「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
パチモンはもぉ沢山・・・・・・粗製濫造のSUVとやら


申し訳ないけど世界最悪のSUVではないかとおれは思う・・・・・・。

https://www.webcg.net/より

 世の中、見渡せばホンマもぉSUVだらけになってしまった。かつてのセダンやクーペはすっかりマイナーな存在になってしまっており、何とあのクラウンまでもが次世代はワゴンスタイルで背の高いSUVになると言われてる状況だ。今や国産の中~小型セダンなんてラインナップからはほぼ消滅し、古いのには逆走/突入予備軍のジジィしか乗ってない。いやマジ、おらぁちょっと古い白とか銀の国産セダンでレースのハーフシートカバー掛けてあるようなのは、駐車場とかでも近くに停めるの避けるようにしてるもんな。

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 「SUV」ってコトバがいつから登場したのか寡聞にして知らないが、日本では多分、初代のRAV4とかCR-V、あるいはハリアーが出た前後ではなかったかって気がしてる。見た目はそれまでのクロカン4WDを意識したようなスタイルながら、タネ車が従来のセダンだけにFFベースでモノコックのシャーシに普通のクルマと変わらない内装で、サブトランスファーなんかも持たない・・・・・・どころかモノによっては4WDでさえないようなのがSUVと称されてたような記憶があるが、ハッキリしない。
 あぁ、そうだ。当初は「ライトクロカン」なんて呼ばれてたようにも思う。ただそれだと、車重が軽くて小さいのと区別が付かない。こっちは要するに使い方がライトなのである。「マルチ・パーパス」なんて呼び方もあったっけ。要は多目的車っちゅうこっちゃね。おれ的にはこれが一番実態に近いような気がしてるが、そうこうする内にどうしたことか最も意味不明な「SUV」が定着しちゃった。
 もちろん、中身的にはラダーフレームにリジッドアクスルでほぼトラックなパジェロやプラド、ビッグホーン、あるいはサーフやテラノといったゴツいのに、これまたゴッツいオプションを満艦飾で装着したのが溢れ返ってたあの時代もどうかしてたとは思うものの、今の状況も十分すぎるくらいおかしいように思う。

 ・・・・・・で、SUV、「スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル」の略らしいんだけど、冷静に考えれば考えるほどこの意味が分からない。「スポーツ用途の乗り物」・・・・・・ってアータ、別にスポーツするのにボンネットを持った背の高いワゴンスタイルである必要は全くあらへんやんか。ジェットスキーやスキューバには全然スペース足りないし、昔は平トラックにポンとサーフボード乗っけるのがサーファーだったりもした(今でもたまに見かけるよね?シャコタンでスムージングしたボディの古いセダンベースのピックアップとか)。ウィンタースポーツも、マジで何人か乗って道具も積んでってなると、やはりワンボックスみたいなんでないとギュウギュウ詰めだ。
 それほど道具が大量にあったワケぢゃないけど、それでもかつて家族4人でキャンプってなると、決してサイズ的に小さくはないビッグホーンの荷室でさえ満載になってスシ詰め状態で、ルームミラーは全く役に立たなかった。昨今のリアウィンドウが寝てスタイリッシュにはなったが、荷室の狭くなったSUVだともっと厳しいだろう・・・・・・ってか、かつてのセダンほどにも詰めなさそうなんまである。とてもスポーツだのレジャーだののイクイップメント、積めまへんで。

 つまり、現代のSUVとして売られてるクルマの大半は実際、スポーツのユーティリティにあんましなってくれんのである。しかしながら、そんなまやかしSUVが日本だけでなく世界中を席巻してるのが現状である。

 ・・・・・・何でやねん?

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 結局スポーツもヘチマも今のSUV人気って、「全部入り」的な実用性のイメージによるところが大なんだろう。そ、あくまでイメージだけ。

 背が高くて見晴らしが良い、リアの見切りが良い、適度にフロア高があるから乗り降りしやすい、そこそこ従来のツーリングワゴンくらいには走ってくれそうな一方、何となくイザっちゅう時の走破性も高そう、荷物もセダンのトランクよりは沢山入りそう、ボンネットの分、前がバッサリ切れたワンボックスより安全そうだし、あれほどムダに広くもない、でもセダンやクーペよりは広そう、海でも山でも街中でも、レジャーシーンにもフォーマルにも似合ってくれそう、立体駐車場にも入りそう・・・・・・まぁ当てはまらないモデルが多数あるとは申せ、概ねそんなトコだろうか。

 いやまぁおれもそうしたSUVに乗ってるから、あまり非難がましいことを言う資格は無い。とは申せちょっと言い訳さしてもらうと、おらぁあくまでクロカン4WDの代替品として乗ってるワケだし(駐車場のサイズ制約があるのだ)、猫も杓子も背の高いワゴンスタイルを基本としたSUVにばっかし乗ってるのはやはりちょっとヘンなように思うし、一方ではあまりに何でもかんでもSUVと称して売るのもメーカーの姿勢として如何なモノか?って憂慮してしまうのである。

 例えばトヨタのCH-Rっての。個人的にはコレってかつて大コケした「WiLL VS」っちゅうイロモノのリベンジっちゅうかリターンマッチっちゅうか・・・・・・要は焼き直しではないかと睨んでんだけど、ナンボ定義が曖昧なSUVっちゅうたかて、そう名乗るにはあまりにも色々ムリがある。
 まずハラ下(最低地上高)がフツーのセダンと変わらない。迂闊にダート走るともぉハラ打ちまくりになること必至、ヘタすりゃたちまちスタックだ。そいでもって室内はメチャクチャ狭い。何がパーソナルSUVだ?レトリックで誤魔化すな!と言いたい。そして近年のクルマとしては呆れるほどに後方視界が宜しくない。往年のカウンタックほどではないとは申せ、これは安全性の点からひじょうに問題あるように思う。もちろんリアの見切りも悪い。荷室も冗談のように狭い。派手でイケイケなのは見た目だけで、エンジンは非力で動力性能がショボい・・・・・・これほどまでに見掛け倒しなクルマも珍しいのではなかろうか。何だか「イキッてるだけで中身の伴わないガキの中学生」みたいなのだ。
 要するにこれ、「ただのヘンなクルマ」であって、SUVかどうか?っちゅう以前にクルマとしてどうか?とさえおらぁ思うぞ。

 同じようなのではマツダのMX-30なんかも挙げられるだろう。コレって最早クーペだろ?ってな内容だ。そこに拘っても仕方なかろうに、またもや観音開き・・・・・・RX-8の蝶番が不良在庫で余ってたのか?(笑)。尖ったセンス、っちゅうよりはちょっとイカれたセンスな気がする。スバルのXVは見た目よりはハラ下や4WD性能等、それなりにオン/オフ両方にも耐えられる作りになってるものの、まぁインプレッサをリフトアップしただけっちゃぁそれまでだな。ホンダのヴェゼルはただの背の高いファミリーセダンだし。

 トヨタばっかしヤリ玉に挙げて申し訳ないが、最近だとライズ/ロッキーも大概ヒドい。作ったのはダイハツだ。同じようなサイズと排気量のスズキ・クロスビーと較べても、何ともショボいし、作り込みがあちこち不足してる感がある。出た当初、見た目がちょっとクロカンっぽくて小さいし取り回し良さそうだし、乗り換えても良いかな?って思った自分が恥ずかしい。
 試乗してみて、そのあまりの安っぽさに愕然としてしまった。そら安いリッターカーなんだから仕方ない、って意見もあるだろうが、別に内装の質感とかは、おれの場合どうでも良いのだ。ただこんなスタイルで売る以上、やっぱし最低限の足回りは確保すべきだろ?このスタイルに騙されて山に入ったらマジでヤバいんぢゃなかろうか?って思ったぞ。どうもダイハツって、スズキにライバル心剥き出しで慌ててリリースした対抗馬モデルにはロクなのがない・・・・・・最近だとキャストとかタフトとか。

 大体、FFでSUV謳うってヤバくね?とおれは思ってて、その点では海外勢もヒドい。フランス系のシトロエンだとかDS、ルノー、プジョーとかってほぼどれもFFで、名ばかりSUVも良いトコ、「ちょっとラギッドで背の高いツーリングワゴン」に過ぎんやんか。CH-Rとかよりムダに利ザヤ稼いでる分、タチが悪いかも知れない。ドイツ勢はやはり寒いトコが多いからか4WDが増えるけど、こちらもオフの性能はほぼ考慮されてない。ヒドいもんである。
 高級車ブランドもポルシェ・カイエンが好調なんにアテられて、何匹目か知らないけど泥鰌狙って掘っ建てSUVを次々とリリースしてる。けど、大半は見掛け倒しなモノばっかしだ。

 それが今の世界的なSUVのウソ寒くも薄っぺらな状況だ。要は世界中がSUVという名のどぉにもカテゴリーとして曖昧で中途半端な立ち位置のクルマを求めてる・・・・・・何か不気味な予兆ではないかと不安にさえなってしまう。

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 ちなみにおれの今後の計画は大体決まってる。

 田舎に移住して駐車場の心配がなくなれば、って前提条件付きにはなるけど、1台はジムニーもしくは軽トラ、そしてもう1台は86/BRZ、或いは宝くじでも当たればポルシェ911みたいな平べったい2ドアのにしようと思ってる。前者は小さいながらもれっきとしたクロカン4WDで、見掛け倒しではないオフロード性能がある。そして後者はあくまで純粋に舗装路を速く走るためだけの存在だ。ほぼ2人しか乗れず、室内は狭く、荷物だって大して積めない。

 ・・・・・・つまり、SUVなんてのには乗らない、ってコトだ。力んでるうちにEVばっかしになるかも知れんけどね(笑)。


最早、アヴァンギャルドで難解とも言えるセンスのマツダ"MX-30"。

https://www.gqjapan.jp/より

2021.06.12

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