「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
誰が名付けたかホモランドセル・・・・・・The North Face


みなさんも一度は見たことありますよね?

http://www.kojitusanso.com/より

 普段使いのカバンはこれまで専らショルダータイプが多かったんだけど、先日書いた通り身体の片側に重量が掛かるもんで、どうにもバランス的には良くない。今や年がら年中ガチガチに凝りまくってる肩への負担だって大きい。もぉ若くもないし、ギックリ腰の前科持ちでもあるんだし、ちょっとは労わらんとアカンやろと思ってリュック中心に切り替えることにした。

 思えばボーイスカウトが使ってたようなアーミーグリーンのリュックにもショルダーにもなる帆布のバッグのストラップを目一杯伸ばして斜に掛けてた小学生の頃から、山に行くとかでなければショルダータイプばっかし使ってたような気がする。

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 しかし、ショルダータイプって何か特殊な用途でもない限り容量が5~10リッターくらいしかない。出先で何かを買い求めて荷物が増えると入り切らないこともままある。そのために小さなエコバッグみたいなのも忍ばせてるんだけど、それだと何とも荷物だらけみたいで具合が宜しくない。ティンバック2に代表されるメッセンジャーだとかなり大きいが、ショルダーっちゅうよりはスリングバッグに近く、歩いてると蒸れるのが難点だったりする。これがリュックだと、例えばデイパックの元祖と言われるケルティの小さいのでも15~6リッターはあるから、まずまずちょっとしたお出掛けで不自由することもないし、メッセンジャーほど体に密着しない分、蒸れも少しはマシだ。

 リュックの手持ちは結構ある。まずはミレーの昔からある定番で「マルシェ」ってモデルだ。容量的には20リッターと手頃で、サイドのメッシュのゴムがいささか伸び気味なんだけど使うには問題ない・・・・・・が、いかにも山用な雰囲気でタウンユースには浮きそうだし、小さいながらもチェストやウェストベルトが付いてたりして却ってライトに使い辛い。
 大昔のまだ止水ジッパーを使ってなかった頃のアークテリクスで30リッターのも転がってる。これはザックリした作りが使いやすくて上の子が長く通学に使ってた。スゴく頑丈に作ってあって全然痛んでない。チェストやウェストもあまり邪魔にならないんで良いんだけど、やはり普段使いに30リッターは少し大きい印象だ。あとはナイキのが古いのがあったしカリマーのも探せばあるだろうがどれもちょっと容量や用途が異なる。ホント、ザック選びって難しい。

 ・・・・・・そんなんで久しぶりにリュックを買ってみようかな?って気になったのだった。

 普段使いだから、入口をドローコードで縛って上からフラップ掛けるようなのはダメだ。そこまでグイグイ荷物を押し込むことはないし、ツーアクションはモノの出し入れに手間取ってしまう。ここはやはりジッパータイプがスピーディーで良かろう。
 しかし、一般的なバックパックに見られるサイドの下の方へ逆U字型に開けるタイプも実はそれほど使いやすくないのである・・・・・・と言うのも、大体このテのって全体のフォルムが下膨れで上がすぼまったようになってるモンだから、案外底の方の荷物がゴタゴタしがちで取り出しにくいし、口がサイド一杯まで大きく開くもんだから荷物がこぼれたりしがちなのだ。デイパックの古典的フォルムはそんなティアドロップと言われるんだけど、どうにもおれとしては良いと思えない。

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 昔は街でリュック背負ってるなんて、ちょっとヲタクで暗くてダサいニーチャンって相場が決まってたんだけど、バブル崩壊以降はみんな地味で実用一点張りになったのか、いつの間にかすごく一般に普及した。まだ少数派だし、個人的には違和感あるけど、リーマンでスーツにビジネスバッグを背負ってたりするのも急速に見掛けるようになった。まぁこぉゆう時、素直に世の中のトレンドに従うことも必要だろう。
 それで会社の行き帰りに駅や電車の中で観察してると、この数年でノースフェースのロゴを縦に大書した寸胴なリュックを背負ってるヤツがひじょうに増えてるコトに気付いたのだった。

 ぶっちゃけおれはノースフェースは嫌いだったりする。何が嫌いってもぉ、あの「The North Face」ってロゴをデカデカとプリントしてあるのがそもそも嫌いなのだ。ドヤ顔そのもので下品やんか。一世を風靡したダウンジャケットの頃はまだ小さなワンポイントだったのに、今のアレは何やねん!?って思うもん。
 それにノースって本格派のアルパイン系のフリして、実態は今一つイケてないのがこれまたナサケない。例えばテント。現代の細く撓るフレームをドーム状に組み合わせるジオデジックなスタイルの元祖はココであるにも拘らず、今はもうサッパリ鳴かずトバずだったりする。重量面でも耐水性でも今は後発ブランドの後塵を浴びてるのが実態なのに、名前だけで値付けがやたら強気なのもイタい感じだ。もっとひどいのがシュラフで、この程度の機能性でこの値段は無いやろ!?と言いたくなるような逸品(?)揃いだ。低温限界マイナス18度で9万円とかナメてるよね!?
 まぁ、要するに今はヘリー・ハンセンと共にゴールドウィンがライセンス販売する、ただのアパレルブランドと断言して構わないだろう。マジでノースフェース(北壁)なんかにイクイップメントとして持ってったら死にまっせ。

 それはさておきこの四角いズドーンとしたの、機能的にはナカナカおれの求めてるのに近そうだ。四角くてフタの部分が水平のジッパーでパカッと開くのも手軽で便利そうだし、ゴタゴタとポケット類やフィッティングを調整するベルト類があちこちに付いてないのも好ましい。生地もツルツルしたターポリンか何かで少々の雨なら中まで濡れることもなさそうだ。鬱陶しいのは巨大なロゴくらいだけど、まぁこれだけ世の中に溢れてりゃ今さらドヤ顔でもなかろう。

 調べてみるとそれは「ヒューズボックス」ってモデルであることが判明した。容量は30リッターと、今は20~25リッター程度が欲しいんでちょっとばかし大き目だが、余分な出っ張りが無いプレーンなフォルムはややこしくなくて良さそうだ。如何にもデザイン優先で実用性のなさそうなデイジーチェーンが気に懸かるくらいである。前言撤回で買うことにしようかな?売れ筋だけあって値引きも大きく、定価の4割引きとかで売られてて値頃感も良いやんか。使い心地とかどうなんだろ・・・・・・?

 そうしてさらにネットでいろいろ情報を集めて行くうちに、悩ましくも笑える事実に行き当たってしまったのだった。

 何とこのヒューズボックス、陰では「ホモランドセル」などと嘲って呼ばれてるのである。新宿二丁目系のマッチョなゲイのオニーサン達がムキムキになるためのジムに通うのに良く愛用してるらしい。
 知ってしまうと何だか押し出しの強いデイジーチェーンまでもが意味ありげに思えて来てしまった。実はスラングでデイジーチェーンとはホモが見境なく掘りまくって繋がることを指すのである。ホモ臭プンプンやんけ。

 ・・・・・・マズい!ヤバい!

 おらぁガタイがケッコー良いのである。オマケに頭頂部はいささか薄くなったもののサイドはバキッと刈り上げた短髪だったりする。さらには滝汗系だから暑い季節はとにかく薄着だ。それがこのリュック背負ってると如何にもではないか。ネットリした愁波送られても困るわいな。
 強いて言うなら普段ロクすっぽ陽に当たらない生活してるモンだから、いささか今は手足が生っ白いのが日サロで焼きまくりなアッチ系の人と異なるくらいで、どうにもちょっとヤバい。あ!あと、ジャージはまずもって着ないし、そもそも持ってないか・・・・・・何言い訳してアセッてんねんな(笑)。

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 ホモランドセルは止めることにしてさらに探した結果、それよりはちょっと小ぶりな22リッターのサイズで、同じように天面が水平に開いて寸胴なモデルがパタゴニアにあることが判明した。その名を「トロミロ」という。余分なポケットやベルトが無いのは同様だ。デイジーチェーンよりは控え目なベルトベースがちょっと付いてるだけなのも好ましい。さらにはロゴも地味だしパタゴニアだけあってカラーも落ち着いたのが揃ってて、年相応のような気がする。

 ・・・・・・色んな意味で、ようやくホッとできたのだった(笑)。

 そうして落ち着いて考えると、「ホモランドセル」って実に言い得て妙、っちゅうかムチャクチャにキャッチーなネーミングだよね?どぉにもこぉゆうセンスと才能がおれには欠けてるな。


これがパタゴニアのトロミロ。使い勝手はひじょうに良い。

https://www.bfgcdn.com/より

2017.04.26

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