「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
ストラトがサイコー!!



もし次に買うならこのカラーかな・・・・・・

 「ギターなんて要はチューニングがカチッと合って、フレットがビビッたりせず、サスティンがある程度効けば何でもええのである。」

 ・・・・・・と、ちょっと前にえらそうに書いたばかりだけど、エレキは通常立って演奏するモンである。だからやっぱ弾きやすさっちゅうか、カラダへの馴染みやすさみたいなもんも非常に重要であろう。
 それにもっと大事なのは見てくれ、ルックスだろう。ヘビメタバンドがES−335のチェリーレッドのセミアコとリッケンバッカー#330の12弦なんか持ってたらやっぱし異様だし、パンクバンドがアレンビックやポールリードスミスの手工芸品みたいなギター抱えててもサッパリ似合わない。「TPO」やら「オブリッジ」はどうしたって必要なんだろう。

 そんなこんなで、色々な要素を総合勘案しておれが今いっちゃん好きなギターは、昨年めでたく生誕50年を迎えた「ストラトキャスター」もしくはそのコピーである。 メーカーなんてどこでもいいや(笑)。
 ま、欠点もそれなりにあるけど、何よりフェンダー系に共通する「適度なチープ感」がまず良い。それとエバーグリーンなデザイン。あとはとにかく軽くて扱いやすいのと、カラダにフィットしやすいこと、トレモロが良く効くこと、音色の幅が広いこと、デザインが何にでも合うこと等が理由として挙げられる。あと、弦長が心もち長いのが、音に張りが出ていい。
 欠点としてはまず、ピックアップが3つもあることだろう。ハッキリ言って真ん中のはまず使うこともないし、弾くのにジャマなだけだと思う。あとそれとボリュームが1ケしかないことと、トーンがリアピックアップに付いてないことがちょっと操作しづらい。さほど大きな欠点でもないが。
 よく言われる「チューニングが狂いやすい」は、そんなに気にならない。狂わないようにすりゃいいのだ。そんなにむつかしいことちゃいまっせ。あんまし糸巻きにたくさん弦を巻きつけず、ストリングガイドとナット、ブリッジに油注して弦の滑りを良くして、あとおれはフローティングにしないので、後ろのスプリングを少しきつめにしとくと、まずほとんど狂わない。

 それにさぁ、ちょっとくらい狂っても、勢いで弾き続ければええねん。それがロックっちゅーモンやおまへんか?

 テレキャスもすごくいいのだが、ちと重くて取り回しが疲れる。よくボーカリストがロクに弾きもせんのにテレキャス持ってるが、おれには不思議で仕方ない。レスポールJrとかミュージックマスター、リッケン#320でも持ってろ!と言いたい。
 んでもって、ジャズマスはコントロールがワケ分からない。ジャガーはもっと分からない(笑)。ムスタングとかデュオソニックとか、その他もろもろはストラトがあればあえて買うほどのことはなさそうな気がする。どれも持っていたら楽しいだろうけど。
 そんな中で最近おれがちょっと注目してるのは「サイクロン」である。ストラトをうんとシンプルにしてムスタングのデザインをミックスしたようなヤツで、試しに弾いてみたらすごく快適だった。でもまぁ、ストラトで充分ってカンジ。

 ・・・・・・とまぁ今は手放し絶賛状態なのだが、最初にエレキに興味を持った中学生の頃は、ギブソンvsフェンダー、レスポールvsストラトという対立関係の中で、ギブソン系の方に軍配が上がるように見えた。カタログ見てもセットネックの方が優れてる、みたいに書いてあるし、作りも何だか見るからに板を張り合わせたみたいで、「いい音出なさそう」な気がしたのだ。
 それとだ。周囲の友人の意見(これがガキの狭い世間の中では極めて重い、笑)はおおむねストラトに否定的だったのだ。

 ------あれって、むつかしいんやて!チューニング合わせるだけでタイヘンらしいで。
 ------ごっつい弾きにくくて、上手でないと引きこなせんらしいで。
 ------音が細くて大きい音出んし、マーシャルつながんとディストーションかからんらしいで。
 ------何かしょっちゅうネジ締めたらんといかんみたいやで。
 ------アームがすぐ折れるんやて。そやからリッチーは(笑)メッチャ太いのに変えてるらしいで。

 いやぁ〜・・・・・・恥ずかしい。今改めて書くと爆笑モンだなぁ。「写真撮られると魂抜かれる」って言ってるのと大差ないがな、こりゃ。

 語尾で分かるとおり、ストラトについて語りながら「誰一人それを実際に弾いたことのある野郎がいなかった」ことが、この会話のもっとも滑稽なところであるが、しかし、ガキの会話なんて風評と伝聞だけで大方は成り立っているものだ。
 言うまでもなく、全部誤りである。5文目はあながち間違いでもないが、それは力まかせにグニャグニャ曲げるから折れるのだ。たしかにリッチーはん、一時期バカみたいに太いトレモロアームをつけてた時期もある。でも、その期間は意外に短い。

 しかしながら、これらの意見が呪縛になって刷り込まれたせいで、おれがストラトに手を出さなかったのは、まごうかたなき事実ではあった(笑)。特にチューニングの問題は、バンドやってた時も不安となって残っており、それでテレキャス買ったのである。
 だから自分でストラトを買ったのは、何と30歳もとうに過ぎてからだった。楽器ギャラリーに載せてあるので詳細は省くが、今は2本ある。2本目に買ったのが大当たりで非常に満足している。だから個人で所有するにはこれ以上同じ形のを欲しいとは思わないが、それでも万一バンドやるとかで実戦的な予備を持つなら、絶対ストラト買うだろうなぁ。
 最初に述べた通りメーカーは不問。何年型かもどうでもいい。色はちょっとこだわる(笑)。何ぼなんでもPhotogenicの9,800円はさすがにイヤだな(笑)。バッカスやBladeあたりの売れ残りがたまに異常に安く出回るが、これがナカナカ具合が良い。先日は何とお懐かしや!フェルナンデスのドンズバ時代(”リバイバル”って呼ばれてたシリーズね)のデッドストックか何かで、ゴールドのモデルが29,800円で楽器屋に出てて、思わず買ってしまいそうになったが、ヨメの呆れ顔を想像して止めた。

 ・・・・・・と、これほどまでにおれはストラトファンなのだけれども、現在は非常に満足するのが手許にあるので、次に所有したい1本はというと・・・・・・実はリッケンバッカーの#620なのです(笑)。なんとも憎めないかわいいデザイン!あれのナチュラルか赤のサンバースト(ファイヤーグロー)、そして全然似合わない轟音で鳴らしてみたい。椎名林檎の歌詞ぢゃないけど・・・・・・誰か頂戴!!

 最後に昨今の「マスタービルダー」制作のモデルやその他についてちょっと触れておこう。たしかに素晴らしい精度で作り上げてあるけど、フェンダーには全く似合わないと思う。仕上がりにバラつきがあるくらいが丁度フェンダーらしくておれは好きだ。だからCBS時代の世評は芳しくないけど、おれは結構好きだったりする。
 それと、レリックなんて新品をオールドに見せるまやかしが流行しているけど、あれも実に下らない。古装仕上げ、なんちゅー工芸品の世界に入っちゃってる。新品を買って弾きに弾きまくって、打痕ガンガンつけて、スクラッチ傷だらけにして自分なりのボロ仕様にしてみせろ!っちゅーねん。
 だからもしおれが本家フェンダー買うなら、絶対味も素っ気もないデラックスかアメスタにします。


とってもお茶目でキュート♪#620

2005.01.10

----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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