダーに毛の生えた程度に動いてくれれば十分なのだ。
 強いて言うなら、いささか変態チックなアイデアではあるけど、MIDIでVolcaを音源として鳴らしながらリアルタイムで弄って再現不能な音色の変化を加えたい、ってのもあったりする。だけどそれもせいぜい3台くらいなんで、そんなに大層なことはない。

 本当に音楽って料理と似てる。凝って時間掛けてあれこれ際限なくブチ込めば美味いモンが出来上がるっちゅうワケではない。

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 何だかんだで空っぽの器だけはもぉかなり拵えた。折角の大きい画面でも一つ一つの情報は小さいからマウスを持つ手が滑ったりもする。ミィヨヨヨヨ〜♪とかストコトドテチュビッシャン♪みたいなDAW触ったことある人ならご理解いただけるであろう奇妙な音を立てながら、少しづつ断片を繋いで可視化して行く作業は続く。地味だけど楽しいし、歳食って身体動かなくなってもこれくらいならやれるかも知れない。

 ・・・・・・でも、欲しいのはやっぱし人間のメンバーだよな。音楽は人力が一番っすよ。


※註1
 Independenceは探してみたところ、MAGIXからフリー版の提供は続いてることが判明した。時限かどうかは知りません。
※註2
 ご参考までに、現在のハードの構成は下記の通り。いやまぁマジでショボいけど、十分やれます。
 ●PC+外付けモニター+外付けSSD
 ●オーディオI/F:YAMAHA AG03
 ●MIDIキーボード:CASIO GZ−5
 ●ミキサー:MACKIE MIX12FX
 ●外付けシンセ:KORG Volca Bass・Beats・Sampler
 ●MIDI I/F:MIDITECH Midiface4×4
 ●モニタースピーカー:FOSTEX PM0.4nr
 ●マイク:AUDIX OM−3


無料とは思えない完成度の"Komplete Start"

2023.12.06

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