「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
続・おっいっらっわぁ〜ドォ〜ラマァ〜♪


これは18インチだし、トップにブームスタンド使ってるけど、イメージ的には大体こんなんです。

https://www.pearlgakki.com/より

 ・・・・・・今回は本気です。

 ヤマハの古い、恐らくは80年代前後のYD−3000と思われるヘアラインレッドの5点キットをドナドナしたことはしばらく前に書いた通りだが、ヤッパシ八ッ橋、タイコは欲しい。
 ドナドナした理由には、手に入れて見たものの叩く時間がない/叩けない、思ったよりあちこち状態悪くて再生に金掛かりそう、っちゅうのももちろんあったけど、ぶっちゃけ所有欲の点でいささか悲しくなる代物だった、っちゅうのが正直ケッコーあった。やっぱし安いグレードは細かい部分のハードウェアの造作とかが頼りないんっすよ。それにナンボ音に材はあんまし影響しないって分かってはいても、メランティと言われて嬉しくなるヤツは世の中に一人もおらんだろう。要するに「ラワンのベニヤ板」なんだから(メランティはああいった南洋材の総称らしい)。そんなんでドナドナ以降も出物をズーッと狙ってたのだった。

 しっかし、この前もその流れで同じことボヤいたけど、最近のタイコってマジでどこも胴がメチャ薄いのね。薄胴シェルブームって、実はあまり良いとは思ってない。だってやっぱし道具として華奢なんだもん。4mmとか5mmとか、ホンマもぉペラペラですやんか。だから内側にレインフォースメント付けたりするワケっしょ?それでもボカスカ叩いてたらネジ穴だってすぐにバカになりそうで、どうもイマイチ信用できない。
 いろんなハードウェア付けて、皮張って、それらのテンションにへこたれない硬さを担保するならば、やはり昔ながらの標準的な厚さ7〜8mm、材も信用と実績の堅いメイプルかバーチシェルだろう。そぉいやエレキギターのTOMタイプのブリッヂが、弦の張力でネジ穴がバカになって倒れ込むコトがまれにあるが、ほぼこれもSG等の柔らかいマホガニーでのみ発生するトラブルだ。レスポールとかのメイプル材ではまずない。

 ところがこの条件に見合うのが、今はホンマに少ない。これくらいの厚みを確保してるのは、ヤワなポプラやバスウッド等を使った安いシリーズばかりになって、メイプルだとパールの昔からの定番のヤツくらいなのである。しかしこれは素人が手を出すにはあまりに値段が高い。
 予算の都合だってあるし、仕方ないからパールの「ディケイド・メイプル」(6ply/5.4mm)ってぇのか、タマの「シルバースター」(バーチ6ply/8mm・6mm)あたりで手を打とうって考えた。薄胴ではあるけど中級グレードでハードウェアもまぁまぁだし、定番品で数が出てるからアフターパーツもシッカリしてる。見た目も安っぽくはない。ところがこれだと否応なしにスネア含む5点セットになってしまう。やっぱスネアはメタル欲しいし、タムは2個も要らない(そもそも叩けないのだから、笑)、バラで買ったら割高だし・・・・・・さぁ困った。

 そうそう、5点セット。これも問題で、昔は基本キットっちゅうたら20−12−14(・・・・・・あ、インチね)にメタルスネアの4点が、どのグレードでも基本的な組み合わせだったのが、いつの間にか22−10−12−16とか18−10−12−14に同じ材のウッドスネアを組み合わせるのが一般的になり、シングルタムだと今度は途端にバスドラが16とか18ばかりになって20がとても少ない。小口径・小口径って、リフターで持ち上げてたら場所食うのあんまし変わりませんで。

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 デジマートやハードオフ、ヤフオク、メルカリ、ジモティまでもシンネリとウォッチする日が続いた。おれの好みのはまずもって出てない。あっても納屋から発見されたような60年代のパール「バレンシア」とか、ジャパンビンテージと呼ぶのもいささかおこがましい、ただの粗大ゴミみたいなんが5万円とか、ふざけてるよね。足許見過ぎや!っちゅうねん。
 ジレて半ばバックレ気味になって、もぉ安いのでいいや、とパールの最廉価シリーズである「ロードショウ」のカタログ外18インチ・ボップキット(RS586)にしようとしたらディスコンだし、オッサンの逡巡のゴールとしてあまりにありがちなラディックの16インチのブレイクビーツにはどうしても食指が動かんし、グレッチの「カタリナクラブ」(16か18)は法外なくらいに値上がりしたし、迷走してタマの変態カクテルキットはやっぱあんましだし・・・・・・と、決めあぐねてたある日、唐突にそれはアップされたのである。

 中古のパール・マスターズ・カスタムの20−12−14の3点キットだった。グレードとしては当時の上の方だ。モノはかなり古いけど、大昔からある超定番のメイプル6ply/7.5mmシェルで、サイズも正におれがイメージしてた通り・・・・・・うわぉ!理想ですやん。オマケに激安。大して中身は変わらんクセにコロコロとシリーズの呼び名が変わるのが伝統的にパールの欠点なんだけど、現在の「MRS」ってのにほぼ相当するワケで、そう考えると定価の8割引きくらいになってる。いやむしろダイキャストフープとか現行品(プレスフープ)なんかよりもシッカリしたパーツが奢られてるぢゃあ〜りま温泉。色は古風なカバリングのマーブル柄とかが好きだけど、今はそんな太平楽並べてる場合ではなかろう。
 考えてみて欲しい。ちょっと古いけど状態の良いポルシェの911カレラと新車の982ならどっち買いますか?ってコトだ。よっしゃぁ〜!・・・・・・と思って再びサイト見たら何たることか!落ちてしまってた。つまり売れたってコトだ。分かるヤツは分かるし見てるヤツは見てる、ってコトっす。油断も隙もありゃぁせん。正直シオ垂れたね。のぴょぴょ〜・・・・・・。

 数日後のコトだ。意気消沈したままそこのサイトを再び開いたおれは目を疑いましたわ。どぉしたことかソイツ、また出てやがんの。もぉこら買うしかないっしょ。とは申せ、キャンセルなったっちゅうのがちょっと引っ掛かったのもあり、テキトーに理由を付けて仕事切り上げて、都内某所にある楽器屋までおらぁ現物を見に行ったのだった。現場・現認・現実の三現主義は大事だ(笑)。
 店の隅っこにソイツは積み上げられてた。見てみるともちろんヘッドは打痕だらけだし、経年の色灼けですっかり元の色とは違う色目になってるものの、あとは目立つ傷は殆どない。古いドラムに付き物のハードウェア周りの錆やビッツもない。よほど大事に使われてきたんだろう。

 店員を呼び止めておれは尋ねた。

 ------あの、これ買おうかなと思ってるんですけど・・・・・・
 ------ありがとうございます〜♪
 ------・・・・・・で、ちょっと前に一度売れてましたよね?コレ。
 ------あ〜、はいはい。売約入ってました。
 ------何でキャンセルなったんですか?何か問題点があったとか・・・・・・
 ------ハハ、それですか。いや、色が灼けてたのと、ジャズには音がタイトすぎだからみたいです。
 ------へ!?それだけ?
 ------はい。

 15分後、さすがにお持ち帰りは出来ないから手ぶらだけど、手続き済ませて満面の笑みで店を出るおれがいた。アホはホントいつまで経っても治りませんです、ハイ。

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 もちろんバスドラ・タム・フロアの3点だけではドラムにならない。何はなくともスネアが要るんで、これはすぐに買った。至極一般的な5.5インチのクロームメッキのスチールで安いヤツだ。店でスチールのを並べてもらって叩き比べてみたんだけど、価格差ほどに有意な差は何も感じられなかった。強いて言うなら付いてる様々な部品の共鳴とスナッピーの締まりが安物は良くない、ってな気がする程度だ。
 キックペダルやハイハット、シンバルスタンドも要る。まぁ、このセットでラックマウントにするバカはおらんだろう。やっぱしヴィンテージライクなフラットベースのストレートをニョキニョキ並べるのが似合うに違いない。当然シンバルだって何枚かは最低必要だ。もぉ予算が厳しくなってきたからゼンとかプレテク等の音家のPBにしようかな?ワリと評判も良いみたいだし。家で叩くならメッシュヘッドやら下に敷くマット等、他の道具も欠かせないだろう。

 実はセットアップに向けての準備は着々と進んでおり、手配はあらかた終わった・・・・・・どころかすでに家に到着したものも多数あって、元々モノまみれで狭いおれの部屋は現在タイヘンな状態になってる。

 繰り返す。今回は、本気です・・・・・・ボケ防止のためにも(笑)。


揺れるが足許スッキリのフラットベーススタンド。

同上

2019.09.08

----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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