「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
自転車に乗った浦島太郎


いや~、タイトルは思い付きだけのネタだったのに、ホンマにそぉゆう絵があるとは・・・・・・

https://aucview.aucfan.com/より

 時間に余裕が出来たら改めてやりたかったことにチャリがある。

 不思議なコトに、この趣味に関してはひじょうに不連続っちゅうか断続的っちゅうか、ハマッてる時とそうでない空白期間がエラく激しかったりする。最初は小学校の終わりから中学生くらい、その次が大学の最初の何年か、そして震災を挟んだ前後くらいだったかな?
 理由は分かってる。自転車っていざハマりだすと、すんげぇ時間取られて他のことが出来なくなっちゃうのだ。まずは当たり前だけど乗る時間。「ポタポタ~♪」とかゆうて近所をユル~く散歩程度に乗るんならいざ知らず、ちったぁ遠くにも行ってみたい、或いはトレーニングとして身体を絞りたい、な~んてなって来ると最低4~5時間は乗らないといけない。ロードバイクだと4時間100kmが一つのベンチマークになってたりするな。出掛ける前の準備だって要る。タイヤの空気は細身な分すぐ抜けるからポンプでシュコシュコやって、着替えて・・・・・・ってママチャリみたいにラフかつ気軽には出発できない。戻ったら戻ったでタイヤ拭いたり、フレームの汚れ落としたり、チェーン洗ったり、ディレイラーやブレーキの調整したりとやることは山のようにある・・・・・・早目に戻ったつもりがもう夕方だ。エクササイズとしてのお手軽さで行くと、道具が大層な分、自転車はかなり面倒な部類に入るだろう。
 おらぁしかしやっぱしギターも弾きたいし、写真も撮りたいし、こうしたコンテンツ整備もやらなくちゃいかんし、どうにも色んな方面にいわば「積読」が生じて来る。それで段々と乗らなくなって来るみたいなんを繰り返してる。

 ・・・・・・言い訳をツラツラ書いたって仕方ないね。

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 そもそも論でこれからそんなにガーッとチャリに打ち込もうとまでは考えてない。休止してたチャンネルの一つを気張らずに再開してみよう、ってだけだ。入れ込み過ぎたってロクなコトが無い。ついでに言うと金も無い(笑)。
 サイクルスタンドに掛けられたままスッカリ埃まみれになってた2台を下ろして、まずは隅々までチェック。陽にも当てず完全に室内保管だったお陰でタイヤが腐ってる以外は何も劣化してない。若干メッキ部分に曇りが生じているものの深刻なビッツではないんで、ピカールで磨いてワックス掛ければOKだろう。ブレーキシューも全然イケそうだ。グリスの硬化の可能性もあったが、ディレイラーも特に問題なく作動する。
 ぢゃぁまずはタイヤとチューブとふんどし(リムテープ)やろ?と、ネットで探してハタと気付かされた。

 ・・・・・・23Cタイヤのヴァリエーションがスッカリ減っちゃってるんだな。完全に主流は25C、ヘタすりゃ28Cに移っちゃってる。慌ててリムとかのスペックを調べたら、これもワイド化に合わせて幅が広くなってる。ひゃぁぁ~!何でやねん!?って完全な泥縄で調べると、レースの世界がそうなちゃってるかららしい。
 何でも、路面抵抗はタイヤを細くすれば減るモンぢゃない、接地面の形状等から25Cくらいの方が出足は重くなるものの、タイヤ自体の撓みによる抵抗とか、コーナーでの踏ん張りとかトータルで見たらちょと太めの方が有利なんぢゃないか?って方に大方の意見が傾いてきた結果らしい。何だかオートバイの進化を見てるみたいだな。

 おれはその辺はオールドスクールなんで、フレームもリムもタイヤも、とにかくロードバイクは細くあって欲しい。ぶっちゃけ23Cでも太いくらいに思ってたし、最近のマッチョでウネウネしたカーボンはも一つ好きになれず、昔ながらの鉄に萌えてたのだ。

 加えてディスクブレーキの増えたこと増えたこと。性能的にはそりゃぁリムブレーキよりは優れてるんだろう。ジンワリ/シッカリを両立してるモンな。もぉホンマ、片持ちで繊細に肉抜きされたキャリパーなんて遠からず消えて行く運命にあるんだろう。でもゴタゴタしてるしややこしいやん。MTBみたいやん。
 それと、色んなケーブル類!全然見えへんやん。チャリには前後のブレーキと前後の変速機で最低4本のワイヤーが取り回されるのが一般的だったんだけど、それが見えんとはどぉゆうこっちゃい!?ってこれまた調べたら、要はフレーム内蔵が進化しまくったこと、変速機では無線変速が普及したことが影響してるみたいだ。

 その結果、良く言えば見た目がシンプルでスッキリした、悪く言えば何だか細かい描き込みが不足して殺風景なロードバイクが最近の主流ってコトだ。そしてそれはハイエンドだけではなく、エントリークラスのちょっと上くらいにまで及んで来てる。
 恐らくこうした流れは、フレームの軽量化が極限まで進み、ヘタに従来のパーツで組むとレース等での既定の下限重量を下回ってしまうことから始まってるんぢゃないかと思う。余った重さを何か他のコトに回せんのか?ってなハナシですわ。

 もっと大きな変化がある。純粋なロードバイクが減って、シクロクロスとMTBの中間くらいのグラベルロードと呼ばれるカテゴリーがむしろ現在の主流になってるってコトだ。ロードバイク的なダイヤモンドフレームにドロップハンドル、前後リジッド、しかしタイヤはあくまでゴツく太く、フレームの至る所にキャリア増設のためのダボ穴の付いた・・・・・・これって要するに、名前こそ違えかつてのランドナーの再来とか復権とちゃいまんのん?要はロードバイクもMTBも進化の過程でいささか振り切り過ぎて幅が狭くなったんで、もちょっとオールラウンドに行けるのが良いよね?っちゅうハナシだろう。ひょっとしたら懐かしのギドネットレバーなんかも復活したりして。
 面白いコトにディレイラーなんかはぶっちゃけむしろ退化して、フロントは1枚だけってのが多かったりする。その代わりリアが恐ろしくワイドトラベルになってる。何だか昔の5段変速のスポーツ自転車を現代的に再解釈したみたいだ。実際、フロントって使いにくいんだよね。歯数が50-34とかだと、フロント落とすとペダルがスッコ抜けたみたいになるもん。

 まぁ良い傾向だ。ドイツもコイツもウルトラマンみたいなカッコで、ケイデンスがどうのペダリングがこうのみたいなコトばっか言ってるのはやっぱしイビツだし疲れるし排他的だもん。

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 ・・・・・・さて、蘇ったおれの2台のレトロなクロモリはどうしよう?まぁ1台はクロモリったってTIG溶接にオーバーサイズのアヘッド、ユニクラウンフォークでまだモダンな仕様だけど、もう1台は今では優雅とも言える肉抜きメッキラグにロウ付け、スレッドステム、メッキのクラウンフォークだ。エンドに調整ネジが付いてるのも懐かしい。古典そのものだなぁ~。

 オートバイの世界でW1とかRnineTとかのネオレトロが復活したように、その内こうしたクラシカルなクロモリロード人気もまた戻って来るんだろうとおれは思う。だって、見た目だけではなくエンジンまで超レトロでまるで生きた化石ななロイヤルエンフィールドまで売れてる、っちゅうんだから。同じようなコトは絶対に起きる・・・・・・否、メーカーは仕掛けて来るハズだ。
 そらたしかに鉄フレームはカーボンよりかは断然重い。重いったってしかし、せいぜい1~2kgに過ぎない。別にフレーム重量がそれくらい重くたって殆どの人にとっては何にも変わらない。それやったら自分の体重絞る方が余程早い。大騒ぎするほどのこっちゃあらへん、って。出足が遅いだのなんだの素人で語ってる例があるけど、大体は刷り込みと言って良い。何より、鉄は重い以外はメリットだって多い。俗に言われる「バネ感」は元より、高耐久で長寿命、メンテナンス性、等々、そこまで終わってしまった素材でもないのだ。むしろかつて一世を風靡したアルミの方が今やヤバい状況かも知れないな。

 エエよ、もぉこのまんまで・・・・・・ってその内、逆にスポークビッシリな手組ホイールにチューブラー、トゥークリップにトゥーストラップなんかに換装したりして。


最近のロードはホンマ何も付いてないみたいに見えるな~(例はデ・ローザの838)。

2023.10.08

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