「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2m四方


何故か爆安のケルティの「アウターリム3」。このカラーには憧れがあります。

 今回書き連ねることは私的なメモ書きに近いものであることを初めにお断りしとかなくてはならないだろう。だって品物を列挙するだけなんだから(笑)。

 久しぶりにこのところ急速に盛り上がって来てるアウトドア熱なんだけど、そんなアウトドアの中核となるのはやはりテントだろうと思ってる。何ちゅうか、イメージアイコンみたいな存在ですな。これが無いとやはり締まらない。

 ・・・・・・で、何だかんだでおれは現在5張持ってんだけど、そのうち3つ、モンベルとヨーレイカとファウデは形や仕組みこそ違えフロアサイズが殆ど同じだ。大雑把にいうと長辺が2mほどで短辺が1.5mの俗に「2〜3人用」なんて表示される広さである。あとは3m四方のコールマンの大きいのが1つと、モノポールで6角形だから四方とは言えないけど、最も長い頂点間で2.7mのバカ安ドッペルギャンガーのモノだ。
 今さら言うまでもなくテントの定員数表記っちゅうのは昔からムチャクチャであって、一体全体いつの時代のJIS規格なのか、人間一人の幅をたしか55cmとしてサイジングしてある。だから上記のフロアに本当に三人寝るとタイヘンだ。ぶっちゃけマトモに寝られない。寝返りももちろん打てない。転がると誰かの上に乗っかってしまう。身体の向きを互い違いにしてやっと入るくらいのスシ詰めである。そんなんで荷物を置くスペースなんてどこにも残ってないから前室にでも並べるしかない。
 実はこれは本格的なアルペンテントとしては間違ったことではない。何より防寒性や耐風性が重視されるから、なるだけ狭い空間に人が沢山入ることでそれらを確保しよう、ってワケだ。

 しかし、ユル〜いアウトドアでは自ずと基準も異なってくる、ってモンだろう。上に述べた3張のサイズは結果的にソロで野宿する時の自分なりの必要サイズなのである。ある程度ユトリがあって、寝返りも打てて、荷物も中に置けて、胡坐もかけて・・・・・・ってなるとそれくらいはどしたって必要なのだ。

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 さてさて、もう子供もいい歳になって一緒に行くこともないだろうから、これから出掛けるなら最大2人だ。3m四方だと広いのは良いけど2人だといささか手に余る。冷え込んだりするとやはり寒い。かといって、ソロ用に使って来たサイズだとちょと狭い。モノポールは面白いけど如何せん特殊すぎる。それと荷物は共用するものも多いからこれまでの丸々2倍の広さまでは必要ない。
 ・・・・・・となると、2m四方くらいのフロアサイズが使い勝手が良さそうに思えるんだけど、このラインナップってあまり多くないのが実情なのである。

 有名なところでは超定番、エバーグリーンモデルとも言えるモンベルの「ムーンライトテント」だろう。これのX型はフロアは2.1m四方の4隅を30cmほど欠き取ったような8角形で、これだけクロスポールのドーム型テントが流行る中、頑ななまでにA型フレームに拘った独特の形が特徴だ。このテント、「生きた化石」などとも揶揄されるけど、設営のしやすさ、風通しの良さ、ウォールの立ち上がり、張り綱が基本的に不要・・・・・・等々、他のテントにはない特徴を数多く備えてるのも事実だ。
 同じくモンベルには、今は「クロノスドーム」ってのもある。山岳用とツーリング用の中間的なキャラクターで、とにかく安くて単純明快なクロスポール2本だけで吊り下げ型っちゅう作りが良い。これのW型は2.1m×2.4mと少し広いもののまずまず要件を満たしている。広さのワリにウォールが寝てたり、前後の入口は大きいけど、ベンチレーターがさほど大きくなかったりで、夏場の快適性は月光の方が上だろうとは思うけど。
 その他山用でステラリッジとかいろいろあるけど、あまりに山用は通気性や換気性が落ちる。そんなん夏場の低地ではおれみたいな暑がりには拷問以外の何物でもない。

 スノーピークでは「アメニティドーム」のMや「ランドブリーズ」の4あたりがちょっと近いかも知れない。しかし、おれはとにかくスノーピークってメーカーがあまり好きではないんで、どうにも食指が動かないのが偽らざるところだ。悪い冗談のようにムダに多いペグやガイロープも見ててウンザリしてしまう。それを反省したか最近は「ファル」ってシルナイロンを使った比較的シンプルなアルペン系軽量モデルも出て、これにも4人用でインナーのフロアサイズが2m四方のがある・・・・・・でも、トグルでフライにインナーぶら下げるなんてめんどくさくてやってられへんわ。何が設営20秒かよ、誇大広告もいいトコだって思うぞ。
 親会社が倒産したり何かとついてないオガワも忘れちゃいけない老舗ブランドだろう。ここにも「ピスタ34」って昔からの定番モデルがある。奇を衒わないデザインと落ち着いた配色、2.2m四方とサイズも程良く、プリベントしたポールによる空間の広さ等、これと言った特徴はないものの、細部までシッカリ作り込んであるのに好感が持てる。一方でサブポールを用いて張り出させた前室はめんどくさくてあまり趣味ではない。

 老舗のダンロップ/プロモンテやアライテント、あるいはエスパースでも2m四方に近いものは揃うが、やはりどれも山用モデルゆえに通気や換気の問題がいささか厳しいし、背も低すぎてホビーユースにはちょとしんどい。また、今さらロゴスやキャプスタあたりに敢えて手を出す気にもなれない。

 ぢゃぁ外国製はどうなんだろ!?

 名門と言えるMSRだとパパハバが2.2m×2.4mで若干大きく、マザハバやちょっと安いエリクサーの3型が2.1m×1.7mとやや狭いもののまずまず検討の対象となって来るだろうが、どれもメッシュ部分がデカ過ぎて風通しが良すぎるきらいがある。この辺は海外ブランド・・・・・・特にアメリカ系に共通した問題で、どうにも日本の変化の大きい気候に対する理解不足が感じられる。何だか外車が日本の道路事情無視して1.8m超の車幅のものばっか売ろうとするのと似てる気がする。
 近年躍進著しいNEMOには「バンガローストーム4P」という、月光の欠点を良く調べ上げたようなモデルがある。ただ、出入り口が片側のみだったり、ちょっとサイズが大きすぎるかな?ってーのが気になってしまう。敢えて冒険する必要が感じられない。
 ビッグアグネスも恐るべき軽量ぶりをウリに急成長したブランドだが、ここにはホビーユースの居住性を良く考えた軽すぎないモデルがある。「タンブル3」なんかが2.4m×1.8mとワリと求める条件に近い・・・・・・けどやっぱしメッシュだらけなんだよなぁ〜。

 大好きなシエラデザインズには「マウンテンメテオ3」って、傑作「ストレッチプレリュード」直系のモデルがある。基本は山用なんで通気性はサッパリだし、ポールの数も多くて設営も面倒なんだけど、とにかくそのインナーを張り上げた美しさは感動モノだ。4年ほど前、サカイヤで投げ売りしてる時に買っちゃえば良かった。遅まきながら探してるんだけど最近はもう入荷自体が無いのかも知れない。また「ライトニングHT4」や「ジア4」、「シリウス3」あたりはサイズ的にはとても良い一方で、やっぱしメッシュだらけのスースーだったりフライが中途半端だったりと、アメリカ系のメッシュへの依存はホントどうにかしてるぞ!・・・・・・ったく。
 これまた老舗のケルティは日本ではもひとつ低空飛行なままのブランドだが、何故か日本向けモデルとして「アウターリム3」ってのがある。インナーをちゃんとファブリックにして極端な風通しになることを抑え、フロアも2.2m×1.8mといい感じ。ブランドカラーであるオレンジと白のツートンカラーはなかなかポップでもある。まぁ何てことない平凡な構造な分、扱いやすそうな印象だ。国内への正規輸入はないが、本国には「TN4」・「トレイルリッジ4」といったちょっと広めだけどメッシュの多用が・・・・・・以下同文(笑)。

 街でやたらリュックやダウンジャケットを見掛けるノースフェイスにも「カイジュー4」ってな、ちょっと大きめのがある。でもさぁ、これ買うんならフツーにコールマン買った方が良いのではないか?って気がするな。耐水性なんかも今時かなりショボいしさ。ジオデシックの元祖にしては近年、テント類での頑張りがも一つのように思うぞ、ノースフェイス。
 そうだ!老舗と言えばヨーレイカももっと頑張ってほしいブランドだ。どぉゆうワケかおれは昔から「!」マークが特徴的なこのメーカーが大好きなんだけど、おれが好きなトコはコケるっちゅうジンクスの為せるワザか(笑)、長年国内代理店だったエバニューも取り扱いを止めちゃって、今後国内での販売は並行物のネット販売にシフトしてくんだろう。しかしそれではやはりアフターサービスに不安が残ってしまう。
 ところがここはおれの求めるサイズよりは若干大きいくらいのが一番色々揃ってる。「アサルトアウトフィッター4」、「ミドリ3」、「マウンテンパス3XTE」、「タロンベースキャンプ4」、月光の元ネタとも言われる「ティンバーライン4」、ハードでエクスペディションな「K−2XT」・・・・・・ちったぁ製品ラインを整理した方が良いんぢゃねぇの!?ってツッコミ入れたくなるくらいに数多く揃うのだ。
 今や「テントのロールスロイス」とまで言われるヒルバーグだと「ナロ4」が2.2m×2.1mでほぼ近い。でもおれはトンネル型のテントが今一つ好きになれないでいる。この形状には抜群の耐風性やウォールの立ち上がりがほぼ垂直といったメリットがあることは理解できるんだけど、どうにもソソられないのだから仕方ない。ちなみに似たような形はドイツのファウデなんかにもあった記憶があるから、欧州系ブランドが好きな形状なのかも知れない。

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 ・・・・・・以上、ダダダダーッと列挙してみた。世の中には星の数ほどメーカーはあって、これらが全てではない。ともあれ調べてみると案外あるモンだってコトが分かった。

 まぁ、春くらいから本格的に入荷が始まるだろうから別段アセッてはいない。大体、今の手持ちで二人が寝れなくもないんで、買うと決まったワケでもない。昔よりはモノに拘るのにもいい加減めんどくさくなりつつもある。だから目下全ては白紙だ。

 今しばらくはネットをさまよいながら、あれこれ思いを巡らすことにしよう。やっぱ、テントって楽しい。


素晴らしいフォルムのシエラデザインズ「マウンテンメテオ3」

2016.02.06

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